映画コラム

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2017年02月04日

傑作バイオレンス映画「グリーンルーム」、地獄と化した楽屋から、どう脱出する?

傑作バイオレンス映画「グリーンルーム」、地獄と化した楽屋から、どう脱出する?

グリーンルーム 新ビジュアル


(C)2015 Green Room Productions, LLC. All Rights Reserved.



昨年の「したまちコメディ映画祭」での「映画秘宝祭り」で先行上映され、その独創的なアイディアと過激なバイオレンス描写で、公開前から既に話題の映画、それがこの「グリーンルーム」だ!

敵に囲まれて逃げ込んだライブハウスの楽屋、果たしてそこからどう脱出して生還するのか?

この設定だけでも相当楽しみな本作を、2月11日からの全国公開を前に、今回は一足先に鑑賞させて頂いた。
実は鑑賞前の印象では、「主人公達が演奏する曲に怒って、暴徒と化した観客から逃れるために楽屋に立てこもる!」、そんな映画だと思っていたのだが・・・。

さあ、果たしてその出来はどうだったのか?

予告編




ストーリー


売れないパンクバンド「エイント・ライツ」がようやく出演できたライブ会場は、なんとネオナチの巣窟だった!
運悪く舞台裏の殺人現場を目撃してしまったバンドメンバー達は、全員命を狙われるはめに。圧倒的に不利な状況の中、楽屋に閉じこもったメンバー達は知恵と反骨精神を武器に、ネオナチ軍団に立ち向かう!(プレス資料より)


グリーンルーム メイン


(C)2015 Green Room Productions, LLC. All Rights Reserved.



若くしてこの世を去った俳優、アントン・イェルチンの遺作!


本作の主演は、リブート版「スタートレック」シリーズの航海士チェコフ役で知られる若き名優、アントン・イェルチン。惜しくも昨年の6月に不慮の事故で亡くなってしまった、彼の遺作となる本作。偶然にも同じくスタートレックのピカード艦長役のパトリック・スチュワートが共演しているのも、今となっては何か因縁を感じさせる。

絶対的に不利な状況の中でも決して諦めず、知恵と工夫、そしてパンク精神で立ち向かう主人公には、彼はまさに適役と言えるだろう。

一見線が細く暴力とは無縁に見える彼を起用したことで、本作での極限状況からの脱出に緊迫感と絶望感を与えているからだ。

果たしてだれが生き残るのか?全く予想がつかないその展開!是非劇場でハラハラドキドキしながら、見て頂きたいと思う。

グリーンルーム サブ


(C)2015 Green Room Productions, LLC. All Rights Reserved.



本作の見所、それはこだわりのバイオレンス描写にあり!


往年の名作「わらの犬」を思わせるそのシチュエーションだが、そこは現代らしく最新のCG技術により、より血みどろの残虐描写が展開するのが、本作の魅力の一つとなっている。

切り刻まれる腕や刺さるナイフ、流れるどす黒い血など、観ていて「うわ、それ痛い!痛いって」と、思わずにはいられないリアルな描写で観客に迫ってくる!

特に、切り刻まれた腕をある方法で応急処置するのだが、そこは「あ、なるほど!」と思いつつも、あまりに乱暴で痛い描写に、思わず目を逸らしてしまった程だ。

これを読んだあなたが、もしも女性と一緒に見に行く場合は、ちょっと注意が必要かも?とだけ言っておこう。

グリーンルーム サブ


(C)2015 Green Room Productions, LLC. All Rights Reserved.



最後に


鑑賞前の予想とは違って、主人公達が襲われる理由がちゃんと明確に説明されており、敵側もビジネスとして組織化されているので、「ホステル」のように人の命を弄ぶとか、「悪魔のいけにえ」の様に無差別に殺すとか、そういう性質の内容では無いことは、鑑賞前に認識しておいた方が良いだろう。

実際、想像以上にアクション・スリラーの要素が多く、最近のヒット作「ドント・ブリーズ」にハマった方には、より楽しめることは間違いない!

果てしなく続く殺戮の果てに待つのが、生き延びた喜びでも脱出の達成感でも無く、疲労感とやり切れなさだけという、本作のラスト。
果たして誰が生き残るのか?どうやって外に脱出して助けを求めるのか?

あなたも是非劇場に足を運んで、主人公たちの地獄からの脱出行に同行してみては?

「グリーンルーム」は、2017年2月11日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー公開!

監督・脚本:ジェレミー・ソルニエ『ブルー・リベンジ』
出演:アントン・イェルチン(『スター・トレック』シリーズ)、イモージェン・プーツ(『マイ・ファニー・レディ』『28週後...』)、パトリック・スチュワート(『新スタートレック』『X-MEN』)、メイコン・ブレア(『ブルー・リベンジ』)


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(文:滝口アキラ)

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