山村聰

金曜映画ナビ

この美しさには、毒がある――篠田正浩監督が描いた愛と幻想の名作3選

2025年3月25日、日本映画史に大きな足跡を残した映画監督・篠田正浩がこの世を去った。1960年に『恋の片道切符』で監督デビュー。大島渚、吉田喜重らとともに松竹ヌーヴェルヴァーグの一角を担い、若者の焦燥、政治の季節、都市の虚無を鋭く切り取...
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美は人を救わない——篠田正浩『美しさと哀しみと』『鑓の権三』で味わう“美の残酷”

美は、なぜこんなにも残酷なのか——『美しさと哀しみと』『鑓の権三』篠田正浩の映画を一本でも観ると、妙な感覚が残る。“美しいもの”を見届けたはずなのに、胸の奥に小さな刺が残っている。花ではなく、刃。救いではなく、決定的な一撃。今回の特集パート...
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静けさの中に息づく家族——小津安二郎、晩年カラー四部作をめぐる旅

小津安二郎の映画は、大事件が起きない。けれど、気づけば胸の奥で何かがほどけ、静かな余韻が長く残る。畳目の高さに据えられたカメラ、画面の隅に置かれた急須や赤い小物、交わされる挨拶と言葉の反復——それらが積み重なって、家族の機微と時代の空気をそ...