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2016-01-22

コラム

名画座さんぽ 高田馬場で60年以上続く「早稲田松竹」は良い作品に出逢える老舗名画座

シネマズby松竹公式ライターの東京散歩ぽです!

東京都内の名画座を紹介する新シリーズ「名画座さんぽ」。
第1回は高田馬場で昭和26年から続く老舗名画座「早稲田松竹」をご案内します!

60年以上続く名画座「早稲田松竹」


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高田馬場駅から早稲田通りを早稲田大学方面へを歩くこと徒歩5分。昭和26年(1951年)から60年以上続く名画座「早稲田松竹」が見えてきます。

こちらはもともと松竹系の封切り館としてオープンした劇場。創業当時の建物をそのままに何回も改装して現在に至ります。

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早稲田通り沿いの歩道には1週間ごとに変わるラインナップが掲示されています。

昭和50年(1975年)から洋画の2本立てを上映、現在では邦画洋画問わず2本立てで上映している名画座です。

入れ替え制ではなく1,300円で2本とも鑑賞できる独特の料金体系が魅力の「早稲田松竹」。実は平成14年(2002年)4月に一度休館していたのをご存知ですか?今回は同年12月の再オープンから早稲田松竹の支配人をされている菊田真弓さんにお話を伺いました。

2002年の休館時に早大生が署名活動していた


早稲田松竹IMG_0690


 

2002年4月に休館した際、早稲田大学の学生が復活を願って署名運動をしたと聞きましたが本当ですか?

菊田真弓さん(以下 菊田):高田馬場の街を活性化させるために早稲田大学の学生さんが中心になって「早稲田松竹復活プロジェクト」という署名活動をされて、松竹映画劇場株式会社の本社の方に連絡したり、学生さんが「名画座とはこういうものだ」というような勉強会を開いたりして署名を集めました。私は再オープンから支配人をやらさせていただいているのですがその際、署名を皆さんで持ってきてくださってたのが印象的です。

 

再オープンの際に支配人になられたんですね。

菊田:前職で事務職を5年ほどやってまして、次の就職をどこにするかとなったときに丁度ここが一旦休館にしていて支配人が決まればオープンするという状態でした。

その時は子供を連れて映画を頻繁に見ていた時期でもありましたが、私は特に映画が詳しい訳ではなかったですし、こういう2本立ての映画や見逃した映画が見られるという劇場があるのは全然知らなかったんです。なので私が支配人を出来るのか相当悩みましたね。

 

そういった経緯があったんですね。名画座の存在は貴重ですので一度閉館してしまうと復活は難しいですものね。

 

毎週変わる上映ラインナップ


早稲田松竹は毎週かける番組が変わりますが、上映するラインナップはどのように考えているんですか?

菊田:番組担当は若手2人と、副支配人の3人と私が加わって番組会議をしています。このラインナップは客層に相応しいかとか、お客さんが求めている番組になってるかなど話し合って決めてます。

スタッフはみんな映画好きで、それぞれ得意のジャンルがありますので、映画を見た際にはその感想と、もしこの映画を早稲田松竹で2本立てにするとしたらどんな作品が合うかなどレポートを出してもらっています。番組担当も全部は見れないので、あの映画はどうだった?みたいな感じでスタッフ間の中でも話し合いながら番組を決めていくという形になってます。

 

そんな社内制度が!映画好きには嬉しい制度ですね。働いてる方はみなさん若いなあと思うんですが学生さんもいらっしゃるんですか?

菊田:学生はいなくて全員社会人なんですよ。以前、早稲田大学を卒業した方が働いてましたが今は本社で働いています。

 

早稲田松竹の料金は2本で1,300円(学生は1,100円)しかも途中外出可能という格安な料金ですがそのあたりの工夫とかされてるんですか?

菊田:再オープンから13年経ちますが、料金はそこから変わってません。他の名画座さんはうちよりも少し高めになってますけど、そこは各劇場で会員制度をやられていたりそれぞれ工夫をされています。現在、早稲田松竹では会員制度をとっていないので消費税が8%に上がった時も値上げせずに現状維持で頑張ってます。

 

今後、会員制度は考えてたりするんですか?

菊田:会議で何回か上がったりしていて考えているのですが、どういう形をとった方がいいかは思案中です。その際にはどういうサービスを提供できるかというところだと思います。

良い作品に出逢える名画座に


通路には上映作品の詳細や次回作品が掲示されています。取材日は「あん」、「きみはいい子」の邦画2本立て。定員153名収容できる劇場はほぼ満席でした。

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最近はシネコンはもとより、定額動画の配信サービスなどライバルとなるコンテンツが多く出てきていますが、この時期に2本立ての名画座に来られる方が多いというのはどういった理由があると思われますか?

菊田:作品にもよりますが、ここまで多いのは久々なんです。邦画が久しぶりというのと、女性のお客さんが普段より多いです。今週は男女比が半々ですが、普段は男性の方が多いですね。女性に人気の作品はお友達と見られる方が多いので早稲田松竹でこういう作品が見たいなというお客様のニーズに合っていたんだと思います。

オールナイトも年に何回か不定期ですが開催しています。12月のオールナイト上映は「ショア」という9時間30分の映画をやって4部作の映画なんですが、夜中だしアルコールは禁止ですので本当に入るかなと心配してたんですが、そんな時じゃないと一挙に見れない作品なのでチケットも前売りで完売でした。本当の映画ファンの方々が気合い入れて見に来てくださったんだと思います。

2本立てのいいところは1つの作品を見に来ても、もう1つの作品に出逢えて、そこでまた発見があるというのがいいところではないかなと思います。なのでこういう形の名画座は今後も続けていくべきだと思ってます。

 

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支配人の菊田真弓さん


今後、早稲田松竹をどのように運営していきたいと思いますか?

菊田:現在、フィルム上映とDCP(デジタル)上映をしていますが、だんだんデジタル映画に移行してフィルムの映写機自体の部品がなくなってきているんです。なのでフィルム上映に関しては映写機のメンテナンスがあるのでいつまで頑張っていけるかというところなんです。

昔はこの高田馬場には5館くらい劇場があったそうなんです。今ではここ早稲田松竹だけになりました。おかげさまで根強いファンの方々がたくさんいらっしゃいますので今後も続けていきたいと思ってます。

支配人の菊田さん、今日はありがとうございました!

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休館の苦難を乗り越え、高田馬場に今も残る名画座「早稲田松竹」。時代の流れに翻弄されながらも少しでも良い作品を見てほしいという支配人の菊田さんはじめ、劇場の皆さんの努力がひしひしと伝わってきました。

1,300円の入場料で2本の映画が見られるのは名画座ならでわのシステムですよね。もし、時間があれば是非2本とも見てみてください。皆さんの人生を変える1本に出逢えるかも。

(写真と取材 東京散歩ぽ)

早稲田松竹


住所:新宿区高田馬場1-5-16

TEL:03-3200-8968

公式HP:http://www.wasedashochiku.co.jp/

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