『女王陛下のお気に入り』男性も観るべき「3つ」の理由!原題が持つ本当の意味とは?

(C)2018 Twentieth Century Fox

本年度アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、助演女優賞、監督賞など、実に9部門にノミネートされるという、正に映画ファン注目の話題作『女王陛下のお気に入り』が、ついに2月15日から全国公開された。

18世紀イングランドの王宮を舞台にした時代物、しかも監督があの『ロブスター』のヨルゴス・ランティモスということで、かなりの期待を持って鑑賞に臨んだ本作。

アカデミー賞にこれほどノミネートされた彼女たちの演技とは、果たしてどんなものだったのか?

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ストーリー

18世紀初頭、フランスと戦争中だったイングランド。
アン女王(オリヴィア・コールマン)の幼なじみであるサラ(レイチェル・ワイズ)は、病身で気まぐれな女王のお気に入りの存在として彼女を影で動かし、絶大な権力を握っていた。ある日、没落貴族の娘でサラの従妹にあたるアビゲイル(エマ・ストーン)が宮廷に職を求めて現れる。サラの働きかけにより、アビゲイルはアン王女の侍女として仕えることになる。サラはアビゲイルを支配下におくが、実はアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を狙っていた。戦争下で政治的駆け引きが繰り広げられる中、女王の“お気に入り”になることで出世のチャンスを掴もうとするアビゲイルだったが…。

予告編

理由1:火花を散らす女優陣の演技対決が凄すぎる!

今回、アカデミー主演女優賞にノミネートされたオリヴィア・コールマンだけでなく、エマ・ストーンとレイチェル・ワイズの二人ともが、助演女優賞にノミネートされるなど、やはり女優陣の演技対決が見どころとなっている本作。

実際に今年のゴールデン・グローブ賞では、オリヴィア・コールマンが主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)に輝いているだけに、以前紹介した『天才作家の妻 -40年目の真実-』のグレン・クローズと、果たしてどちらがアカデミー主演女優賞に輝くのか? 更には、同じ映画の出演者で助演女優賞が争われるなど、その勝敗の行方が映画ファンの間でも話題になっている。

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しかも、脚本には無いアドリブ演技として披露されたエマ・ストーンの全裸シーンが登場するとなれば、これはもう男性観客も必見の作品! と言う他は無いだろう。

脚本には無かったエマ・ストーンの全裸を見て、本当に驚くレイチェル・ワイズの素のリアクションは、是非劇場で!

理由2:意外にも下ネタ満載の内容でビックリ!

18世紀イングランドの上流社会の物語ということで、お洒落で上品な内容を予想して鑑賞に臨むと、実はかなり意表を突かれる本作。

例えば、セリフの中に頻繁に登場する性的表現はもちろん、あまりにオープン過ぎて逆に笑ってしまう濡れ場シーンなど、予想外にエンタメ要素満載な本作の内容は、男性が観ても非常に楽しめるものとなっているからだ。

(C)2018 Twentieth Century Fox

特に映画の冒頭、王宮に向かう乗合馬車の中でのアビゲイルと、同乗の貴族の男との意外過ぎるエピソードは、18世紀イングランドの性に対する意識が、いかにオープンだったかを証明するものと言える。

果たしてどんなエピソードが登場するのか? それは是非劇場でご確認頂ければと思う。

理由3:実は女同士の『仁義なき戦い』だった!

女優陣の演技対決が見どころの作品でありながら、実は本作が描くのは、ズバリ“下克上”の世界!

映画の中で描かれる様に、アビゲイルを背後から蹴って土手から突き落す貴族の男のひどい仕打ちや、侍女同士の新入りに対する陰湿な嫌がらせなど、厳格な身分制度による上下関係が存在した、この時代。

その厳しい状況の中で、一度低い身分に堕ちたアビゲイルがまともな扱いを受けるためには、綺麗事を言っている余裕など無いことが観客にも分かってくる。

(C)2018 Twentieth Century Fox

この“どん底”から這い上がるために、何とか女王に自分の能力を認めさせようとするアビゲイルと、それを快く思わずに邪魔するサラ、そして自分の境遇と病状を嘆くばかりで、わがまま放題にふるまうアン女王。

優柔不断で気まぐれな女王=組長の下で、いかにうまく立ち回って権力を握るか? そのためには男の恋心まで利用し、親類の絆さえ容赦なく切り捨てる女同士の闘いは、正に東映映画『仁義なき戦い』の世界そのもの!

アン王女の“お気に入り”の座を巡って次第にエスカレートする、アビゲイルとサラの壮絶なバトルの決着と、その先で二人を待つ皮肉な運命は必見です!

最後に

120分の上映時間ながら、短い章に区切られて物語が進むため、最後まで非常に見やすく楽しめた本作。

各章毎に登場する印象的なタイトルと、果たしてそれがどんな場面で登場するのか? こうした観客の興味を繋ぐ見事な仕掛けのお蔭で、イングランド王宮を舞台にした女性の物語にも関わらず、男性が観ても全く退屈することが無いのは実に見事だった。

(C)2018 Twentieth Century Fox

しかも、どん底に落ちた上流階級の娘が、もう一度這い上がるために知力と謀略の限りを尽くして成り上がる様は、前述の通り正にイングランド王宮版『大奥』、あるいは『仁義なき戦い』そのもの!

実は、『女王陛下のお気に入り』という日本語タイトルの、どこか“ふんわり”した印象とは裏腹に、原題の『The Favourite』の訳語は「お気に入り」では無い、そう言ったら驚かれるだろうか?

そう、「Favourite」が持つ意味は、本来「一番好きな人」「最愛の人」という意味。「お気に入り」と訳してしまうと、一つではなく複数あってもおかしくないことになってしまうが、本来は「かけがえのない唯一の存在・物」を表す言葉なのだ。

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女王にとっての「かけがえの無い最愛の人」の座を巡って、激しい戦いを繰り広げたアビゲイルとサラ。壮絶な戦いの末に、果たしてどちらが勝者となったのか? そして、そこに幸せはあったのか?

「Favourite」の持つ真の意味を踏まえて映画を観ると、よりラストの余韻が深まることは確実な、この『女王陛下のお気に入り』。全力でオススメします!

(文:滝口アキラ)

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