インタビュー

2016年01月19日

『家族はつらいよ』完成報告会見レポート、「完成が待ち遠しかった。」

『家族はつらいよ』完成報告会見レポート、「完成が待ち遠しかった。」

『家族はつらいよ』の完成報告会見が19日、朝日スクエアで行われ、山田洋次監督、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、中嶋朋子、林屋正蔵、妻夫木聡、蒼井優が登壇した。

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山田監督は「久々に家族の皆さんにあえて嬉しい。一昨年の秋にできた作品だけど、ついこないだできあがったような感覚で嬉しい。こういう形で完成発表ができて嬉しい」と嬉しそうに語った。

家族はつらいよ2



 

主演を演じた橋爪は「撮影終わってから1年以上、完成が待ち遠しかった。監督は大丈夫だといっているけど、今日の試写会は怖くて座れない。家族はつらいよというタイトルを聞いた時、出演者一同本当か?とびっくりしたのを覚えてる。いまから思うとすごい題名だと思っている」とタイトルの意外さと驚きいたことを告白。

家族はつらいよ3



 

吉行は「東京家族のときはいい奥さんだったけど。今回は困った奥さん。楽しく演じて橋爪さんの困った顔を見るのが楽しかった」と笑顔でいうと、すかさず橋爪は「どういうこと?」と苦笑い。

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「共演者と再会できて心が濡れている・そして久しぶりに再会したのにもかかわらず山田監督とは話せていない。これから話をするかもしれないけど、何を話すか決めていない。話して関係性を深めていきたい」と西村は監督とまだ話してないことを暴露した。

家族はつらいよ5



 

中嶋は「喜劇ってあんまり縁がなかったので、楽しみにしつつ。ひやひやもしている。たくさんの笑いが全国に広がるといいな」と希望を話した。

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林家は「松竹試写室に家族と見に行った。大笑いして、ちょっぴり心が温かくなって戻って来たと家族は言っていった。母は親孝行してくれたね、といってくれた。それが印象に残っている。それと海老名家もつらいねといっていた」と試写会にいっていたときについての話を披露。

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妻夫木は「山田監督から直前になって、東京家族の延長の役だった設定が、調律師の役に変えたいといわれた。そこまではよかったけど、監督からショパンを弾いてといわれて、困った。頑張ってやったのでぜひ見て欲しい」とピアノシーンの苦労を語る。

家族はつらいよ8



 

蒼井は「『東京家族』のタイトルを『脱線家族』や『暴走家族』と変えて遊んでいたのが、この映画の始まりになった。8人のキャスト全員でもう一度家族をやらせてもらえるのは経験がなかったので楽しかった。この映画をご覧になった方は8人全員の姿を見ながら、自分の家族の姿をみることになると思う」とあいさつした。

家族はつらいよ9



 

同作は熟年離婚をテーマにした家族の喜劇を描いた作品。山田監督は「蒼井優の友人の話から来ている。誕生日になにプレゼントしようといったら離婚届をという話があった。その話を聞いて大笑いしてびっくりした。そこから始まる映画があるんじゃないかと思った」と映画の発端について説明。

また「喜劇と銘打ってかまわないと思うけど、一人のある人間をどのアングルから見るかで、シリアスな家族が滑稽に見えたりする。そういうことってあると思う。僕にとっての喜劇はそういうことであって、デザインを変えるわけではない。これは人間の滑稽な部分を見て作っている程度に考えて欲しい。馬鹿なことばかりやってるんだな、と思いつつ、それは自分たちのことでもあると思って苦笑いしてくれたらいい」と真面目と滑稽さが表裏であり、それを描いていることを話した。

『東京家族』とはかなり違った役を演じた橋爪は「今度喜劇だから君にあってると思うと言われて喜んでいいかどうか悩んだ。『橋爪くんにはこっちの方があってるだろ』といわれた。根っこにあるフィーリングはわかってらっしゃるので、監督のいうことを聞いていれば大丈夫だと思った」と演じる前のエピソードを話した。

トラブルの発端となる妻を演じ、劇中橋爪から怖いと連呼されていた吉行は「散々怖い怖いといわれ。ばれたかと思っている。ほんとに楽しかった。東京家族はあんないいお母さん。それをやらしていただくのは幸せだった。こんな女房は困るなという役を演じて、やっている私はとても気持ちがわかる。経験はしていないけど。見てる方は共感できると思う」と自身の役について、共感できることをアピール。

最後に山田監督は「東京家族がでてたように、東京家族を作りながら視点をずらすと別の物語が浮かんでくる。それぞれがとても滑稽に見えてきた。そんなふうなことがでてきた。出演者の皆さんと打ち解けていく、チームワークができてアンサンブルができたことが財産なんじゃないか、このまま分裂してしまうのはもったいないんじゃないかと思った。それを喜劇として作るのはできるんじゃないかと思ってこういう形ができた。よしこれで撮影をはじめるとき喜びに満ちていた」と映画作りの醍醐味を語った。

(取材・文・波江智)

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