俺はこのカットにグッときました

マエストロ!
さそうあきら氏の人気コミックの映画化
原作は未読で、以下は純粋に映画のみの感想になります

音楽や映画や演劇、あるいはスポーツでも
全身全霊を傾けた者だけが味わえる奇跡の瞬間みたいなものがあり ます

そして、その作品を集中して鑑賞していた
あるいは試合を全力で応援していた観客も
全てではないにしても、その一部でも感じとることは出来るはず

もしかしたら、それは個人の思い込み、勘違いなのかもしれません

たとえそうだったとしても
それが明日への力になるのなら、とても素晴らしいことだと思うのです

そんな奇跡の瞬間を垣間見せてくれる本作
俺はとても気に入りました

予告編からは、もっとドタバタしながらオーケストラが一つにまとまっていく…
例えば三谷幸喜監督や矢口史靖監督の過去作品のような、コメディ色の強いものを想像していましたが
ドタバタというより、ぶつかり合 いという感じで
ある創作活動の過程をエンタメ性を絡めながらも、極めて真っ当に描いている本作
むしろコメディ色は薄いと思います

だから、爆笑コメディみたいな映画を期待して観に行くと
肩すかしをくったような気がしてしまうかもしれません

しかし、そうではないという認識を持って
様々なジャンルの日本人の観客に有りがちな「さあ、楽しませてくれ」という全て受け身の姿勢ではなく
「エッセンスは全てすくいとってやろう!楽しんでやろう!」という前向きな姿勢で臨めば
間違いなく楽しめると思います

上映時間は2時間とちょっと
これ以上短いと描き切れない、舌足らずな部分が増えてしまうし
これ以上長いと、逆に冗 長になってしまう
小林聖太郎監督はギリギリの選択をしたのだなと思いました

ギリギリといえば、本作にバカ丁寧な説明ゼリフはなく、ナレーションは最低限
あとは映像で全てを語るという、実に映画の基本に忠実な姿勢をとっているので
説明不足と感じる方もいらっしゃるかもしれませんけど
俺は、小林監督が観客の感性を信じてくれたこの映画が大好きです

ラストについて言及するのは、とても野暮だと思いますが
これだけは言いたい!

指揮者・天道(西田敏行さん)とオーケストラのメンバーの対峙という体のラストシーン
メンバーがまるで観客を見つめながら語りかけるような形になっているのは
小林監督の明確な意思、メッセー ジの表れだと思います
俺はこのカットにグッときました

オススメでございます

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