これから『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を見に行く人のために!

■「キネマニア共和国」

『スター・ウォーズ フォースの覚醒』が全世界一斉に公開されて数日が経ちましたが、そろそろ既に見た人たちの口伝やSNSなどでネタバレが広がっていきそうな気配です。
実際、こちらも多少はネタバレさせないとレビューみたいな文章書きにくいったらありゃしないのですが……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街~vol.83》

でもこの作品、やはり前知識は入れないで見たほうが絶対にいい!

エピソード4~6を予習復習しておくと
モア・ベター

スター・ウォーズ/フォースの覚醒(C) 2015Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved

今回、本作は公開前から映画会社やファンの間でもネタバレ厳禁といった自主規制みたいな空気が出来上がっていて、でも時たまそういうのを忌み嫌って全部ばらしちゃうといった不埒な輩もいたりします。

でも実際、本作をご覧になる方の多くは冬休みや正月休みを利用して、つまりはこれからでしょうから、それまでの間、情報をすべてシャットアウトするのも難儀なことかもしれません。

かくいうこちらも、実はもういろいろなネタをばらしたくてばらしたくてたまらない!

それほどに今回の作品は、あっと驚く展開が待ち構えているのです。

ただし、シリーズ第7作ということで、同時期公開の007やロッキーのように、シリーズをおさらいしておくと、より楽しめる作品に仕上がっていることはお伝えしておいたほうがいいかと思います。

時間のない方は、第1作『エピソード4/新たなる希望』(77)『』エピソード5/帝国の逆襲』(80)『エピソード6/ジェダイの帰還』(83)までの旧3部作だけでも構いません。

逆に『エピソード1/ファントムメナス』(99)『エピソード2/クローンの攻撃』(02)『エピソード3/シスの復讐』(05)の新3部作は、時間がなければ飛ばしてもOK。

なぜなら今回の『フォースの覚醒』は、旧3部作、特にシリーズ第1作『新たなる希望』のラインに回帰した作りになっていて、ストーリー的に複雑なところやシリーズものゆえにまだ真実が明らかにされずモヤモヤするところもなきにしもあらずなのですが、基本的には単純明快な活劇として構築されており、また全体の構成も旧3部作のエスプリを利かせたものになっているので、シリーズとリアルタイムで向き合ってきた世代にはドンピシャリの内容で、また今回初めて『スター・ウォーズ』に接する若い世代にも入り込みやすいものがあるでしょう。

(ただし新3部作から入り、そちらを愛してやまない向きには、不満もあるかもしれません。現に本作、SNSでは賛否の嵐が吹き荒れています)

単純明快な活劇としての
テイストの復活

もともと『スター・ウォーズ』は単純明快なエンタテインメントを目指して作られた作品だったのが、あまりの人気で構想が膨れ上がっていき、創作者ジョージ・ルーカスは新3部作をギリシャ悲劇のような趣で捉えていった感がありますが、なぜ『スター・ウォーズ』第1作が未曽有の大ヒットになったかというと、大人から子どもまで楽しめる単純明快な作品だったからです。

今回の監督J・J・エイブラムもまたリアルタイムでシリーズに接してきているだけあって、『スター・ウォーズ』の魅力とはシンプル・イズ・ベストであることを察し、それに応じながら旧3部作へのオマージュをいたるところに盛り込んで、現代映像技術の粋を尽くした戦闘シーンなどを具現化しています。

キャストも、やはりハリソン・フォード扮するハン・ソロは老いてなお男の魅力に富んだかっこよさで、レイア姫、いやここでは将軍と呼ばれていますが、キャリー・フィッシャーも当然ながら年相応の魅力を感じてならず、ソロとレイアがふたり向かい合っての会話など、それだけで世代的には涙してしまうものがありました(このあたりの感覚は、さすがに若い世代には伝わらないでしょうが)。

チューバッカも旧3部作より今回のほうが見せ場があるのでは? と思わせるものがありましたし、では肝心かなめのルーク・スカイウォーカーは? ……これはさすがにネタバレなので書くのはやめときましょう。

逆に今回から見参の若手チームは、まだすべての素性などが明らかになっていない分、回を重ねるごとに魅力を増すことになっていくような気がします。

ドロイドのBB-8は今後R2-D2と人気を二分していくのかなあ。

かつてのダース・ベイダーを彷彿させるカイロ・レンのキャラクターに対しては既に賛否が巻き起こっていますが、私自身は大いに◎で、彼が今後シリーズの中でどう立ち回っていくかによって今度の3部作が決定づけられていくようにも思えてなりません。

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    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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