この夏のオモシロ三大海外アニメ映画!

日本語吹替え版もナイスな『インサイド・ヘッド』

7月18日から公開された『インサイド・ヘッド』は、おなじみディズニー&ピクサーの最新作で、少女ライリーの頭の中の司令部として彼女の思考をつかさどる「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」といった5つの感情キャラが織り成すドタバタ騒動の中から「ヨロコビ」と「カナシミ」に焦点が絞られていき、どちらも人間の感情を形成していく上で欠かせない要素であることを感動的に示唆してくれます。

先ごろ日本映画でもOLの脳内を描いた人気コミック『脳内ポイズンベリー』が実写映画化されたばかりですが、こちらもなかなかのもの(それにしても、これらを見ていると、人間って結局は脳によって動かされるロボットみたいな存在なのかなといった不思議な気分にもさせられます)であるとともに、それを裏づけする豊かな演出や映像技術も讃えられて然るべきものがあります。

私は2D日本語吹替え版で鑑賞しましたが、ディズニー・アニメの3Dは技術的にも丁寧かつダイナミックに楽しめるものが多いので、今回も期待して3D上映している劇場に足を向けてみようと思っています。

日本語吹替え版の竹内結子「ヨロコビ」と大竹しのぶ「カナシミ」のキャスティングも大成功でした。これが声優初挑戦の前者は曇りの一点もない明るい声質がキャラとマッチ。後者は作りに作りこんだ陰鬱な声が、次第に愛しく思えてきます。余談ですが、大竹しのぶはスタジオジブリ制作の『借りぐらしのアリエッティ』(10)や『風立ちぬ』(13)にも出演していますが、個人的には若き日に初めて声をあてた東映動画作品『森は生きている』(80)のヒロイン、アーニャの初々しさが忘れられないものがあり、今回はおよそ35年の月日を経てのベテランの貫禄を思い知らされた気分でもありました。

同時上映の短編『南の島のラブソング』も大いにイケています。まさか火山同士のラブストーリーとは、前代未聞の面白さでした。

©Disney

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    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

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