『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』いまだからでこそ観てほしい5つの理由

BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント

(C)2016 Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

9月17日(土)より、ディズニー最新作『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』が公開されます。本作の魅力がどこにあるのか?たっぷりとお伝えします!

1.『E.T.』が好きな人は必見!スティーブン・スピルバーグ節に溢れた本格ファンタジー映画!

本作『BFG』が映画ファンにとって見逃せない理由……それは何よりも、あのスティーブン・スピルバーグが監督を手掛けているということでしょう! そして、本作は“スピルバーグファンにとって期待を裏切らない”作品であることを断言します。

なぜなら、今までのスピルバーグ作品の魅力が、これでもかというほど詰まっている作品であるからです!

(1)『インディ・ジョーンズ』なワクワクが満載!

奇想天外な“移動”の手段と、それを可能にするバリエーション豊かな“ギミック”の数々、そして“一歩間違えば一巻の終わり”なハラハラドキドキはまさに『インディ・ジョーンズ』シリーズ!特に2作目の『魔宮の伝説』らしさを存分に感じました。

(2)『未知との遭遇』にそっくりな“未知なものとの出会い”

『未知との遭遇』では、光る宇宙船が、まるでホタルのように飛んでいくシーンがあります。本作で登場する、巨人が捕まえようとしている“夢”はこの宇宙船にそっくり。幻想的で、かつ“未知”のワクワクがあるのです。

(3)『E.T.』のような“異なる者たちの友情”

『E.T.』は言わずと知れた、孤独な少年と、宇宙人との友情と成長のドラマが描かれた傑作です。『BFG』の孤児院で暮らす8歳の女の子と、愛らしい巨人が友情を育む物語は、まさに『E.T.』が現代に蘇ったような感動がありました。

また、本作はスピルバーグにとって、『フック』(1991年製作)以来となる、“25年ぶりの本格ファンタジー映画”と言ってもよいでしょう。スピルバーグがファンタジーに帰ってきたという喜びを、ぜひ噛み締めてほしいです。

スピルバーグは、本作に関してこのようなメッセージを送っています。

“小さな少女でも勇気さえあれば巨人を動かし、世の中を大きく動かすこともできる。
この作品は『E.T.』と同じく、ファンタジーを超えたリアルな感覚を盛り込んだおとぎ話だ。”

そう、本作はファンタジー映画でありながら、リアルな世界と融合した“小さな少女が世の中を変えてしまう”という要素もあるのです。たった8歳の少女が、どう行動して、世界を変えてしまうのか?それは秘密にしておきます。こうして、少年少女に特別な役目を与えていることも、“スピルバーグらしさ”を感じます。

2.じつは“ダークなおとぎ話?”

本作の原作は児童小説『オ・ヤサシ巨人 BFG』で、作者のロアルド・ダールはあの『チャーリーとチョコレート工場』の原作者としても知られています。

実は、スピルバーグが原作を気に入り、監督をしたいと思った理由の一つは“ダークな核心を持ったおとぎ話”であったことだったそうです。「怖いことを描きながらも救いがあり、誰にとっても普遍的な教訓が描かれている」とスピルバーグが語っているように、じつはゾッとするような事実が原作から描かれていたりもするのです。

具体的に“怖い”と思うことは、巨人たちが人間を“ニンゲンマメ”と呼んでおり、いとも簡単にペロリと人間を食べてしまう、人間の価値観がおよそ“家畜”と変わらない、という描かれ方をしていることでしょう。子ども向けだからといって、そうした残酷さや、世の中の真理から逃げていない作品なのです。

そういえば、ティム・バートン監督作品『チャーリーとチョコレート工場』でも、子どもたちが酷い目に合う、ギョッとしてしまう描写がありましたね。どちらも教育上とてもいい(?)のかもしれません。

ちなみに、『オ・ヤサシ巨人 BFG』の初版が発行されたのは1982年で、これは奇しくも『E.T.』の公開年と同じ。ここにも『BFG』と『E.T.』の奇妙な“縁”を感じます。

BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント メイン1

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3.似ている作品は『進撃の巨人』と『メタルギアソリッド』?

直感的に本作『BFG』に似ていると思った日本の有名作品があります。それはマンガ『進撃の巨人』と、ゲームの『メタルギアソリッド』シリーズです。

『進撃の巨人』と『BFG』はいわずもがな、巨人が出てくるということが共通していますが、それだけではありません。人間が巨人に対して“畏怖”の感情を持つだけでなく、“巨人がなぜこの世界にいるのか”という謎を問う過程や、“巨人を味方につける”という要素までもが似ているのです。

『BFG』にある『メタルギアソリッド』な要素は、“相手に見つからないように進む”という描写の数々です。序盤も序盤、深夜に巨人・BFGが人間の目から逃れるための“手段”は「そうきたか!」という驚きがあり、同時に本当に見つからないかと心の底からヒヤヒヤしてしました。中盤の、人間の女の子が“悪い巨人にギリギリで見つからないようにする”シーンの連続は、オトナであっても手に汗握るはずです。

4.“巨大さ”を感じるセットの数々も要チェック!

巨人と人間の女の子の交流を描く、という点において避けて通れないのは、その“大きさの違い”の描写でしょう。本作では、一番大きな意地悪な巨人たち用、その半分の大きさの巨人・BFG用、人間の女の子をさらに小さく見せるための特大小道具と、3種類のサイズのセットを作り上げることで、視覚的に大きさの違いを表現することに成功しています。そのおかげで、巨人の部屋ではまるで観客自身が小さくなってしまったような、摩訶不思議な感覚を得ることができるのです。

ファンタジー映画ならではの、美しく、幻想的な画も魅力のひとつ。女の子と巨人が“夢”を捕まえに行く“夢の国”の靄に包まれた大地、湖に映るたくさんの光、そしてオーロラをバックにした“樹”の美しさ……忘れられない光景が、そこにはありました。

5.夢を忘れたオトナにこそ、観て欲しい

実は、心優しい巨人のBFGには、大切な仕事があります。それは子どもに夢を吹き込んであげる、ということでした。詳しくは秘密にしておきますが、本作ではなぜ(夜寝るときに見る)夢が大切であるのか、そして夢によってどんな幸せが訪れるか、ということも教えてくれます。

この夢は、原作小説ではさらにたくさんのバリエーションが描かれています。映画の後でも前でも、原作を読んでみるとさらに『BFG』という作品が好きになれるでしょう。

そして、巨人のBFGというキャラクターは誰もが大好きになれるはずです。他の悪い巨人にいじめられていて、しょっちゅう“言い間違い”をしていて、不器用だけど紳士的で、心優しいというBFGはとことん愛おしく、同じく孤独な人間の女の子との交流はどこまでも微笑ましく、心の底から応援したくなりました。

なお、BFGを演じたのは『ブリッジ・オブ・スパイ』でソ連の老スパイを演じてアカデミー助演男優賞を受賞したマーク・ライランス。そのにこやかな顔つきをみるだけで、こっちも笑顔になってしまうという名演を見せてくれました。

人間の女の子・ソフィーを演じたルビー・バーンヒルも、10歳とは思えないオトナ顔負けの、活発な演技を見せてくれます。きっと、お子さんが観れば彼女に感情移入できることでしょう。ちなみに、日本語吹き替え版では本田望結ちゃんが彼女の声を演じていますよ。

まとめ.スピルバーグ監督の集大成、“ベスト盤”と呼ぶべき内容だった

2016年は『ズートピア』、『アイアムアヒーロー』、『シン・ゴジラ』、『君の名は。』など、国内外問わず、過去作品の優れた要素がありながらも、革新的な魅力を持つ傑作が多数公開された年でした。

しかし、本作『BFG』はいい意味で革新的ではないと感じました。とことん保守的に、“冒険のワクワク”や““異なる者たちの友情”など、娯楽映画の原点と言える要素を突き詰めた作品なのです。

これは欠点ではなく、“あえて”の作風なのでしょう。児童文学の名作を、スピルバーグ作品として、いまできる最高の方法でよみがえらせることに意義がある。そこには一切の“余分なもの”などなく、スピルバーグの“ベスト盤”と言える作品に仕上がっているのですから。

ぜひ、『BFG』はご家族で観に行ってほしいです。映画の楽しさ、おもしろさが詰まっているというスピルバーグ作品の魅力を、親御さんたちは再発見し、お子さんたちは初めて触れることができるでしょうから。

かつてスピルバーグの作品に夢中になったオトナたちは、絶対に劇場で観ましょう!きっと、“素敵な映画を観た”という、幸せな気持ちでいっぱいになるはずです。

(文:ヒナタカ)

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