宮沢りえ主演の「紙の月」を、新宿のピカデリーで見てきた。

縁あってご招待いただいた映画なので、ふらりと…事前の勉強もなしに見に行きました。しかも、男一人で・・・場違いな感じもありつつ、緊張しながら見てきました(笑)。

看板広告などの作品イメージが、強く、意外と娯楽作品かと思って見始めたですが、リアリティ溢れる、いや溢れ過ぎる映画で、ある意味圧倒された。映画館の中も大型看板が複数枚出ていて、力の入れようがわかる映画だでした(新宿のピカデリーはこういう映画を見る前のお客さんの迎え入れる演出が良くて、よく行きます)。

■ストーリーは・・・
銀行勤めの平凡な主婦が引き起こした大金横領事件のてん末を描いた、『八日目の蝉』の原作などで知られる直木賞作家・角田光代の長編小説を映画化。まっとうな人生を歩んでいた主婦が若い男性との出会いをきっかけに運命を狂わせ、矛盾と葛藤を抱えながら犯罪に手を染めていく。監督は、『桐島、部活やめるってよ』などの吉田大八。年下の恋人との快楽におぼれ転落していくヒロインの心の闇を、宮沢りえが体現する。著者の角田氏は、この作品の執筆当時、普通の恋愛では無い、歪なかたちでしか成り立つことのできない恋愛を書こうと決めていたが、実際のニュースで銀行員の女性が使い込みをしたという事件を調べると、大抵が“男性に対して貢ぐ”という形になっていることに違和感を覚えたそうで、“お金を介在してしか恋愛ができなかった”という能動的な女性を描きたいということで執筆した作品だったとのこと。
(以上、各種メディアからの紹介を参考にしています)

■その作品を見て・・・
出演する俳優陣の器用すぎる演技、リアリティある演出の数々に、2時間引き込まれた。
ある程度の人生経験を重ねた人が見たら、結構共感できる部分ってある映画なのではないでしょうか?ただそれが、こんなに極端で、ドラマチックではないだけで・・・なんて感じました。吉田大八監督の演出は、非常に緻密で「女性の感覚ってこうなんだろうか?」と自分には理解できない部分をうまく映像、音楽などうまくまとめて、これでもかというくらい、ある意味痛々しいくらいに伝えてきます。

人が転落するきっかけは、様々で・・・・「禍福はあざなえる縄のごとし」。
その巡り合わせに、幸、不幸が交錯し、その時の判断や、知見が、方向を決める。
そんな迷いや、望む、望まないに関わらず、進んでいく人生模様、リアルな結末が、切なく、哀れを感じさせる。

銀行の金を横領する女性のハラハラドキドキのサスペンス映画ではなく、良い意味で期待を裏切られた。銀行員の女性が使い込みをしたという事件では、大抵が“男性に対して貢ぐ”であることに対し、“お金を介在してしか恋愛ができなかった”という能動的な女性がじつは描かれているという感じがするのだ。

普段、映画は、アクションものとか、単純明快なものとか、フィクションしか観ない自分にとっては、今日の映画は、大冒険でしたが、主演の宮沢りえのあまりにもリアルな演技と、時間を追うごとに表情や雰囲気がどんどん変貌していく様。意外にも、マッチする大島優子扮するOL。小林聡美のキャリアウーマン役が、重厚で安心感ある脇を固める。
贅沢な仕上がりである。

人の光と影を2時間半見せつけられた感があるが、全編を通した自然光であるが明暗あるコントラストがリアルさと切なさを助長させる。「救いってないなぁ」ってしみじみ思わせる。その痛々しいほどの生き様を象徴するような、賛美歌のメロディーが、さらに切ない。

観終わった後、なかなか、爽快になれなかった。(製作者のみなさん、ごめんなさい)
それくらい、完成度の高い映画でした。

たぶん多かれ少なかれ、が、そんな、人の切なさ、生き方の下手さ加減を、ちょっと垣間見て見たいなと思ってしまう人には、オススメの映画だ。

ただ、男一人で見るには、しんどかった^_^

以上でした。

    ピックアップ

    新着記事