岩井俊二監督×行定勲監督のスペシャルトークショー@Apple Store銀座に行ってきた

岩井俊二監督最新作「リップヴァンウィンクルの花嫁」がいよいよ公開となるので満を持してのレポート記事です!

2月11日、岩井俊二監督と行定勲監督のスペシャルトークショーがApple Store銀座で開催され行って来ました。

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2015年12月には、行定勲監督と、監督の現在ヒット中の作品「ピンクとグレー」の主題歌を手掛けているアジアン・カンフー・ジェネレーションのベース山田貴洋さん、ギター喜多健介さんによるトークショーが、同店にて開催される予定でしたが、「中止しないと爆破する」という趣旨の脅迫文が届いていたために中止になっていました。

今回はそのような問題や物々しい雰囲気もなく、事前に予約をした多くの人で3階シアター席は満員御礼、立ち見の人も多くいました。

モデレーターは相田冬二さんが務め、3月に公開する岩井監督の「リップヴァンウィンクルの花嫁」と、行定監督の「ピンクとグレー」について監督同士がお互いに観た印象、感想を述べる、という形式で進んでいきました。

岩井監督の助監督としてもともとついていた行定監督に対し、岩井監督は「当時からとても優秀で、一番監督デビューしてほしくないくらいの片腕だった。特にキャスティングは抜きん出ていた」と、当時を懐かしみながら話していました。

「開始から62分の衝撃」

「開始から62分の衝撃」とトレーラーで謳っている「ピンクとグレー」について、岩井監督がネタバレさせたくないからと、「この中でまだ観てない人?」とオーディエンスに聞いたところ、意外にも半数以上の人がまだ観ていなかったため、ふんわり、オブラートに包みながら言葉を選んで話していました。

行定監督はこの「62分の衝撃」の手法について、「撮り終えてから、やっちまったかな〜と思った」と話していましたが、岩井監督は、大林宣彦監督の「北京的西瓜」など斬新な表現方法を試した他の作品を引き合いに出しながらも、「こんな映画は観たことないね〜」と評していました。

ただ、この開始から62分に起きる衝撃は、原作にはないもの。

「ピンクとグレー」、原作の著者はジャニーズの人気グループ、NEWSの加藤シゲアキさん。行定監督は映画化の際に加藤さんの作品を壊さずに映画にする、という点についてかなり考えた、と言っていました。

余談ですが、私も加藤さんと同じ青山学院大学卒で、時々キャンパスや学食で加藤さんを見かけることがあったのですが、誰も加藤さんに気にも留めない時もあれば、かなりキャーキャーと騒がれている時の差が大きかったです。

本人も、「青山学院にジャニーズの人いるらしいよ、知ってる?」と聞かれたこともあるとか。

「ピンクとグレー」の主演もジャニーズのHay! Say! Jumpの中島裕翔さんだったため、私が作品を観に行った平日午前の映画館は満席で9割が女性、本編が始まる前の映画予告でもイケメン俳優が映ると、「キャー!」

そして、作品が始まり中島裕翔さんが登場すると「キャー!」と、日本の映画館ではないような盛り上がりを見せていました。

ちなみに、加藤さんも、ピンクとグレーの本編でもチラッと登場しています。(一緒に観に行った友人は気づいていませんでしたが!!)

 岩井監督が闘っていかないといけないもの

岩井俊二監督の「リップヴァンウィンクルの花嫁」はまだ公開前、ということでその日に会場で観ていた人はほぼいないようでしたが、作品としては、岩井監督の「3.11」以前と以降の心境の変化が反映された作品のようです。

行定監督はすでに作品を観ており、出演している「綾野剛がいいよね〜」、そして『「嘘」の存在が一貫した大きな軸になっている』、と述べていました。

岩井監督は、「正義」が重視されるばかりに、例えば撮影の時もシートベルトなしで車に乗ることもNGになって(確かに月9ドラマで福士蒼汰が本田翼を急いで追いかけるためにタクシーに乗ったときも、ばっちりと、シートベルトをしめていました)、喫煙のシーンを撮ることも難しくなってきた現状に、正義ばかりが叫ばれるのはいかがなものか、と警鐘を鳴らしていました。

『「殺人のシーンを映画やドラマで見せるなんて非常識だ」、と言い出しかねない。そうなると、ドラマ「相棒」のような、様々な手練手管で人を殺すシーンが映るドラマも撮れなくなっていくのではないか?そういう「正義」と自分たちは闘っていかないといけない』と締めくくっていました。

岩井監督の最新作、「リップヴァンウィンクルの花嫁」は3月26日公開です。
http://rvw-bride.com

Meet the Filmmaker

今回の対談は、「スペシャル対談」でしたが、Apple Storeでは「Meet the Filmmaker」と題した、第一線で活躍をする映画作家たちの生の声を聞けるイベントを定期的に行っており、2014年には「her / 世界でひとつのかのじょ」の監督スパイク・ジョーンズが登壇したことも。

過去のMeet the Filmmakerは、一部Podcastで配信をされており、山田洋次監督や、「舟を編む」の石井裕也監督と主演の松田龍平さんの対談などを聴くことができます。

(文:hosohana)


    ライタープロフィール

    hosohana

    hosohana

    hosohana 1984年生まれ。2児の母。 映画に携わることだけを考えて就活し、「何らかの形でPixarに関われるのでは!?」と思い某IT企業に勤務しています。至福の時は、ポップコーンとビールを手に映画を観ている時。出身は、映画のロケ支援を市を上げて行っている長野県上田市です。映画以外の趣味は、食器集めとサラダ屋さん巡り。特技は人を痩せさせることです。 好きな国はハワイとニューヨーク。NYに行った時に「アイ・アム・レジェンド」の撮影で道が閉鎖されていたり、Apple Storeで買い物をしようとしたら大好きなウーピー・ゴールドバーグがお会計の列で前にいたり、訪れると何かミラクルが起きます。

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