“ジグソウ”が見えないところでやっていた11のこと『ジグソウ:ソウ・レガシー』

身辺整理

完治困難の脳腫瘍で余命わずかということ知ると、改めて命の重みを知ったジグソウことジョン・クレイマーは、命を軽んじる者をターゲットにした殺人ゲームマスターになると決心。そんな彼はまず一般社会と距離を置くために身辺整理をします。また財産等々も整理し、手元の資金は(自身の病がもう手遅れということもわかっていたので治療費などには回さず)ゲームに費やすます。

1.離婚

自分の死期を悟り、命を軽んじるものへ命の重さを再認識させるゲームを始めるため、年下美人で医師でもある才色兼備の妻ジルと離婚します。

表向きの理由は二人の間の子供が流産してしまったことのようにしていますが、実際のところは愛妻をジグソウの妻よりジグソウの“元”妻にした方が、事件発覚後のジルの立場がよくなると慮ってのことでした。

しかし、ジルは離婚後ジグソウとは連絡を取り合っていないと証言していたものの、実は離婚後も何度も会っていました。さらにジルには弁護士を通してメッセージとある遺品まで残しています。

2.自宅のリフォーム・アジトの確保 

脳腫瘍が進行して心身ともに辛い中、建築学や機械工学(地元ではそれなりに名の知れた名士でした)の知識と経験を使って自宅を大掛かりにリフォーム。地下室を迷宮のような作りに。『SAW1』の舞台となった古びた浴室もこの中にあります。

また、ピタゴラスイッチ的な殺人トラップを多数製造、トラップ満載の『SAW2』から『SAW6』に登場したアジトも別に用意しました。ここは元食肉工場で、ジグソウの最初の設計物件でもありました。

後継者候補(後述のアマンダ・ホフマン刑事・ジル・ゴードン医師・今回の犯人)に多くの作業を手伝わせて、その様子を観察。後継者の資質を細かくチェック、それぞれの暴走に対する予防策も別々に託していました。

© 2017 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved Photo credit: Brooke Palmer

後継者選抜

後継者は基本的にゲームを生き残った者から選抜され、まずは助手からスタートします。ホフマン刑事の場合はジグソウを装って妹の復讐をしたのがあっさりばれましたが、その動機を鑑みて特別枠で助手に採用されました。警察側の情報源としても機能しましたし、力仕事も彼の担当でした。

3.アマンダ・ヤングをスカウト

『SAW1』から登場して、最初期のゲームの参加者で生き残ったことから後継者候補に。実は身篭っていたジルを襲って流産させてしまった元患者の強盗の恋人で、その現場にもいました(ジグソウは知っていた様子です)。

ゲームから生き残った後にジルとも再会(ただし、流産の件には触れず)。8人のゲーム(『SAW2』)にも参加してみせるなど献身的な態度を取り続けます。ただし、嫉妬深いところもあって、ジグソウが自身の延命治療のためとはいえ女性脳外科医リンに全幅の信頼を置いて接する様子を見ると露骨に不快感を示し、最終的に彼女を銃撃。その直後にトラップを抜け出てきたリンの元夫に射殺されます(『SAW3』)。

実はこのゲームはジグソウからアマンダへの最後のテストでした。なお彼女が仕込んだゲームではまずどうやっても助からないものが多く、その点でもジグソウの不興を買ってしまいました。

4.マーク・ホフマン刑事をスカウト

『SAW4』からの登場ですが、ジグソウ事件に当初から参加していた(という後付け、追加設定がなされていた)刑事。自分の妹が殺害され、その復讐をジグソウの仕業に見せかけたものの、あっさりとジグソウに露見して捕らえられます。尋問の結果、その動機を鑑みてすぐには殺されず、情報源かつ力仕事担当として助手に採用されます。最初はアマンダからも見下されていましたが、狡猾さと野心の強さがあり、逆にアマンダの罪を調べて脅迫、脳外科医リンを銃撃させ、ジグソウの最後のテストに失格させるほどに。

ジグソウとアマンダの死後は、ジグソウの後継者としてゲームを進めるものの、生来の残忍さが顔を出し始め、どんどん生存率の低いゲームを進めるようになります。やがて警察にも追われる身となり、さらにジルを手にかけたことでジグソウが暴走予防役として用意していたゴードン医師に襲撃されてしまうことに。

5.元妻ジル・タックに遺品を託す

ジグソウの元妻、才色兼備の女性です。当初の取り調べでは離婚後は、元夫とはコンタクトを取っていないと証言しましたが、実は離婚後も何度も会っていました。更に、ジグソウの仕掛けるゲームもことも薄々感づいていた様子も描かれます。

弁護士を介して最後のメッセージと遺品としてのヘッドギアを受け取りました。後継者になるわけではなくホフマンの暴走を止めるための役だった可能性もあります。

6.ローレンス・ゴードンにメッセージを残す

ジグソウの担当医でしたが、良くも悪くもシステマティックに患者に接するタイプで、そのことからゲームに参加させられます(『SAW1』)。自らの足首を糸鋸で切り落として脱出を図ると、その覚悟を見たジグソウにより応急処置を受けて生き延びます。

自身は後継者になるつもりはなく、あくまでも裏方に徹するつもりだったようですが、ジグソウの得意分野ではない医療技術の部分で様々なフォローをしていました。ジグソウの延命のために脳外科医のリンを紹介したのも彼でしたし、参加者の体内に鍵を埋め込んだりするのも彼でした。

ジグソウからの信頼も強く、ジグソウの死後はゲームを遠くから観察し続けていました。ジグソウからホフマンの残虐性が暴走していく可能性を示されていて、ホフマンに警告文を出したりもしました。最終的にホフマンを浴室に閉じ込め、旧シリーズで最後にキメ台詞の「GAMEOVER!」を告げた人物でもあります。

7.今回の犯人にノウハウを伝授

実はこの人物もかなり最初期のゲームの参加者でした。ゲームから生き残り、その後ジグソウに様々なゲームとトラップの技術を伝授されました。

それから、10年間ジグソウの後継者・協力者としての顔を隠してきましたが、あることからゲームを開始します。10年前の職業は研修医で、ジグソウの脳のレントゲン写真を取り違えた過去があります(ゲーム参加者に選ばれたのもそれが理由です)。再開されたゲームは、ジグソウの存在を感じさせつつも、最新技術も多く取り入れている進化形です。

© 2017 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved Photo credit: Brooke Palmer

ゲーム参加者の選抜

8.ゲーム参加者を確定

ゲームの参加者は、アマンダやホフマンがゲームの主催者となると、個人的な邪魔者を選ぶなど、元々の命を軽んじる者という条件と合わないものに変わっていきましたが、初期の参加者はジグソウが死期を悟った直後に関わった面々が選抜されました。自分の病に関わったり身近にいたりした面々などです。

ジルを襲った強盗の男(アマンダの恋人)が最初のターゲットでした。また自身の先端治療への保険適応を断った保険会社の副社長とその部下たちや(『SAW6』)、ジグソウのゲームからの生還者を装って自伝を発表し時の人となったボビーも含まれています(わざわざ顔を見にサイン会にも行っています)。

自身の治療に関りながらも積極的ではなかったゴードンや、レントゲン写真を取り違えた研修医などもターゲットに。ちなみにゲーム執行を妨げる警察官などにはゲームとは別に妨害トラップを多数用意しています。

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死後の遺産(レガシー)を用意

9.自分にトラップのスイッチを仕込む

自身の延命のために脳外科医のリンを誘拐し、治療を強要するためにヘッドギアをつけましたが、その作動スイッチは自身が死ぬと共に作動するようになっていました。普通にジグソウが延命すれば、リンのトラップをも外される予定でしたが、アマンダの嫉妬心から(ホフマン刑事の差し金という追加設定もあります)リンはアマンダに撃たれてしまい、ジグソウの延命は不可能に。

ジグソウの命も風前の灯火でしたが、リンの夫ジェフがジグソウを射殺したことで、すでにリンは重傷を負っていましたがトラップが作動して、とどめを刺されました。

10.ホフマンにメッセージ 

ジグソウは自身の命がいよいよ最後の時を迎えるということと、後継者候補だったアマンダに未熟さを感じていたことで、ゲームを継ぐ人間はホフマン刑事だと考えました。そこで彼に向けたメッセージを録音したテープを蝋にくるんで飲み込みます。死後の検視で胃からテープが発見されホフマン刑事にメッセージが伝わる仕掛けです。

胃酸の影響を受けないために蝋にくるんだのですが、ホテルのアメニティグッズの石鹸ぐらいの大きさに。飲み込むのもさぞや大変だったと思われますが、ジグソウの覚悟のほどが良く分かりますね。

11.メッセージと遺品を残す

元妻のジルに弁護士を介してメッセージと遺品を残します。メッセージは6つの封筒で、中には正当な対応をしなかった保険会社の面々の写真がありました。ジルは5つまでをホフマンに渡します。6つ目のメッセージにはホフマンの写真があり、遺品のトラップはホフマンの暴走を止めるためのものでした。ゴードン医師へのビデオメッセージも託されていたようです。ジグソウは自身の死後も自分のゲームが意図しない方向に向かうことをとにかく嫌っていたようです。

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そして10年後

10年後。ジグソウの存在はもはや都市伝説(レガシー)の中の人物となっていて、多くの隠れ信者が生まれています。そして、どこから漏れたのか数々のトラップの設計図がネット上にさらされ、中にはそれを再現しようとする者まで現れるように。

そして、また新たなゲームが始まるのです…

(文:村松健太郎)

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    ライタープロフィール

    村松健太郎

    村松健太郎

    村松健太郎 脳梗塞と付き合いも10年目に入った映画文筆家。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在NCW配給部にて同制作部作品の配給・宣伝、イベント運営に携わる一方で各種記事を執筆。

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