日本映画史を体現する名優・仲代達矢の 最新主演時代劇『果し合い』が1週間限定上映!

■「キネマニア共和国」

日本映画界を代表する名優・仲代達矢。そんな彼の最新時代劇『果し合い』が10月末日、スカパー!でオンエアされましたが……。

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街~ vol.54》

そんな名作が、11月7日より1週間、東劇にて特別上映!

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甥の娘のために立ち上がる
老いた部屋住みの大叔父

『果し合い』は、『たそがれ清兵衛』(02))『隠し剣 鬼の爪』(04)『武士の一分』(06)と山田洋次監督による映画化作品でもおなじみの時代劇作家・藤沢周平の同名短編小説(『時雨のあと』所収)を原作に、時代劇専門チャンネルとスカパー!と松竹の共同製作でした“藤沢周平新ドラマシリーズ”第1弾として製作された時代劇ドラマです。

次男以下の男は婿として家を出るのが通例であった江戸時代の下級武士の家で、とある事情から兄が家督を継いだ庄司家の部屋住みとして、家族の者たちに蔑まされながら生き、そして老いていくのみの庄司佐之助。

そんな佐之助に甥の娘・美也だけが常に優しく気遣ってくれています。

ある日、美也は佐之助に相談を持ち掛けてきました。

彼女は自分が想いを寄せる男のもとに嫁ぎたいようなのですが、両親は家柄の良い剣の達人との縁組に乗り気になっているようで……。

やがて美也は縁談を断ってしまうのですが、相手の男はそれに憤り、ついには美也が想う男に果し合いを申し込んでしまいます。

それを聞いた左之助は、過去の因縁も手伝い、美也のために刀を手にし……。
 
藤沢周平ワールドならではの静かで凛とした空気感の下、哀しき過去を押し殺しながら飄々と生きる大叔父を、先ごろ文化勲章を受章した名優・仲代達矢が好演しています。

美也には『最後の忠臣蔵』(10)でその年の新人賞を総なめした桜庭ななみ。ここでも清楚ながらも勝気な武家の娘の気品と純朴さを見事に体現しています。
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その他、共演に原田美枝子、増岡徹、徳永えり、柳下大、高橋龍輝、矢島健一といった布陣。

監督はTV『北の国から』シリーズや映画『最後の忠臣蔵』の杉田成道。この名匠ならではのしっとりとしたオーソドックスな演出が作品の拡張を高めてくれています。

脚本は仲代主演のロード・ムービー『春との旅』(10)を監督し、彼とは気心の知れた小林政広。

そして音楽は『最後の忠臣蔵』の加古隆が担当しています。
春との旅

テレビと映画の垣根を超えた名作を
ぜひ銀幕の大画面で!

さて、既にテレビでオンエアはされたものの、それで終わらせてはもったいないほどに、テレビと映画の垣根を越えたクオリティを讃えた本作が、11月7日(土)より1週間、東劇( TEL:03-3541-2711 )にて限定公開(毎朝10時~)されることになりました。

初日には桜庭ななみ、杉田成道監督による舞台挨拶も行われましたが、11月13日の最終日にも益岡徹、杉田成道監督による舞台挨拶が予定されています。
(スケジュールなどの詳細につきましては、公式ホームページをご覧ください)
http://www.smt-cinema.com/site/togeki/

日本映画界を代表する名優&名スタッフによる珠玉の時代劇、ぜひ銀幕の大画面で接してみてください。

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(文:増當竜也)


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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