初めての人にとって衝撃的―『ラブ&マーシー』公開記念トークショー

今週末、2015年8月1日(土)より公開となる映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』の公開を記念したトークショーが7月28日にタワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIOにて開催され、音楽評論家の萩原健太、音楽家の高田漣らが登壇し本作の魅力について語った。

ブライアン・ウィルソンの栄光と苦悩の半生を描く


ラブ&マーシー



映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』は、ザ・ビーチ・ボーイズの中心メンバー、ブライアン・ウィルソンの栄光と苦悩の半生を、本人公認のもとに映画化した作品。

誕生から半世紀を経た今も、時代を超えて愛され続ける名曲を生み出すブライアン・ウィルソン。なかでも、発表当時は斬新すぎてファンや評論家を戸惑わせた「ペット・サウンズ」が、現在ではポピュラーミュージック史上不世出の傑作と称えられ、ポール・マッカートニー、山下達郎、村上春樹も絶賛したというのも有名な逸話だ。

ラブ&マーシー 萩原健太 高田漣



タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIOにて行われた公開記念のトークショーでは、音楽評論家の萩原健太、音楽家の高田漣といった自他ともに認めるザ・ビーチ・ボーイズ・マニアが集い、マニアや初心者それぞれに向けてブライアンやバンド、本作の魅力についてたっぷり語り尽くした。

萩原健太氏は満面の笑みで「ビーチ・ボーイズの話ができるのが嬉しくて仕方ないんです」と語り、一番最初に本作を観た時の感想を「最初に観た時はストーリーが頭に入らないぐらいでした」と振り返り「今まで写真でしか見たことのない場面が動いてる!あ、動いてる!よく出来てるなーっていう感じで」と語った。

高田漣氏は「ビーチ・ボーイズのことをよく知っている方にとってはストーリーもご存じの話もいっぱいあると思うんですが、映像では見たことがないから、ドキュメンタリーを見ているような感じでした」と振り返る。

ビーチ・ボーイズとの出会いについては、萩原氏は「僕は全盛期からは乗り遅れてるんです。ビーチ・ボーイズのアルバムを初めて買った1969年はそれこそ最底の時代(笑)学校の友達は誰も聴いてないし、LPを貸して“どうだった?”と聞いても“インストの曲がよかった”とか…ビーチ・ボーイズはコーラスグループなのにそんなことさえ言われていた時代で。だから学校では他のアーティストの話題で盛り上がって、家に帰ってずっと聴いていました。ビーチ・ボーイズの評価が上がったり下がったりしながらも、最初が最底だったから、どんな時でもその頃よりはいいし、こんな映画までできて嬉しいんです」と語る。

高田氏は「僕は中学の頃から聴きはじめたんですが、がヴァン・ダイク・パークス(『スマイル』のプロデューサー)と共演したこともあって、勝手に親戚のおじさんのような気持ちでいました。その頃は『ココモ』もヒットしてたし、自伝も出たりと、映画の中の80年代として描かれていた時期がまさに僕がファンになった頃の時代なんです」と振り返る。

萩原氏も続けて「その頃ブライアンはビーチ・ボーイズには参加していないし、彼が初めてのソロアルバムを作って『ラブ・アンド・マーシー』もあったけど、圧倒的に売れたのはビーチ・ボーイズの方で、そういう皮肉はあったんですが…」と振り返る。

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