『スター・ウォーズ』サーガのほんのちょっとしたトリビア③

新3部作の完結編『シスの復讐』
そしてエピソード7『フォースの覚醒』へ

新3部作の完結編『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(05)では、何とスティーヴン・スピルバーグがアシスタント・ディレクターとしてクレジットされています。
実は彼、ムスタファーでのアクション・シーンの一部構成を担当していました。

本作や『クローンウォーズ』などに登場する冷酷無比なサイボーグ将軍グリーヴァスの声は、サウンドエディターのマシュー・ウッドが務めていますが、これは彼が別名であてた将軍のサンプルの声が非常に評判がよかったことが理由だそうです。

また、将軍の咳の声だけは、当時気管支炎を患っていたルーカス監督の咳を加工して使用しています。

彼はジェダイ狩りを趣味としており、そのため彼が持っているライトセーバーは狩られたジェダイのものであり、そのため青や緑といった光の色を放っています。

本作は『エピソード4/新たなる希望』(77)へとつながる重要な回なだけに、『4』で使われたジョン・ウィリアムスの映画音楽のいくつかを使用し、『3』から時代を経て『4』へ繫がっていく雰囲気を巧みに形成しています。

『シスの復讐』は全米公開初日が平日だったため、当日は仮病などで仕事や学校をさぼって映画館に駆けつけた観客が多数いたということですが、マコトかウソかこれによってアメリカ経済は6億2000万ドルの損失を被ったそうです⁉

さて、ようやく6部まで完成させたジョージ・ルーカスは、もう精根尽き果てていたようで、エピソード7~9に関しての製作も否定します。

彼は会社経営からも手を引いて、今後は小さな実験的作品を撮りたいと思うようになっていきました。

そして2012年、ルーカスフィルムは40億5000万ドル(およそ320億円)でディズニーに買収され、同時に『スター・ウォーズ』シリーズに関する権利も取得し、ここでようやくエピソード7『フォースの覚醒』の企画が動き出すことになったのです。

今回ル-カスは制作に直接関わってはおらず、名前がクレジットされるかどうかも現時点では不明ですが、「私が死んだ後も『スター・ウォーズ』は永遠に生き続けていくべきだから、元気なうちに次の世代へバトンタッチしたかった」とコメントしています。

そして完成した『フォースの覚醒』に関しても、ルーカス・フィルムの新たなプレジデント、キャサリーン・ケネディ曰く「彼は出来上がりに非常に満足しています」と好評されました。

スピンオフ作品の
正史(カノン)と非正史(レジェンズ)

なお、『スター・ウォーズ』サーガは、映画以外にも“Expanded Universe”(拡張世界)と呼ばれるさまざまなスピンオフ作品が小説やアニメ、コミック、ゲームなどで展開されていきましたが、その中にはハン・ソロとレイアの間に生まれた双子の姉ジェイナと弟ジェイセン、次男アナキンと、3人の子どもたちの数奇な運命を描いたスピンオフ小説“The New Jedi Order”シリーズもあります。

双子の姉・長女のジェイナは幼い頃からジェダイの訓練を受けた美少女で(実際にフィギュア化されました)、成長してローグ中隊に所属し、後にジェダイ騎士となります。
双子の弟・長男ジェイセンもジェダイ騎士となり、ルークの息子ベン・スカイウォーカーを弟子にしたりもしますが、その後何とダース・ベイダーと同じようにダーク・サイドに堕ちてシスの暗黒卿ダース・カイダスと化し、やがては銀河同盟大戦を引き起こし、姉のジェイナと敵対するようになります……。
次男アナキンは、兄弟の中でもっとも強いフォースを持って生まれてきてジェダイの教えにも忠実でしたが、銀河系外から来たエイリアン、ユージャン・ヴォングとの戦いの果てに戦死しました。

もっとも、エピソード7『フォースの覚醒』の製作におよび、ルーカス・フィルムは2014年にエピソード1~6、映画&TVアニメの『クローン・ウォーズ』および『反乱者たち』シリーズ、ディズニー版小説を正史(カノン)とみなし、それ以外のスピンオフ作品はすべて非正史(レジェンズ)と決定しましたので、こうした3兄弟の物語も今後はあくまでも異世界(パラレルワールド)の物語として接して楽しむのが得策のようですね。

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(文:増當竜也)

『スター・ウォーズ』サーガのほんのちょっとしたトリビア①
『スター・ウォーズ』サーガのほんのちょっとしたトリビア②

映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は2015年12月12月18日(金)18時30分、全国一斉公開。

スター・ウォーズ エピソード7 フォースの覚醒

予告編

公式サイト
http://starwars.disney.co.jp/movie/force.html

配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C) 2015Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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