コナン新作、『君の名は。』対比で初週157%の興収!100億突破は確実か?

(C)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

昨年は『ボヘミアン・ラプソディ』が興行収入100億円を突破する大ヒット記録、その一方でワークショップから発信された『カメラを止めるな』がSNSを中心に社会現象化して興行収入31億円を記録しました。

また是枝裕和監督の『万引き家族』がカンヌ映画最高賞のパルムドールを受賞するなどなどトピックスが続いた一年となりました。

そんな中で、映画ファンの度肝を抜いたのが映画『名探偵コナン ゼロの執行人』の91・8億円の大ヒット。あの『シン・ゴジラ』の興行収入が82.5億円ということで、コナンの数字の凄さが伝わるのではないでしょうか?

そして最新作『名探偵コナン紺青の拳(こんじょうのフィスト)』が公開。

どこまで記録を伸ばすのかと注目を浴びましたが、公開初日で興行収入4億円を突破すると、その勢いのままに土日で動員114万人・興行収入14.6億円を記録。これは『ゼロの執行人』113%の数字です。

また、過去の第ヒット作品と比べた際、総興行収入250億円を記録した『君の名は。』の初週との対比で動員では166%・興行収入では157%。

同じく総興行収入254億円の大ヒット作『アナと雪の女王』対比では動員が189%・興行収入149%という驚異的な数字になっています。

今年は改元もあってGWが10連休というプラス要因もさらに加わることから国内33本目の“100億円映画”に向かって快進撃が止まりそうにもありません。

まず、数字の面から見ていきましょう。

『名探偵コナン』は1997年に劇場版第1弾『時計仕掛けの摩天楼』が公開されてから基本的に毎年一本のペースで、公開されてきました(2013年12月に『ルパン三世VS名探偵コナンTHE MOVIE』がありました、ちなみに興行収入は42.6億円)。

2007年に興行収入34億円を記録、公開から最初の10年はこの記録を最高に20億円以上30億円未満で推移していきます。

冒頭の『カメラを止めるな』の興行収入(31億円を)上げましたので、この時点で『名探偵コナン』という映画シリーズが十分大ヒットシリーズと呼べるものになっていたがいました。

その後、2009年の『漆黒の追跡者(チェイサー)』が35億円の新記録を樹立するとここから、30億円以上の興行収入をキープ。

2012年の『11人目のストライカー』以降は数字はずっと右肩上がりで、2014年の『異次元の狙撃手(スナイパー)』からは5年連続で40億円以上を記録、さらに直近の3作品『純黒の悪夢(ナイトメア)』『から紅の恋歌(ラブレター)』『ゼロの執行人』は60億円以上を記録するという国内外の超大作でもなかなかできない連続メガヒットを記録しています。

ファンが卒業しない大ヒットシリーズ

『名探偵コナン』以外にも『映画ドラえもん』シリーズや『ポケットモンスター』『クレヨンしんちゃん』などなどまさに定番と言うべきアニメ映画シリーズはありますが、『コナン』と他のアニメシリーズの最大の違いはファンの卒業が少ないというところでしょう。

これらのシリーズは春・夏・冬の学校のお休みGWなど大型連休に合わせて公開され、子供たちの休みの過ごし方の一つとして定着しています。

ただ、やはりメインターゲットが子供ということもあって、ある一定の年齢に達すると皆それぞれの作品から一度卒業していきます。

そして、今度は自分たちが子供を連れてくるようになって、またシリーズに再合流することになります。

そこにブランクが発生するために“自分の頃とドラえもんの声が違う!”なんていう現象が起きたりします。

ところが『コナン』はこの“ファンの卒業”が少ない独特の展開を見せるシリーズになっています。

親に連れてきてもらった世代が、その後お小遣いを握りしめて『コナン』を見に映画館に通い、学生になるとデートムービーとして『コナン』を選んでいきます。

結果として幅広い世代が常に劇場に集まり続ける状況を生み出すことになります。また、“親が子供を連れてくる”以外の形も多いために平日であっても劇場が込み合い続けるという現象が起きるようになります。

(C)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

安室の次はキッド!映画ならではのオールスターシステム

昨年の『ゼロの執行人』ではメインキャラクターにシリーズの人気キャラクター安室透/降谷零(=バーボン)を据えたことでもで話題になり、リピーターは“安室の女”と呼ばれ、情報番組などでも取り上げらる程になりました。

そして最新作『紺青の拳(フィスト)』では同じ青山剛昌の人気作品『まじっく快斗』の主人公であると同時にコナンのライバルでもある怪盗キッドがメインキャラクターにすえられました。

同じ原作者の別々の作品の主人公でありながら、共通した世界観の住人であり、ライバル関係でもあるコナンと怪盗キッド、そして怪盗キッドのライバルでもある空手の達人京極真が一堂に会します。

さらに、舞台は劇場版初の海外(=シンガポール)を舞台にゴージャス感あふれる作品に仕上がっています。

普段はなかなか同じ絵に収まらない人気キャラクターが集まるオールスターシステムは『アベンジャーズ』や『ジャスティス・リーグ』と同じような贅沢感あふれる楽しさに満ちています。

『コナン』シリーズには安室やキッド、服部平次、赤井秀一といった主役のコナン/工藤新一に匹敵する人気を誇るライバルキャラがいて、これまでの映画版でも注目を浴びてきましたが、今後はさらにファン垂涎の組み合わせでスクリーンに登場するのではないでしょうか?

シリーズ第6作『ベイカー街(ストリート)の亡霊』で脚本家であり江戸川乱歩作家でもある野沢尚が脚本を担当して以降、『相棒』シリーズの櫻井武晴(『絶海の探偵(プライベートアイ)』『業火の向日葵』『純黒の悪夢』『ゼロの執行人』)、警視庁いきもの係シリーズや福家警部補シリーズの大倉崇裕などなど実写作品でも実績のあるミステリー作家による脚本も見どころの一つです。

(C)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

今年のゴールデンウィークも『アベンジャーズ』と激突!!

今年の『名探偵コナン』も昨年に引き続き今年のゴールデンウィークもハリウッドのアメコミ超大作『アベンジャーズ』シリーズとぶつかります。

昨年日米同時公開されたシリーズ第3弾『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は日本でも注目浴びて、MCU=マーベル・シネマティック・ユニバース作品としては日本最高のヒット(興行収入37.4億円)を記録しました。

そして、今年はシリーズの一つの集大成というべき『アベンジャーズ/エンドゲーム』がほぼ同じタイミング(『インフィニティ・ウォー』の364日後の4月26日公開)で公開されます。

前回強敵サノスに敗れ去ったアベンジャーズの逆襲劇であり、一部のメインキャストが本作を持って卒業するシリーズ22作目にして完結編でもある『エンドゲーム』は上映時間3時間を超す堂々たるハリウッド大作です。

これを迎え撃つのが興行収入100億円という大台を目指す『名探偵コナン紺青の拳』。

10連休のGWという絶好のチャンスを活かしてどれだけ映画館が盛り上がるか、今から楽しみですね。

劇場版『名探偵コナン』ヒットの歴史

公開年

作品名

入場動員

興行収入

1

1997

時計仕掛けの摩天楼

100万人

11億円

2

1998

14番目の標的

161万人

18.5億円

3

1999

世紀末の魔術師

216万人

26億円

4

2000

瞳の中の暗殺者

213万人

25億円

5

2001

天国へのカウントダウン

247万人

29億円

6

2002

ベイカー街の亡霊

294万人

34億円

7

2003

迷宮の十字路

273万人

32億円

8

2004

銀翼の奇術師

242万人

28億円

9

2005

水平線上の陰謀

185万人

21.5億円

10

2006

探偵たちの鎮魂歌

255万人

30.3億円

11

2007

紺碧の棺

214万人

25.3億円

12

2008

戦慄の楽譜

204万人

24.2億円

13

2009

漆黒の追跡者

298万人

35億円

14

2010

天空の難破船

272万人

32億円

15

2011

沈黙の15分

267万人

31.5億円

16

2012

11人目のストライカー

277万人

32.9億円

17

2013

絶海の探偵

302万人

36.3億円

18

2014

異次元の狙撃手

334万人

41.1億円

19

2015

豪華の向日葵

359万人

44.8億円

20

2016

純黒の悪夢

495万人

63.3億円

21

2017

から紅の恋歌

537万人

68.8億円

22

2018

ゼロの執行人

687万人

91.8億円

(文:村松健太郎)

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    ライタープロフィール

    村松健太郎

    村松健太郎

    村松健太郎 脳梗塞と付き合いも10年目に入った映画文筆家。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在NCW配給部にて同制作部作品の配給・宣伝、イベント運営に携わる一方で各種記事を執筆。

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