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『獣電戦隊キョウリュウジャー』挑戦の連続! 恐竜ヒーローに白熱【篠宮暁の特撮辞典・第27回】
『獣電戦隊キョウリュウジャー』挑戦の連続! 恐竜ヒーローに白熱【篠宮暁の特撮辞典・第27回】
■オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典
王道をベースに新たな挑戦を盛り込んだ第3の恐竜戦隊
1992年の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』、2003年の『爆竜戦隊アバレンジャー』に続く、第3の恐竜戦隊『獣電戦隊キョウリュウジャー』。
前々年の『海賊戦隊ゴーカイジャー』でお祭り騒ぎした後、次の年の『特命戦隊ゴーバスターズ』は、しっかり腰を据えて、しかし果敢に挑戦していった意欲的な作品になりました。
その反動からか、次作の「キョウリュウジャー」では思いっきり王道に戻し、「戦隊ってやっぱりこれだよね」と、ファンを喜ばせてくれました。
しかし、ただの王道ではここまでファンは惹かれなかったはず。王道というベースを敷きつつも、実は新しいこともガンガン取り入れていたのです。
バランスが絶妙な“ホットなポイント”
まずひとつ目は、変身アイテムが“ガブリボルバー”という銃型のものだったこと。
古くはブレスレット型が主流で、近年は携帯電話型が主流となっていたところ、武器兼用の変身アイテムはファンと子ども達のハートをがっつりつかみ、僕も思わず購入してしまいました。
変身の際、サンバが流れて、踊ってから変身するのですが、下手すれば滑稽な変身シーンになってしまいそうなところを、絶妙なバランスでかっこよく見せているあたりは「流石だな」と感心したものです。
また、変身する為には電池型のアイテム“獣電池”というのが必要なのですが、変身時だけではなくロボットを合体させる時にも効果的に使われていて、見事に購買意欲をそそられました。
2つ目は、敵の“デーボス軍”が非常にポップ。今までの悪の組織は暗いアジトにいたり、おどろおどろしい場所にいるというのが通例だったところ、キャラクターもポップでアジトもピンク色が使われたりしていて、今までとは一線を画す感じに驚きました。
かと言って、コメディにいくわけでは全くなく、しっかりと怖い存在として描かれていて、そこのバランスもまた絶妙なのです。
個性豊かな10人の戦士たちに熱狂
そして3つ目は「キョウリュウジャー」の核と言ってもいいと思うのですが、戦隊ヒーローが最終的に10人になります。
まず初期メンバーがキョウリュウレッド、キョウリュウブルー、キョウリュウブラック、キョウリュウグリーン、キョウリュウピンク。いわゆる追加戦士枠にキョウリュウゴールド。
基本はこの6人なのですが、さらに初めての水色の戦士キョウリュウシアン、頭突きアクションのキョウリュウグレー、おじいちゃんから孫娘に引き継がれたキョウリュウバイオレット、ラストを盛り上げたキョウリュウシルバーが出てきます。
ただ出てくるわけではなく、各々のドラマもきっちりと描かれていて、どのキャラが欠けてもキョウリュウジャーは成り立たないというくらい、ストーリーにがっつり組み込んできています。
39話で10人が揃った時には脳内ではサンバ鳴りっぱなしで、かなりブレイブしていました。爽快感たっぷりの戦隊をぜひ見てみてください。
ちなみにこの年。嫁と喧嘩した時に、僕が部屋に飾っていた“キョウリュウジン”という「キョウリュウジャー」のロボットが、嫁にブチブチに引きちぎられて、肝がすくみあがるという事件がありました。
まさに、「キョウリュウジャー」ならぬキョウサイジャーでございます。
デーボス軍よりもはるかに恐かったー。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!
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