伝説のフォークシンガー・高田渡、その最後の姿。
フォークシンガー、高田渡のドキュメンタリー映画『まるでいつもの夜みたいに~高田渡 東京ラストライブ』の公開が決定、予告映像が解禁となった。
映画『まるでいつもの夜みたいに~高田渡 東京ラストライブ』
その夜、高円寺の居酒屋に集まった30人余りの観客はしあわせだった。全国の小さな店や大きなホールを旅するなかで磨きに磨き上げられた高田渡の歌に酔いしれ、焼酎をちびりちびりやりながら発する絶妙な間合いの話術に大笑い。夢のような時間が流れた。このライブのあと、北海道ツアー中の2005年4月4日に倒れた高田渡は、その12日後、56歳でコノヨニオサラバシタ――
映画『まるでいつもの夜みたいに~高田渡 東京ラストライブ』は、1960年代から活躍し、映画『タカダワタル的』などで知られるフォークシンガー、高田渡の人生最後の単独ライブとなった2005年3月27日の映像記録を中心に構成されるドキュメンタリー作品。高田渡のほか、シンガーソングライターの中川イサト、フォークシンガーの中川五郎らが出演する。メガホンをとるのは代島治彦監督。
解禁となった予告映像では、高田渡の息子である高田漣が父との思い出を語るシーンも収められている。
なお、今回の発表にあわせて、高田渡とゆかりのある著名人たちからシネマズにコメントが到着した。
高田漣(ミュージシャン)
高田渡にとってライブはそれこそ吉祥寺の立ち飲み屋にいる時と同じく日常であった。その日もいつものように高田渡は歌い、夜の街に消えていった。いまも僕らの知らない土地で歌っているのか、飲んでいるのか。今日もどこかで父は冗談話をしているに違いない。悪戯な笑顔とともに。
佐野史郎(俳優・映画監督)
渡さんだけのあの、ギターのピッキングに酔いながら、『風』で唄われる「本当のことが言えたらな」に目頭を熱くし、「言ってるくせに」と映画の中の渡さんに話しかけていた。
森達也(映画監督・作家)
けっこう毒舌。でも誰も怒れない。だってペーソスそのものだもの。映画を観ながらあらためて思う。唄い、そして、歩き、喋る。すべて高田渡だ。
中川五郎(フォークシンガー・文筆家)
あまりにもリアルで鮮やかなだけに、もう渡さんはいないんだ、渡さんにはもう会えないんだ、何でこんなにも早く歳月が流れるんだと、つらく、悲しく、寂しい気持ちにぼくは襲われてしまった。
映画『まるでいつもの夜みたいに~高田渡 東京ラストライブ』は2017年4月29日(土)、アップリンク渋谷にて公開。
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