オーケストラの音楽を真摯に描いた作品
予告編から受けるコメディ色はそれほど強くなく
思ったよりオーケストラの音楽を真摯に描いた作品でした。
落ち目な楽団員達を確実な手法で蘇っらせて行く西田敏行さん演じる天道の導きを奇想天外的に見せながらオーケストラがコンサートの本番へ向けて形成されて行く過程がトリビア的に感心させられ演奏される楽曲がベートーベンの「運命」とシューベルトの「未完成」と云う万人に受け入れられ易い構成が実に巧妙でニクイです。
本作でシンガーソングライターのmiwaさんが女優として銀幕デビューとなります。彼女は、かつてのフォークソングの息吹きを引き継ぐアコギ弾き語りのアーティストで自分は、デビュー当時から聴き続けているシンガーなので気になっていたのですが、今回は、天性の音感を持つフルート奏者と云う音楽繋がりの役柄なのでなるほどと思わせるシーンもありましたが、演技重視で女優としてはどうかと云うとまだ未知数でしょう。
本作の面白味は、個性豊かな共演陣の妙にあると思います。
楽団員の面々に個性豊かなクセモノの俳優陣を配しその技を見事に引き出した演出が評価出来るのと奥寺佐渡子さんの脚本も作品に旨味を与えていると思います。
そして実際には演奏してない俳優陣の“ 嘘 ”の演技が素人目には違和感が無かったのが何よりの功績です。
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