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2018年10月10日

樹木希林インタビュー映像公開!『日日是好日』は“今の時代に必要な作品”

樹木希林インタビュー映像公開!『日日是好日』は“今の時代に必要な作品”



©2018「日日是好日」製作委員会



10月13日(土)全国公開となる『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)より、9月15日に亡くなった樹木希林のインタビュー映像が公開された。

原作は、エッセイスト・森下典子が、約25年に渡って通い続けた茶道教室の日々を綴った大人気エッセイ『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫刊)。“お茶”の魅力に気付き、惹かれていった女性が体験するのは、静かなお茶室で繰り広げられる、驚くべき精神の大冒険。茶道を通してひとりの女性が成長する姿を描く本作は、日本映画界屈指の実力派キャスト、黒木華、樹木希林、多部未華子の初共演も話題となっている。

今回公開されたのは、昨年12月中旬に樹木がオールアップしたときに撮影したインタビュー映像。“お茶の先生”という枠を超えた人生の師匠として、大きな包容力で主人公・典子たちを導いていく武田先生を演じ、その役作り、撮影の裏側、初共演の黒木について、そして本作の見どころを語っている。



まず、タダモノではないと噂のお茶の先生を演じるにあたり、台本には、厳しく、お辞儀一つでも風情のある先生と書いてあったため、最初は、「大変かなと思った」と振り返った。が、原作者の森下典子と接し、「森下先生が教わっている先生だと考えると、ちょっとざっくばらんなところがあり、普段は普通のおばさんでもいいかな、と肩の力が抜けました」と武田先生像が変化していったことを明かした。


続いて重要な初釜のシーンの撮影について、「それがおかしいんだけどね」と始まる。「私よりも、主だったスタッフ全員が私以上に練習しているの。だからすごく捌きがいいの。進行もいいの。スタッフがあれだけお茶をやったというのは大変な収穫だろうと」と手をたたいた。「それはきっと画面に出るだろうと思ってます。私はただの傀儡で」と微笑み、スタッフをねぎらい、作品への期待感をにじませる。



©2018「日日是好日」製作委員会



次に初共演の主演・黒木華について、「思った通りの、実に柔らかくてすべてのものをスイっと受け取って自分の中で消化してスイっと出す。そして自分の肉体というものを固めない。普通の女優さんだと普段の顔をいろいろ、かたち作っちゃう。普段は淡泊にしておいて、役のときに変わるという、一番理想的な役者の姿じゃないかなと。黒木さんが典子をやると言った段階でこの作品は成立したなと思いました」と絶賛した。

さらに本作の見どころについて尋ねると、「よく、そういうおんぶにだっこの質問をするの。見どころは、なんて。見どころは自分で見つけてください、というのが観た方へのお願いなんですけど」と笑いながら苦言を呈した。そしてしみじみと続ける。「この本は、森下さんがお書きになってからひと回りしています(12年以上が経っている。原作は2002年1月に刊行)。あの時代とは違って、今の地球がいつどうなるかわからないような、隣の国もわからない、トランプさんもあんなふうだし、いつもスイッチ押せるカバン持ってるみたいだし。そういうときに、“こんなふうに何でもないことを、毎年同じことができるということが本当に幸せなんですね”という武田先生のセリフがありますが、やはりそこに行きつく、今の時代に必要な作品になればいいなと思いました」。



©2018「日日是好日」製作委員会



少し間をおいて、それぞれの考え方で生きる道に悩み迷う主人公の典子といとこの美智子になぞらえてか、「みんな誰でも踏み迷うのね。若くても年とっても。75歳、後期高齢者になった私が踏み迷わないかというと、とんでもない。毎日、あっと言って踏み迷うわけでしょ。そんなの当たり前、人間としてはね。そんなときに、みなさんのそれぞれ生活の中に、長く続けているもの、趣味と言うかな、そこへ行くとあまり無理しなくても自分をふと置ける場所を作っておくといいかもしれませんよ」と含蓄のある心に響く言葉を重ねた。最後は、「終わり!」とお茶目に万歳をしてインタビューは終了した。

1年以上の歳月をかけ役作りをし、最後までこの映画を作り上げ、育てていくことに全精力を傾けた樹木希林の想いの一端が垣間見られる映像となっている。

ストーリー概要


たちまち過ぎていく大学生活、二十歳の典子(黒木華)は自分が「本当にやりたいこと」を見つけられずにいた。ある日、タダモノではないと噂の“武田のおばさん”(樹木希林)の正体が「お茶」の先生だったと聞かされる。そこで「お茶」を習ってはどうかと勧める母に気のない返事をしていた典子だが、その話を聞いてすっかり乗り気になったいとこの美智子(多部未華子)に誘われるまま、なんとなく茶道教室へ通い始めることに。そこで二人を待ち受けていたのは、今まで見たことも聞いたこともない、おかしな「決まりごと」だらけの世界だった――。

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