杉村春子

金曜映画ナビ

美は人を救わない——篠田正浩『美しさと哀しみと』『鑓の権三』で味わう“美の残酷”

美は、なぜこんなにも残酷なのか——『美しさと哀しみと』『鑓の権三』篠田正浩の映画を一本でも観ると、妙な感覚が残る。“美しいもの”を見届けたはずなのに、胸の奥に小さな刺が残っている。花ではなく、刃。救いではなく、決定的な一撃。今回の特集パート...
金曜映画ナビ

静けさの中に息づく家族——小津安二郎、晩年カラー四部作をめぐる旅

小津安二郎の映画は、大事件が起きない。けれど、気づけば胸の奥で何かがほどけ、静かな余韻が長く残る。畳目の高さに据えられたカメラ、画面の隅に置かれた急須や赤い小物、交わされる挨拶と言葉の反復——それらが積み重なって、家族の機微と時代の空気をそ...
金曜映画ナビ

金曜映画ナビ〈戦後80年 終戦記念特集〉第3週 4つの物語でたどる戦争——愛と別れ、選択と喪失、そして未来

雲間から差す光の角度が、夏の終わりを少しだけ告げはじめる。戦後80年――数字はすでに歴史の彼方に消えかけているのに、映画に封じ込められた眼差しは驚くほど生々しく、いまの私たちの胸に触れてくる。第三弾は、まったく違う立場から“戦争”を見つめた...