疾風怒濤!! 2016年夏休み興行の総括を試みる/その2=邦画編「ONE PIECE・・」50億円突破とファミリー番組

■「役に立たない映画の話」

君の名は。メイン


(C)2016「君の名は。」製作委員会


前回の記事:疾風怒濤!! 2016年夏休み興行の総括を試みる/その1=洋画編 シリーズ作品依存過多と、ネタバレ宣伝

「君の名は。」「シン・ゴジラ」は別格として。


先輩 では引き続き、2016年夏休み興行を総括する試みを始めたいと思います。今回は邦画篇ですが、「君の名は。」と「シン・ゴジラ」に関しては次回で扱うこととし、今回はそれ以外の夏休み公開の日本映画に触れたいと思います。

女の後輩 なんで「君の名は。」と「シン・ゴジラ」を特別扱いするんですか?

先輩 それはだねえ、ここでタイトルを挙げて皆で云々する作品の多くは現在興行のピークを越えていて、それ故現時点での興行成績をもとに興収の予測が出来る。それを僕がやって、あんたたちが文句たれるわけだけど(笑)、「君の名は。」と「シン・ゴジラ」の場合、まだ数字が固まらない。要はこの2本、勢いが落ちないんだ。現状「君の名は。」は興収100億円を、「シン・ゴジラ」は70億円を超えたとこ。でもこの2本の場合、次に成績を見た時には億単位がひとつ上がっていたり。つまり、まだ興収がどんどん増えている作品ゆえ、総括するには早いだろう。でも何らかの見込みを出さなくてはいけない。それでそのタイミングを遅らせたのさ。

後輩 要するに、時間稼ぎをしたかったと(笑)。

先輩 (笑)まあとにかく、ようやく「シン・ゴジラ」の成績が落ち着いてきたのに、今度は「君の名は。」が28日間で興収100億円突破という、ハイペースぶり。

爺 「とにかく今は、君が落ち着け」ということじゃな(笑)。

女の後輩 いよっ!! 泉ちゃん(笑)!!

「ONE PIECE FILM GOLD」の前例のないマーケティング。


ONE PIECE FILM GOLD 4DX


(C) 尾田栄一郎/2016 「ワンピース」製作委員会


先輩 というわけで、今回は興収の多い順にタイトルを挙げていきます。まずは東映の「ONE PIECE FILM GOLD」ですが、7月23日の公開以来、48日間で興収50億円を突破しました。累計成績50億7520万円とのことですから、最終的には53億円ぐらいは行くのではないでしょうか?

女の後輩 正直言って、意外でした。というのは前作の「ONE PIECE FILM Z」は興収68.7億円という大ヒットになったわけですが、それと比べて今回の「GOLD」は内容が違いすぎる。一言で言って「Z」には感動があった。でも「GOLD」は、ひたすらどつきあいが続いていて・・・(笑)。

後輩 「ONE PIECE」シリーズとは、そういうものでしょう。「ルフィー!!」「きさまぁぁ・・!!ゴムゴムのぉ・・!!」と、クライマックスでルフィと敵がどつきあいを繰り広げる。そのカタルシス、そこに込めた思いが多くのファンを魅了していると。

爺 確かに「Z」は感動的な内容だったが、「ONE PIECE」の場合は原作があり、しかも原作者の尾田栄一郎が本作でも総合プロデューサーを務めているのだから、そのあたりは彼の意向が反映されたんじゃないかな?

先輩 まあそうなんですが、この映画のマーケティングの手法にちょっと注目してみたい。というのは、オープニング・スクリーン数が739スクリーン。これは日本映画としては最大のブッキング数だと言うんだよ。

爺 確かに、このスクリーン数はハリウッド映画の大作クラスと同等だぞ。前回取り上げて「こんな映画、作るほうが悪い」と切り捨てた(笑)「アリス・イン・ワンダーランド/時間への旅」が980スクリーン、「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」も963スクリーンを確保し、「ゴーストバスターズ」は702スクリーンで公開を開始している。

先輩 そういうやり方を日本映画がとった。珍しいケースだと思うんです。おそらくは幹事会社であるフジテレビの意向を反映したのでしょうが。映画のヒットの仕方というのは2つのパターンがあり、オープニング段階でたくさんのスクリーンを確保し、とにかく初動の段階で稼ぐだけ稼ぐ。その後はトーンダウンしていきますが、最初に稼いでしまえばこっちのもの。もうひとつのやり方は、中小規模のスクリーン数であっても、ロングラン興行でコツコツと興行収入を積み重ねていくやり方。この場合、必要とされるのは瞬発力ではなく持続力というか、長期の興行に耐えられる、興行用語で言う「腰の強い」展開が求められます。

爺 日本映画のヒット作の場合、従来は後者のほうが多かったんだよな。

先輩 その通り。スクリーン数が少なかった時代は、1館あたりの興収を上げるためには、とにかくロングランするしかなかったんですよ。それが「ONE PIECE FILM GOLD」では、ハリウッド映画のように、オープニングに比重を置くやり方を採用した。

後輩 だからか興収50億円を超えても、大ヒットしているという実感がなかったりします。どこかのシネコンで大混雑していたとか、ネット予約がすべて売り切れだったとか、そういう話はついぞ耳にしませんでした。

先輩 スクリーン数が多いということは、座席数が多いということだからな。今はお立ち見もないし。

女の後輩 じゃあ、このやり方は正しかったんでしょうか? いや、正しいかどうかと言うよりも、「ONE PIECE FILM GOLD」という作品のパーソナリティを、興行に活かすことが出来たのでしょうか?

爺 東映がどれほどの興収を見込んでいたかは分からないけど、一般的に興収50億円を超えたということは「大ヒット」と形容されるし、しかも「ONE PIECE」シリーズは前作「Z」が68.7億円、2010年正月の「STRONG WORLD」が興収48億円だから、この2本の間に滑り込んだ。上々の成果だと言えるだろう。

後輩 ただ、多くのスクリーンで公開すれば、ダウンの率は大きくなりますし、強力な後続作品があった場合、マーケットが縮小していくリスクもまたあります。

先輩 そーなんだよ。実際に「ONE PIECE FILM GOLD」の毎週のスクリーン数を見ると、2週目に入って693スクリーン、3週目に499スクリーン、4週目は410スクリーンと毎週減少を続けているんだよ。

爺 ハリウッド・メジャー系配給会社が、なぜスクリーンをたくさん欲しがるかと言えば、彼らはシェアを基準において映画の力を判断するからなんじゃ。日本の映画マーケットのうち、何割を自分たちの作品が占めているか。それは興収で判断するのとはまた違う見方だしな。

先輩 ただ、東映がこういう方法をとったということは、今度の「ONE PIECE」が前2作と違って夏休み公開だからだろうね。前2作は正月公開だったから。正月興行と夏休み興行では、休日数が違う。どちらが有利かと言ったら、やっぱり夏休みなんだ。それと、オープニング段階でスクリーン数をたくさんとる理由のひとつに、熱心な観客をとりこぼしなく動員するという理由もあります。

爺 「STRONG WORLD」「Z」のオープニング・スクリーン数はいくつだったのかな?

先輩 「STRONG WORLD」はなんと180スクリーンでした。大ヒットのスタートになり、当時の東映営業部は必死になってスクリーンを追加すべくかき集めましたが、正月休みの短い休日のうちにスクリーンを増やすのは困難というもので。その反省か「Z」のオープニング・スクリーン数は300スクリーン。どちらも映画館でしか手に入らない「ONE PIECE」の特別コミック目当てのファンが大挙押しかけ、満席の回を増やした。それで今回は休日の多い夏休み興行に、739スクリーンというやり方をとったのでしょう。当然ながら、たくさんのスクリーンで上映すれば、それだけ経費がかかり、宣伝費もたくさん必要になります。東映としてはハイリスク・ハイリターンの大勝負だったと思います。

女の後輩 確かにタイトルの知名度からして、ある程度のヒットになることは分かっていたでしょうし、手堅く責めることも出来た。でも、初動の段階で大きく責めていかないと、途中から公開規模を拡大することは出来ないわけですね。

先輩 そう。後続作品には強力なハリウッド映画がたくさんあるから、少しでも成績が落ちたら、スクリーンを奪われてしまう可能性もあった。結果的にこうしたハリウッド映画的なマーケティングは成功したと思うけど、それでも見込み違いはあった。その筆頭は3Dバージョンの稼働が芳しくない。このあたりはIMAXを味方につけた「シン・ゴジラ」とは対照的だな。

後輩 しつこいようですが、たくさんのスクリーンで上映しているからか、爆発的な大ヒットになっているイメージは希薄です。興収50億円突破も48日目ですが、「君の名は。」は28日間で100億円を超えていますから。

先輩 「君の名は。」の場合は、オープニングからずっと301スクリーンで上映しているからね。満席になる度合いも高いわけだけど、逆にそうした現象を目撃することで、君のように「ヒットしているなあ」という実感を抱く人もいるわけだよ(笑)。

爺 とにかく、「STRONG WORLD」を超えて「Z」に迫ったわけだから、「ONE PIECE FILM GOLD」の興行は大成功だったんじゃないか。色々と課題は残したものの、プロック・ブッキングをベースにしている会社がこうしたマーケティングをやったことは、なかなかないことだぞ。

「ポケモン」シリーズのダウンは、どう食い止めたものか?


ポケモン・ザ・ムービー XY&Zボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ ポスター


(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon  (C)2016 ピカチュウプロジェクト


先輩 成績順で行くと「ポケモン・ザ・ムービーXY&Z  ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」で、現状20.5億円ですので、最終的には22億円行くかどうか。

爺 タイトル、なげーな。「ポケモン」だけで良いだろう。

女の後輩 あれだけポケモンGOが、社会現象にまでなったのに、今年の「ポケモン」は20億円なんですねえ。

先輩 うん。ポケモンGOが始まった時、興行者に「相乗効果で、ポケモンの映画も観客増えただろ?」と聞いたら「全然。ガラガラですよ」と言われた(笑)。

後輩 ポケモン映画って、この数年成績がダウンし続けてますよね。

先輩 そうなんだ。過去5年間の興行成績をあげると、2011年43.3億円、2012年36.1億円、2013年31.7億円、2014年29.1億円、2015年26.1億円と、確かに下降線を描いている。

爺 興収22億円といったら、5年前の半分の額じゃからな、おおよそ。何が原因なんだろう?

女の後輩 やはり主要客層である子供たちの流行が、他のものに移っていったからじゃないですか?

先輩 子供たちの流行はペースが早いからなあ。ただ「ポケモン」シリーズは、これまでも客足がダウンすることが何度かあった。その都度、新しいキャラクターを登場させたり、入場者プレゼントを工夫したりして、再度興収をアップさせてきたんだよ。

爺 その方法論が、うまく行ったように見えて、そうじゃなかったんじゃないかな?

先輩 どういうことですか?

爺 例えば「映画館でしかゲット出来ないキャラクター」みたいな入場者サービスをする。その話題性で成績は盛り返す。ただ、それはその時だけの効果で、長期的に見れば、また成績はダウンしていく。

先輩 でも、そういう工夫をしないと興行が維持出来ません。

爺 今年のゴールデン・ウィークに「名探偵コナン」の新作が大ヒットして、その理由をここに書いたじゃないか。あれはとても評判が良かったらしく、製作委員会に加盟している社の人からもお礼を言われたほどじゃよ。

女の後輩 なんて言われたんですか?

爺 「コナン」が今年、興収63.1億円をあげてシリーズ新記録になった。その一番の理由は、コツコツとクォリティの高い作品を作り続けたからで、つまり観客の信頼を重ねていった。そう書いたところ「あれはうれしかった。現場で作っている人たちの、最高の励みになります」って。

先輩 なるほど。それは分かります。これは「コナン」にせよ「ポケモン」にせよ、「ドラえもん」シリーズや「クレヨンしんちゃん」シリーズにも言えることですが、最初にその映画を見た時より、観客は成長しているんですよね。シリーズを重ねるたびに、当たり前だけど作り手も観客も年齢を重ねていく。だから1997年からスタートしたポケモン映画を最初に見た子供は、もう二十歳を超えているわけで、その層を取り込もうと思ったら、映画の内容も大人向けにしなくてはならない。

後輩 いや、でもそれは「ポケモン」とは別の映画になるんじゃないですか? 「ポケモン」シリーズはあくまで原作があり、TVシリーズもある。子供たちの成長に作品内容を合わせるのではなく、新しい子供たちのファンを取り込むことこそが有効だと思いますが。

爺 それもそうなんじゃが、世の中少子化でな。子供の数はこれからも減少していくじゃろう。

女の後輩 ちょっとぉ、あたしの顔見ないでくれる?

先輩 いや、まだ結婚しないのかな・・・って(笑)。

女の後輩 大きなお世話だ!!そういうあんたはどーなんだ!?

先輩 すんません。まだ独り身です。

女の後輩 ただ、気になってはいました。今年は「ドラえもん」が興収41.2億円をあげてリニューアル以降の最高記録となり、「コナン」もシリーズ新記録を樹立し、「クレヨンしんちゃん」は2012年の9.8億円からV字回復を果たし、2年続けて興収20億円台をマークしています。今この中年の独身おやじが言ったように、作品のクォリティをアップしていくことが、年齢を重ねたファンをつなぎ止めることに繋がるのも事実でしょう。と同時に、新しいファンを取り込むためには、新しいキャラクターや入場者プレゼントなどの工夫も必要とれる。両方やるのがベストじゃないでしょうか?

先輩 「コナン」だって、今年初めて入場者プレゼントを実施したら、子供の観客が増えたというからね。

爺 「ポケモン」シリーズは、作品内容よりも入場者プレゼントやイベントなどの飛び道具に頼りすぎたと言えるかもしれん。

後輩 でも、今年の「ポケモン」はとても出来が良く、東宝が行った観客調査でも、20代の観客が大幅に増えていると聞きました。

先輩 それでも20代の観客は全体の25.4%で、それに比べて小学生が43.1%と、子供たち主体の観客構成であることは変わりないよ。

爺 ともかくじゃ。来年は劇場版ポケモン20周年にあたる。さぞ賑やかな展開を行うと思うから、それに期待しようじゃないか。

先輩 賛成。

リピーターが続出した「HiGH&LOW・・・」


HiGH&LOW THE MOVIE新メイン


(C)HiGH&LOW製作委員会


先輩 7月16日から全国312スクリーンで公開された、EXILE TRIBE総出演の映画「HiGH&LOW THE MOVIE」は好調な成績を上げており、現時点で18.18億円をあげていますから、20億円に届くかな? ちょっと足りないかな? といった感じです。

後輩 観客の中心は、やっぱりEXILE TRIBEのファンたちで、10代20代の男女が多いようですね。

爺 わしはもう、こうなると未知の世界じゃよ。

先輩 僕もEXILE TRIBEについては、よく知らないんですが、映画としても面白く出来ているようで、リピーターが続出しているらしいですね。それもEXILE TRIBEファンはもちろんですが、偶然この映画を見た独身のおっさんが(笑)「予想以上に面白い!」と、再度見に行ったそうですから、客層は広がっていますね。

女の後輩 この映画に関しては、プロジェクトとして取り組んでいて、昨年オンエアしたTVシリーズに続いて、今年4月23日からは日本テレビ系でドラマ・シリーズのシーズン2をスタート。そして5月7日からはODSとして「ROAD TO HiGH&LOW」を2週間限定で劇場公開。その後に「HiGH&LOW THE MOVIE」が公開されたわけです。

爺 つくづく、映画が単体で成立しなくなっているのだなあ、という気がしてならんよ、わしゃ。

後輩 映画なんて、今やサブカルチャーですからね。

先輩 その議論は今度じっくりするとして、「HiGH&LOW THE MOVIE」は立派な成績を残して、10月公開の「HiGH&LOW THE RED RAIN」へとバトンタッチするわけだ。

女の子主体の「ルドルフとイッパイアッテナ」


ルドルフとイッパイアッテナ


(C)2016「ルドルフとイッパイアッテナ」製作委員会


先輩 あと興収10億円を超えたのは、東宝配給の3作品だけです。タイトルを言うと「ルドルフとイッパイアッテナ」「後妻業の女」「青空エール」と。

爺 「後妻業の女」は・・・イヤな映画だったなあ。

先輩 身近すぎるんでしょうか(笑)。大丈夫。遺産のないご老体は狙われませんから(笑)。

爺 ふん。で、この映画は興収いくら行ったんだい?

先輩 現在13.02億円とのことですから、14億円は行くでしょうし、高年齢層の間で話題になっていますので、その後も少しずつ興収が上積みされる可能性ありと見ています。

後輩 「ルドルフとイッパイアッテナ」は、アニメですよね。ポケモンとこの「ルドルフ・・」は、客層がバッティングすると思うんですが、配給した東宝はどう考えているんでしょうか?

先輩 「ポケモン」が男の子主体なのに対して、「ルドルフ・・」は女の子がメインだと、観客調査にでているよ。初日の男女比、男34%に対して女66%。「ポケモン」の場合、この男女比が男62%対女38%となる。しかも「ルドルフ・・」は12歳以下が33.3%で、家族と来場した観客が61.8%だそうだから、女の子向けのファミリー・アニメとして認識されたようだ。

爺 興収はいくら行くの?

先輩 現在14億円で、さすがに夏休みも終わりましたから、ファミリーもそうは動きません。なので上限15億円ぐらいなのでは。

女の後輩 私の高校時代を描いたような「青空エール」は?

先輩/後輩 なんだとぉ!?

爺 そんなに爽やかな青春時代を送った娘が、なんでこんな座談会に出ているのやら・・・。

女の後輩 (無視して)いやあ、「青空エール」はいい映画でしたよ。久々に爽やかな気分で映画館を出ました。

先輩 (こっちも無視して)えーと、「青空エール」は現在興収11.38億円ですから、12億円ぐらいに落ち着くんじゃないでしょーか?

爺 この数年乱発された少女漫画の映画化も、さすがに息切れ気味か?

先輩 いや、そうでもないと思いますよ。「少女漫画の映画化」と一緒くたにくくりがちですが、そのジャンルに特定の観客がついているのではなく、むしろそれぞれの原作にファンがついている。だから「青空エール」のファンは、「四月は君の嘘」はまったくの関心外かもしれませんし、同じ原作者の漫画が映画化された場合、その作家のファンは映画館に行くでしょうからね。

後輩 その場合、大切なのは原作のイメージを壊さないことですね。特にキャスティングには、細心の注意が必要とされます。

爺 昔はあったんだよ、漫画の映画化というと、30歳超えた男優が高校生の役やってたり、映画独自のアレンジがされていてラストが変わっていたり。明らかに原作のイメージを台無しにしているんだが、作っている人たちは「映画は映画。漫画には負けん」とか言っててなあ。

先輩 日本映画界に於ける漫画映画化の黒歴史ですね、それは。

爺 さて、「君の名は。」と「シン・ゴジラ」以外の日本映画の夏休み作品は、こんなところかな?

先輩 興収10億円以上の作品は、こんな感じです。それにしても「君の名は。」はどこまで興収を伸ばすんでしょうね?

爺 ま、そのあたりは次回、じっくりと語るとしよう。

(「邦画篇II」に続く)

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(文:斉藤守彦)

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