アニメ
4DX全国上映も決定 盛り上がり続けるガルパン旋風!
4DX全国上映も決定 盛り上がり続けるガルパン旋風!
(C)GIRLS und PANZER Film Projekt
戦車愛に裏打ちされた
スタッフの究極的こだわり!
そして、本作の世界観に圧倒的なリアリティをもたせているのが、スタッフの戦車に対するこだわりと思い入れの深さです。
まず、ここに登場する戦車はすべて第2次世界大戦時に各国で用いられたものばかりで、現代のものは一台たりとも出てきません。これは子どもの頃にプラモデルで戦車を作って遊んでいた世代にとってたまらないものがあり、大いにノスタルジーをそそられるとともに、もうひとつ、従来の戦争映画ではなかなか成し得なかったことを本作は見事に実現しているのです。
それは世界中の戦車たちの夢の共演!
実際、第2次世界大戦時の戦車をそのまま用いた戦争映画は非常に少なく、戦車映画の代表格と呼ばれる名作『バルジ大作戦』ですら、アメリカのM47パットン戦車などを塗装してドイツ軍戦車に見立てているほどで、要は実物をそろえることがほぼ不可能(本物が多く登場するのは、戦後没収したドイツ軍戦車をフルに使用した『ヨーロッパの解放』シリーズなど、旧ソ連が国力を挙げて製作し続けていた国策戦争映画超大作群くらいでしょうか)。
本作では、みほたちが乗るドイツⅣ号戦車をはじめ、大洗女子学園は各国の中古戦車を使用した混合編成がなされています。
以下、各学校の主な戦車およびキャラクターを記載しておきます(ちなみにすべて日本人です)。
《県立大洗女子学園高等学校》
※各国混合系(寄港地は茨城県大洗)
◎あんこうチーム
:Ⅳ号戦車D型(独)
(搭乗者)
西住みほ
武部沙織
五十嵐華
秋山優花里
冷泉麻子
(※西住みほの苗字は、伝説的な陸軍戦車隊長で40年には『西住戦車長傳』として映画化もされた西住小次郎から採用)
◎カメさんチーム(生徒会チーム)
:38(t)戦車(チェコ)
(搭乗者)
角谷杏
小山柚子
河嶋桃
◎アヒルさんチーム(バレーボール部チーム)
:八九式中戦車甲型(日)
(搭乗者)
磯部典子
河西忍
近藤妙子
佐々木あけび
(※彼女らの苗字は、第18回東京オリンピックで「東洋の魔女」と謳われた女子バレーボール・チームの面々から採用)
◎カバさんチーム(歴女チーム)
:Ⅲ号突撃砲F型(独)
(搭乗者)
カエサル(鈴木貴子)
エルウィン(松本理子)
おりょう(野上武子)
左衛門之佐(杉山清美)
(※彼女らのソウルネームは、それぞれがこだわりのある時代の歴史上の人物から採用)
◎ウサギさんチーム(1年生チーム)
:M3戦車リー(米)
(搭乗者)
澤梓
山縣あゆみ
丸山紗希
阪口桂利奈
宇津木優季
大野あや
(※彼女らの苗字は、女子サッカーのなでしこジャパンから採用)
◎カモさんチーム(風紀委員チーム)
:B1bis(仏)
(搭乗者)
ソド子(園みどり子)
ゴモヨ(後藤モヨ子)
パゾ美(金春希美)
(彼女らのあだ名は、『ソドムとゴモラ』やピエル・パオロ・パゾリーニ監督や『ソドムの市』から採用)
◎アリクイさんチーム(ネット戦車ゲーム・チーム)
:三式中戦車(日)
(搭乗者)
ねこにゃー
ぴよたん
ももがー
◎レオポンさんチーム(自動車部チーム)
:ポルシェティーガー(独)
(搭乗者)
ナカジマ
ホシノ
ツチヤ
スズキ
(彼女らの苗字は、伝説のレーサーから採用)
《聖グロリアーナ女学院》
※イギリス系(母港は神奈川県横浜港)
保有車両:チャーチル歩兵戦車Mk.7など
(主要キャラ)
ダージリン
オレンジペコ
アッサム
ローズヒップ
《サンダース大学付属高校》
※アメリカ系(母港は長崎県佐世保港)
保有車両:M4シャーマン75mm砲搭載型など
(主要キャラ)
ケイ
ナオミ
アリサ
《アンツィオ高校》
※イタリア系(母港は静岡県清水港)
保有車両:CV33型快速戦車、P40型重戦車など
(主要キャラ)
アンチョビ
カルパッチョ
ペパロニ
《プラウダ高校》
※ロシア系(母港は青森県大湊港・青森港)
保有車両:T‐34/76、KV‐2など
カチューシャ
ノンナ
クラーラ
《黒森峰女学園》
※ドイツ系(母港は熊本)
保有車両:Ⅲ号戦車J型、ティーガーⅠなど
(主要キャラ)
西住まほ
逸見エリカ
《知波単学園》
※日本系(母校は千葉港)
保有車両:九七式中戦車チハ、九五式軽戦車など
(主要キャラ)
西絹代
福田
名倉
玉田
細見
寺本
池田
《継続高校》
※フィンランド系(母港は石川県金沢港)
保有車両:BT‐42
(主要キャラ)
ミカ
アキ
ミッコ
(※彼女らの名前はフィンランド出身のレーサー、ミカ・ハッキネンとミッコ・ヒルポネン、映画監督のアキ・カウリスマキから採用)
(C)GIRLS und PANZER Film Projekt
試合そのものに着目を!
なお、これだけのキャラクターが一堂に会し、さらには新たな敵チームまで登場する劇場版は、TVシリーズを未見のまま接してしまうと「キャラの区別がつかない」「キャラが多すぎて、わけわからなくなる」といった戸惑いの声もときおり聞こえてくるのですが、劇場版に関しては1回の鑑賞で全てのキャラを把握することなど不可能で、むしろ試合の状況そのものに着目していったほうが得策です(戦車マニアは、戦車の別で見分けるという鑑賞法もあります)。
実はこのガルパン、劇場版を見てからTVシリーズを見るようになったという鑑賞者がかなり多いと聞いています。
つまり、キャラなどは把握できなくても、映画そのものを非常に面白く感じ、ならばもっとこの世界を知りたいと思ってTVシリーズに接し、どんどんはまってしまう大人たち(今、世間では彼らのことをガルパンおじさんと呼んでいます)が急増しているのです。
また、その多くは深夜アニメなどを競って見るヘビーなアニメ・ファンではなく、それこそ子供の頃に戦車のプラモデルを作って遊んでいたような戦車ファンです。
これは即ち、本作に関わるスタッフの戦車に対する並々ならぬ愛情が画面からひしひしと伝わってくることの証左にほかならず、その心意気や、実際画面に映し出されるリアリティあふれる戦車の描写に、みなが圧倒されるとともに、こういう戦車映画を見たかった!という感慨につながっていくのです。
(なお、本シリーズに対して戦車マニアがいくつかおかしな点を指摘したことがあったそうですが、実際に戦車に乗っていた元自衛隊員がそれらの指摘をすべて論破したとのことです。つまり、多少の誇張こそあれど、ここで描かれる戦車描写に誤りはないということです)
音響もすべてその戦車に合わせた個々の音が採用されており、そのリアルな迫力は現在、東京・立川シネマシティにて極上爆音上映センシャラウンド・ファイナル(70年代の映画界で流行したセンサラウンド方式のもじりですね)でフルに体験することができますが、さらなる興奮と感動を求めて2月20日から全国30館での4DX上映が決まったのも大いに納得できるところであります。
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