乃木坂46 能條愛未 映画『レ・ミゼラブル』(トム・フーパー監督版)を語る その2
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今週の乃木坂週刊映画は、2012年に公開されたトム・フーパー監督×ヒュー・ジャックマン主演版の『レ・ミゼラブル』についてのその2です。今週も本作の魅力について語って頂きました。
前回までの記事
・乃木坂46 能條愛未 映画『レ・ミゼラブル』(トム・フーパー監督版)を語る その1
・乃木坂46 能條愛未 映画『君の膵臓をたべたい』を語る
・能條愛未 名言多数!「乃木坂週刊映画」ここ半年ダイジェスト!
・乃木坂46 能條愛未 映画『悪人』を語る
・乃木坂46 能條愛未 18thシングルカップリング曲「アンダー」への思い
→それ以前の記事はこちらから
映画『レ・ミゼラブル』作品概要
19世紀のフランスを舞台にした本作は、果たせぬ夢、報われぬ恋、情熱、犠牲、そして贖罪という、心奪われる物語を描き出す。これは、時代を超えて生き続ける人間の魂の証しなのだ。ジャックマン演じる元囚人ジャン・バルジャンは、仮出獄後に逃亡し、それ以来何十年もの間、無慈悲な警部ジャベール(クロウ)の執拗な追跡を受けていた。そんな折、バルジャンは工場労働者ファンテーヌ(ハサウェイ)の幼い娘コゼットの面倒を見ることを約束する。だが、その約束が彼らの人生を永遠に変えてしまうのだった。
ヒュー・ジャックマンの善悪両方の演技に痺れた!
まず、ジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマン。ジャン・バルジャンは全体を通して見ると善人に見えますが、冒頭のジャン・バルジャンは善人とは言えないほど落ちぶれていました。
善意からの罪で投獄され、長年の刑務所暮らし。長年劣悪な環境にいると人間はああなってしまうのだろうか…と思う圧巻の演技でした。特に目つきが悪人と思える恐ろしい眼差しに思いました。冒頭以外の大半の目つきと比べるとその差は歴然で、眼差しの演技について個人的に様々な気づきもありました。
ジャン・バルジャンという人間は人のために何かをすることが喜びだったのかなと思います。最後に神父に導かれて旅立つシーンの表情には満足感があり、波乱万丈ながらも素晴らしい人生を送ったんだと感動しました。
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アン・ハサウェイ演じるファンテーヌにはただただ圧巻!
アン・ハサウェイが演じたファンティーヌは、前回述べさせて頂いたようにただただ圧巻の演技と歌声でした。
舞台版だとエポニーヌが大好きで、「On my own」という楽曲が一番好きなんです。映画でもとても素敵なシーンとなっていました。
それ以上に映画版で感動したのがアン・ハサウェイが演じるファンテーヌが歌う「I Dreamed a Dream」です。
アップの表情でカットも殆ど無い演出。悲しみや絶望が全力で伝わってきて圧巻のシーンとなっていました。
この映画は表情のアップも非常に多いので、顔全体の表情に限らず、瞳から発せられる感情だったり、顔の微かな動きから発せられる感情なども伝わってきます。舞台では表情を細かくは見ることができないので、映画ならではの良さを感じることができました。
前回の記事より
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ラッセル・クロウ演じるジャベールはかわいそうな人
ラッセル・クロウが演じたジャベール警部には様々な感情を持ちました。罪を犯したジャン・バルジャンをこれでもかと追い込んでいきます。
確かにジャン・バルジャンは出頭をしなかったことで追われる身にはなっていましたが、非人道的とも言えるほどジャベールはジャン・バルジャンを追い込んでいて、それが正義とは思えないほどでした。
しかし、いざジャベールの結末を振り返ってみるととてもかわいそうな人だなと思いました。
ジャン・バルジャンを追い込んでいったのは、個人的な感情故ではなく仕事に真面目だったからなのかなと。職務を完璧に遂行しようとするあまりに度を超える扱いを囚人たちにしてしまっていたのかもしれません。
その真面目な仕事ぶり故に、終盤で一度ジャン・バルジャンを逃したことに悩み苦しんでしまいます。仕事に縛られる自分と本当は心に優しさを抱える自分との狭間で揺れ動いた結果、あのような最後を迎えてしまったのでしょう。
ラッセル・クロウの演技はその揺れ動く心を見事に表現しており、表に感情を出さないで感情を示す演技に非常に心打たれました。
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コゼットとエポニーヌ、光と影
コゼットとエポニーヌの二人は役柄的にも演技的にも光と影が絶妙だったなと思います。
マリウスへの愛が実る者と実らない者。アマンダ・セイフライドのチャーミングで光を表すような演技の美しさには本当に魅了されました。その光があるからこそ、サマンサ・バークス演じるエポニーヌの影も増して映ります。
それぞれの演技が見事であり、比べた時の光と影の具合も非常に絶妙でした。
エポニーヌは不幸にも思いますが、雨に打たれながら死んでいく時に見せた微かな笑顔に「最後に僅かでも幸せを感じられたのかな…」と思いを馳せてしまいます。
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『レ・ミゼラブル』について語る回はこれにて終了。次回もどうぞお楽しみに!
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(取材・構成:柳下修平/撮影:HITOMI KAMATA)
能條愛未 プロフィール(Ami Noujo Profile)
能條愛未
1994年10月18日 神奈川県生まれ 血液型 A型
乃木坂46 一期生メンバー
月に10本は必ず見るというほどの映画好き。
映画、舞台と女優としての活動の場をひろげるほか、バラエティーでも持ち前のセンスで活躍中。
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