映画コラム

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2018年11月24日

『ボヘミアン・ラプソディ』圧巻のパフォーマンス!「あれ?フレディ生き返ったんじゃね?」と思わずにいられない

『ボヘミアン・ラプソディ』圧巻のパフォーマンス!「あれ?フレディ生き返ったんじゃね?」と思わずにいられない

■橋本淳の「おこがまシネマ」

どうも、橋本淳です。22回目の更新です。

寒さもゆっくりと厳しくなってこようとしているこの時期になると、今年も残り僅かだなぁ、とふと思います。平成最後、というワードをよく目にしますが、平成だろうがなんだろうが毎年後悔を来年に繰越すことなく、今を楽しみたいなと思います。

気分が優れない、寂しい、イライラする、、寒さとともに気分も落ち込みやすくなるこの季節、一気に発散してくれる映画を。

それでは、今回はコチラをご紹介します。

『ボヘミアン・ラプソディ』




(C)2018 Twentieth Century Fox


今、特に話題の映画ですね。

僕の周りでは、「観た? 観た?」と、これを観た人達の共有したい感がハンパないです。

そして、皆、興奮状態でこの作品を熱く語ります。その気持ちは観れば納得、観た後は自分も周りに熱く語ります。(すでに舞台の楽屋で言い回っている自分がいます)

タイトルを聞いて、「あぁ!」と思うはず。そうクイーンの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」。この作品は、伝説のロックバンド・クイーンの軌跡、リードボーカル フレディ・マーキュリーの歩みが描かれています。

クイーンを知らない世代でも、数々の名曲は聞いたことがあるはず。僕自身、クイーンの曲は好きでよく聞いていましたが、彼ら4人がどうバンドを組み、その道のりまで知るほどの知識はなかったです。

しかし、この映画を観た後は、もうずっとクイーン漬けです。

電車の中、家の中、仕事場、ずっとクイーンを聞いております。映画のサントラとクイーンのBESTを交互に。(大体、皆さんこうなるみたいです。独自調べ)

それだけでは飽き足らず、クイーンの情報を掘り下げ掘り下げ、、、

興奮冷めやらぬ、とはまさにこのこと。あと3回くらいは映画館で観ることになるでしょう。

同じ系統で、フォーシーズンズを描いた映画『ジャージー・ボーイズ』もすばらしい作品でしたが、個人的には、はるかにしのぐ今作でした。早く共有したい、早く沢山の方に観てもらいたいと思える稀有な作品です。



(C)2018 Twentieth Century Fox


伝説的となったライヴ・エイドでのクイーンのパフォーマンス。そこから始まり、クイーン結成前まで遡り、ラストはその伝説のライブシーンで終わるという構成。

1人の内気な青年ファルーク・バサラがどのようにして、絶対的なパフォーマーのフレディ・マーキュリーになっていくのか、その過程が描かれていく。

あらすじを書こうと思ったのですが、もはやいらないかと思い、やめました。史実に残っていることですし、今更ここに書くのも違う。(何はともあれ観てほしいのです!)

青年ファルークの葛藤。自分の人種へのコンプレックス。自分が同性愛者であることの驚きと不安。仲間との別れ。孤独との闘い。

フレディという伝説の裏に隠れた、本人の苦しみが画面一杯に伝わってきて、後半は涙で前が見えません。こんなにも心打つ音楽を作り上げた裏側には、ボロボロになる苦しみがあったなんて、、、

今回、特にすごいのが役者陣。まさにクイーンを再現、、、というか蘇っていると錯覚するくらいの完成度。それが振りであるとか形態模写ではなく、そこに生きている。それがすごいです。

主役・フレディを演じた、ラミ・マレックのライヴ・エイドでのパフォーマンスは、見事です!(実際のライブエイド映像がYouTubeにあがってますので、見比べてみてください)

高い再現度!!

その訳は、彼のインタビューから分かりました。

「ライヴエイドの撮影のために、コレオグラファーにお願いしようと検討しているとプロデューサーに、“あれは振付された動きじゃない”と言ったんだ。彼の動きや、動きの理由を、本質的に理解できる人を見つけたかったから、ムーブメント・コーチを探したんだ。それでコーチにポリー・ベネットに協力してもらった。」

そのポリー・ベネットはこう語っています。

「フレディが子供時代にボクシングとゴルフ、長距離走をしていたことが、歌い方に影響を与えている。パンチをしたり、膝をあげて走ったり、マイクをゴルフクラブのように使ったりする。それがすべてフレディのマッスルメモリーよ。若い頃に歯を隠していた仕草が、徐々に無くなっていくことにも気づいた。自信をつけていくに従って、ステージ上で大きな口を開けたり、笑ったりするようになったの」

フレディの動きを表面的に模写するのではなく、本質的に解析して理解して実行する。その手の込んだ作業が、この映画のリアリティを最大限に引き上げている。

フレディ役のラミの中から溢れているように、その場でまさに“生きている”感じがしました。フレディではないと分かってはいても、「あれ? フレディ生き返ったんじゃね?」と思わずにはいられないほどの圧巻のパフォーマンス。

まだまだ公開は続くと思われる今作。まだ未見の人は必ず、そしてもう観た方は是非もう一度、欲を言うならば音響設備とスクリーンが大きな映画館で!是非!!

多くの人と共有したい。今年の傑作ムービー!!

それでは、今回も、おこがましくも紹介させていただきました。

(文:橋本淳)

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