想いを貫く!『ゆずり葉の頃』完成報告記者会見

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はじめましての方もそうでない方もこんにちは。

新緑の中、くつろいでます!

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八雲ふみねです。

オフの日は登山やトレッキングに出かけるのが好きなので、少しでも時間を見つけては森林浴に出かけます。
この季節はいいですね。
新緑の香り、鳥の鳴き声、土を踏みしめる感触。
心が洗われます!

そこで…。

八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.15

今回は、

日本映画の原風景に触れたかのように心が洗われる!
映画『ゆずり葉の頃』完成報告記者会見の模様をお届けします!

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舞台は、秋深まる軽井沢。
かつて心を寄せていて、いまでは国際的な画家となった人の描く絵を追って、一人旅に出た女性、市子。
旅の中で出会う人々の温もり。
そしてよみがえる、若き日の胸焦がす思い出。

詩的にゆったりとした時間を醸し出す映画『ゆずり葉の頃』は、中みね子監督による優しい視点に満ちた人間讃歌。

「中みね子監督」とお呼びするより、

「岡本みね子プロデューサー」

…と言った方が、映画ファンの皆さんならピンとくるのではないでしょうか。

そう、中みね子監督は、『肉弾』『大誘拐』など、数々の名作・傑作を世に送り出してきたあの岡本喜八監督の奥様であり、喜八監督作品のプロデューサー。
旧姓の「中みね子」として、76歳にしてオリジナル脚本による初監督を務め、新たな<映画人生>の第一歩を踏み出したのが、この『ゆずり葉の頃』なのです。

主人公・市子を演じるのは、数々の名匠に愛されてきた八千草薫。
盲目の画家・宮謙一郎には日本映画・演劇界を長年に渡り牽引してきた、仲代達矢。
ほか、風間トオル、岸部一徳、竹下景子、六平直政、嶋田久作、本田博太郎といった喜八組の実力派俳優が顔を揃えています。

先日、本作の完成報告記者会見が開催され、八千草薫さん、仲代達矢さん、風間トオルさん、音楽を担当した山下洋輔さん、劇中画を担当した宮廻正明さん、中みね子監督が登壇しました。

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オープニングアクトは、ジャズピアニストの山下洋輔さんによる主題歌演奏。
美しいピアノの調べに、一気に本作の世界へと引き込まれます。

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主演・市子役の八千草薫さん。
「モダンでフランス映画のような趣きも感じられる、とても美しい日本の映画が完成しました」と、穏やかにお話なさる八千草さん。
本作は、八千草さんがお話したり歩いたりなさるリズムを大切に、制作を進めていったとのこと。
他の作品にはみられない緩やかな時間経過が刻まれた「写眞(=映画)」に仕上がっています。

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市子が想いを寄せる画家、宮謙一郎役の仲代達矢さん。
「長く役者をやってこられたのは喜八監督、みね子さんのおかげ。この映画を喜八監督に捧げたい」と、万感で表情。
そして八千草さんとのツーショットは、会見の場でもとてもチャーミングでした。

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市子の息子・進役の風間トオルさん。
八千草さんと風間さんのバス停でのシーンは、とても微笑ましくてほっこり。
若い世代の方なら、進に感情移入しながらご覧になる方も多いのではないでしょうか。

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本作の音楽を担当した、山下洋輔さん。
「それぞれのシーンを観ながら即興演奏で曲を作っていきました」と、山下さん。
繊細かつ躍動的なメロディーは、本当に素晴らしいの一言です!

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本作で劇中画を担当した、宮廻正明さん。
「みね子監督のリクエストで、いつもとは違った作風に挑戦しました」と、笑顔の宮廻さん。
会見場には劇中に登場した「原風景」が飾られてました。

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監督・脚本の中みね子さん。
本作の完成を「まるで夢の中にいるよう」と話す、みね子監督。
「もう無理かなと思うことも何度もありましたが、その度に周りの方々に助けられました」と、感慨深い様子。

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本作のテーマは、「想いを貫く」。
この映画を拝見して、主人公の市子の生き方が、若き頃に脚本家を目指し、喜八監督を支え続けた後、76歳にしてオリジナル脚本で監督デビューを果たしたみね子監督ご自身と重なるように感じました。
この映画は、あらゆる世代の人々に向けられた、みね子監督からの穏やかで熱烈なエールだと思います。

「古き良き」だけじゃない、「粋」で「モダン」な日本映画。
是非、若い世代の人にご覧いただきたいです!

映画『ゆずり葉の頃』は2015年5月23日から岩波ホールほか全国順次公開です。

それではまた次回、お会いしましょう。
お相手は、八雲ふみねでした。

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ゆずり葉の頃
2015年5月23日から岩波ホールほか全国順次公開
監督:中みね子
出演:八千草薫、仲代達矢、風間トオル、竹下景子、六平直政、嶋田久作、本田博太郎、岸部一徳 ほか
©岡本みね子事務所

八雲ふみね fumine yakumo


八雲ふみね

大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。

八雲ふみね公式サイト yakumox.com

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