『レプリカズ』はキアヌ版『ロボコップ』!実人生を思わせる役柄が泣ける!

© 2017 RIVERSTONE PICTURES (REPLICAS) LIMITED. All Rights Reserved.

無敵の殺し屋からラブストーリーまで、どんな役でも見事にこなす名優キアヌ・リーブスの最新作『レプリカズ』が、5月17日から遂に日本でも劇場公開された。

日本版ポスターの宣伝コピーによれば、今回の役柄はズバリ”暴走””科学者”なだけに、多くの期待を胸に鑑賞に臨んだ本作。

果たしてその内容と出来は、どのようなものだったのか?

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ストーリー

神経科学者ウィリアム・フォスター(キアヌ・リーブス)は人間の意識をコンピュータに移す実験を今にも成功させようとしていた。しかし、突然の事故で家族4人を失ってしまい、タブーを犯す決断をする。彼は家族の身体をクローン化し、意識を移し替え、完璧なレプリカとして甦らせることに成功したのだ。ただし、彼らの記憶を少し改ざんして―。
家族と幸せな日々を送ろうとするウィリアムだが、研究を狙う政府組織が、サンプルとして家族を奪おうと襲い掛かる。

予告編

主人公が直面する、究極の選択が凄い!

人間の意識をデータ化してコンピュータに移植する研究を続けていた、神経科学者のウィリアム・フォスター。突然の自動車事故により愛する家族を一瞬で失った彼は、最先端のクローン技術により家族を完璧な”レプリカ”として蘇らせるのだが…。

序盤の展開で近未来SF物と思わせて、実は自動車事故をきっかけに家族の愛情や人間の尊厳の物語へと大きく変貌を遂げることになる本作。

人間に用いるにはまだ多くの問題を残す彼の研究だが、それでも愛する家族を必死で甦らせようとするウィリアムの行動は、正に”暴走科学者”と呼びたくなる迫力に満ちている。

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家族の遺体を前にウィリアムが取った行動は、確かにかなり強引な展開と思わせるのだが、自分が運転する車の事故で家族の命を奪ったという自責の念と、目の前に与えられた絶好のチャンスを科学者として見逃せなかった、という点を踏まえて考えれば、人間の尊厳やモラルに反した彼の行動も理解できるのではないだろうか。

家族の遺体を目の前にして、ウィリアムに与えられた究極の選択への答えは、果たして家族を救いたいと願う純粋な想いによるものか、それとも単なる科学者としての興味やエゴなのか?

モラルやタブーを超えて勇気ある選択をしたウィリアムの運命は、是非劇場でご確認頂ければと思う。

キアヌ・リーブスの実人生を思わせる役柄が泣ける!

愛する家族を突然奪われた悲しみの中、家族との関係を再びやり直す機会を与えられた男が、果たしてどう行動するか?

確かに選択の余地のない緊急事態だったとはいえ、その後の主人公の”暴走”にはかなり予想を覆された、そんな意見や感想もネット上に散見できた本作。

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だが研究に熱中して家族との対話が二の次になっていた中で、久々に家庭そろっての休暇に向かう途中で起きた悲劇の重大さを考えれば、一見唐突に思える本作での展開にも充分共感できるのではないだろうか。

加えて過去に自身も娘を死産で失い、その翌年に元恋人を交通事故で失ったキアヌ・リーブスの実人生を踏まえれば、主人公の行動や決断にも更に深みと説得力が感じられるはずだ。

特に本編中でウィリアムが末娘に対して苦渋の決断を下すシーンは、正にキアヌの辛い過去を連想させるものとなっているので、必見です!

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最後に

自然の摂理に逆らってでも、事故によって奪われた家族の命を甦らせようとするウィリアム。その深い愛情が後に悲劇を生む展開には、スティーブン・キング原作の映画『ペット・セメタリー』を連想した方も多かったのでは?

確かに過去の類似作品ではクローンとして蘇った家族が凶暴化したり、寿命が短いために悲劇的な結果に終わるなど、どうしてもスッキリしない結末や観客が予想できる展開が多かったのも事実。

しかしこの『レプリカズ』では、観客の方が「この先どうなってしまうのか?」と逆に心配になる程の意外な展開が続くことになるのが見事!

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事実、無計画で衝動的としか言いようのない主人公の行動にも関わらず、「突然こんな状況に放り込まれたら、確かにパニックになって正常な判断がつかないかも?」、そう観客に思わせるのは、やはり主演のキアヌ・リーブスが普段から善良過ぎる行動を取っている点や、彼の人生を襲った同様の悲劇が主人公に重なるところが大きい。

つい最近もアメリカのトーク番組での見事な受け答えがネットで話題になるなど、もはや人格者としてのイメージが浸透しているキアヌ・リーブスだけに、つい主人公の心情を思って好意的に考えてしまうのも仕方が無いと言えるだろう。

とはいえ全編に渡って展開する主人公の無計画な行動や、ラストの意外な展開を許せるかどうかによって、その評価が大きく変わってきてしまう本作。

細かい部分にこだわらなければ、キアヌ版『ロボコップ』として大いに楽しめる作品なので、全力でオススメします!

(文:滝口アキラ)

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    ライタープロフィール

    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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