金曜ロードSHOW!谷生プロデューサー独占インタビュー1、バルス祭りやジブリ作品への思いとは?

シネマズ編集長の柳下修平です。金曜ロードSHOW!で「2週連続冬もジブリ」と題して1月15日に『天空の城ラピュタ』、1月22日に『魔女の宅急便』が放送されます。

シネマズでは金曜ロードSHOW!の谷生俊治プロデューサー(編成局総合コンテンツ部主任)への独占インタビューを行い、放送決定の経緯、バルス祭り、ジブリ作品への思いなどを語って頂きました。

インタビューの内容は2記事に分けさせて頂き、今回は「天空の城ラピュタとジブリ作品への思いについて」。次週に「魔女の宅急便とこれからの金曜ロードSHOW!について」を掲載させて頂きます。

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© 1986 二馬力・G

インタビュー

── まずは金曜ロードSHOW!のプロデューサーのお仕事を簡単に教えて下さい。

谷生俊治(以下、谷生) プロデューサーとして主に行っているのは「作品の購入」、「いつ何をかけるかという編成(番組ラインナップ作り)」そして「作品の戦略(どうやって視聴率を取っていくか)」です。

金曜ロードSHOW!で映画を放送するには映画会社から作品を購入するということが必要。まずどういった作品を、どのタイミングで流すか、どうやって買っていこうか、その「作品購入」というのをまずはやります。

そして実際に映画会社さんと交渉して、作品を購入して、その後どのタイミングでかけるかという「編成」、つまり「番組ラインナップ」を作っていきます。

具体的にいつ何を放送するかが決まったら、今回のように「2週連続冬もジブリ」というような宣伝戦略を練っていきます。それに合わせた作品のPRスポット(予告映像)をその後作っていきます。宣伝戦略は非常に重要で、どういうスローガンで、どういう層に向けてアピールするか、どういう宣伝文句でいけばその日の視聴率獲得ができるか、そういった戦略をしっかりと練っていきます。

── 1月のこのタイミングでの2週連続ジブリ作品放送へ至った経緯を教えて下さい。

谷生 複数週に渡り、デジタルコンテンツも込みで「祭り」の気分を盛り上げていく手法があります。ジブリ作品で言うと、単発でかけることも無くはないですが、基本的にはあるシーズンで2週以上の連続で編成するというのが最近の傾向です。ジブリという強力なコンテンツはその「祭り」感に相応しいものでもあるので。

今回この1月のタイミングでジブリ作品の「祭り」をやろうと思った時、複合要因で『天空の城ラピュタ』と『魔女の宅急便』に決まりました。

前回の放送からどれくらい経ったのか、視聴者の方へ楽しんで頂けるかなど様々考える中で、『天空の城ラピュタ』というジブリ作品の中でも非常にコンテンツ力がある作品がまず上がりました。そこに久しく放送をしていない『魔女の宅急便』を組み合わせると、強烈な「冬のジブリ祭り」が作れると思いました。

1月の寒い時期は在宅率が上がる傾向にもあります。そういった季節柄も考慮に入れています。もちろんその他にも様々な総合的な判断や理由も存在はしています。

── 金曜ロードSHOW!で力を入れているデジタルコンテンツについて教えて下さい。

谷生 デジタル企画は私自身も総合的に担当をしています。金曜ロードSHOW!の公式ホームページには「金曜ロードシネマクラブ」(https://kinro.jointv.jp/)というものがあります。毎回放送時間中にログインして頂ければ視聴ポイントというものを獲得できるようになっています。

ポイントが貯まると映画の完成披露試写会への招待券や映画グッズなど様々なプレゼント企画へ応募ができるようになっています。映画が好きで金曜ロードSHOW!をいつも見られている方は是非ご活用してほしいと思います。

金曜ロードSHOW!ではSNSの運用にも力を入れています。

Twitter https://twitter.com/kinro_ntv

facebook https://www.facebook.com/kinro.ntv/

SNSに関しては私が来てから(2012年)本格的に開始をしました。今では日本テレビ内でも有数のフォロワー数がいるものに成長させることができました。宣伝戦略の一環として、こういうものもしっかりと駆使して放送を盛り上げていくようにしています。

スタジオジブリさんも最近はデジタルコンテンツに非常に積極的、協力的です。今回もそのおかげで、番組特設サイト(https://kinro.jointv.jp/ghibli2016/)を制作することができました。近年のデジタルが持つ拡散力はスタジオジブリさんも大変よくわかっていて、非常に協力的です。

── ラピュタを放送すると決まってから金曜ロードSHOW!の部署として特別な盛り上がりはありましたか。

谷生 仕事な部分があるので、正直淡々とはするように心がけています。ただしっかりやろうという意識はより強かったりもします。やはり『天空の城ラピュタ』は非常に強いソフトです。重要なソフトだからこそ、どのタイミングで放送するかは大きな意味を持ってきます。年間の中で、『天空の城ラピュタ』をどのタイミングで置こうかというのは非常に大きな作業です。そういった大きな作業だからこそ「やった!ラピュタだ!」みたいな感じには社内ではなりません。

その上で、「バルス」という社会現象化している盛り上がりがあるソフトなので、より盛り上げていきたいという思いから様々なアイディアは飛んできます。今回も社内から「バルス」に関して盛り上がりを作れるのではないかという提案があって、それを検討して、スタジオジブリさんとも話をして、元々のデジタル企画にプラスして「バルスの時刻予想企画」(http://balus-yosou.jp/)というものをやろうという話になりました。

「バルス予想サイト」イメージ画像

── 今回の『天空の城ラピュタ』の放送や「バルス祭り」へ期待していることを教えて下さい。

谷生 日本テレビとして今回今までで一番「バルス祭り」へと注力をしています。その意味で非常に注目をしています。総合的に今回の放送を盛り上げるために、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーへインタビューもしました。

「バルス祭り」に関しては、金曜ロードSHOW!という公式である存在が、どこまで積極的にコミットしていくべきかはとても慎重に考えました。変にはしゃぎ過ぎるわけにもいかないですから。

だからといって無視するものでもないかな、と。今テレビの映画番組は非常に厳しい状況に置かれています。現在これだけデジタル映像コンテンツ(DVD/Blu-rayからHuluなどのストリーミングまで)が溢れる中で、テレビの前に2時間座ってテレビ番組を視聴してもらうというのは結構なことなのです。様々な制約を振り払ってテレビを見てもらうからには、やはり付加価値を付けていかなければならないわけです。

だからこそ冒頭でもお話した「祭り」と捉えて、「祭り」の気分を公式が盛り上げていくこと、「バルス祭り」へもコミットしていくことがとても重要だと思います。それが創り出せれば、DVD/Blu-rayを持っていてもテレビ放送を見てくれるのです。その瞬間に見る意味、同じ時間に多くの人と同時に見る意味、それを突き詰めていくことが重要だと思っています。それをしっかりと続けていくことが生き残っていくための、1つの武器なのではないかと信じています。

特設サイト(https://kinro.jointv.jp/ghibli2016)では「バルスの時刻予想」や「もっと観たくなる驚きの情報」など様々なコンテンツを用意しています。データ放送でもその瞬間にしか楽しめないものを揃えています。是非放送を見ながらデータ放送をチェックしたり、スマートフォンやタブレットなどのサブスクリーンで特別なコンテンツを楽しんで「フルパッケージ」で今回の放送を楽しんで頂きたいです。

「フルパッケージ」を楽しんで頂いて「1月15日に『天空の城ラピュタ』を見た」という思い出の視聴体験を作っていければと思います。前回以上に仕掛けを多く用意しているので、とにかく様々なものをご利用いただいてネット上でも今まで以上の大きな盛り上がりになれば嬉しいです。

── スタジオジブリ作品についての思い入れなどありましたら教えてください。

谷生 映画というものは作られてからずっと残るものですが、テレビで何度も何度も、何年も何年も放送し続けられる作品はそう多くはないのです。というかあまりないです。

そんな中でスタジオジブリの作品は、何度も何度も放送して、それでも多くの人に支持され続けています。そのこと自体がとても凄いことなのです。もちろんそこには理由があって、これだけ多くの人が、しかも世代を超えて、支持をし続けている作品は間違いなくそれだけの魅力があるということです。

だからこそ我々はこれからも引き続き、金曜ロードSHOW!を通してその魅力を届け続けていきたいです。当然今回初めてご覧になられる方もいらっしゃると思います。そういう方には、「これだけ長く愛されている作品とは何なんだろう」という探求も含めて是非楽しんでほしいです。

見たことある方にも、デジタル企画等で新しい価値を付けて私たちは届けていきますので、そこからまた新しい魅力を発見してほしいです。

今回の「2週連続冬もジブリ」をきっかけに、スタジオジブリ作品に触れて頂き、何か心に残るものがきっとあると思うので、それをどんどん広げて何かのきっかけのなったら良いなと願っています。

── 最後になりますが、谷生さんが一番好きなスタジオジブリ作品を教えてください。

谷生 これ言っちゃっていいのかな(笑)(良いそうです)

難しいなあ・・・ラピュタが一番好きですね。かぐや姫とかも好きですね。

・・・1つ選べと言われれば!ラピュタです!実は!

インタビュー後記

インタビューを実施したのは放送二日前の水曜日でした。お忙しい中にも関わらず気さくに丁寧にご質問へお答え頂き感謝申し上げます。

「バルス祭り」という現象が過去に何度か起きた上での今回の『天空の城ラピュタ』の放送。その放送の裏では、金曜ロードSHOW!チームの「テレビ放送だからこそ視聴者に楽しんでほしい」という熱き思いが詰まっていると実感しました。

そしてテレビにおける映画番組が如何に大切であり、守っていくべきものなのかを痛感しました。ウェブメディアの編集長として、何か今後できることはないか、真剣に考えていかなければならないとも思いました。(しっかりやります!)

今回の放送に当たって特設サイトには様々なコンテンツが用意され、データ放送でも仕掛けが用意されています。様々なコンテンツを「フルパッケージ」利用して、今回の『天空の城ラピュタ』の放送を存分に楽しみましょう。

次週の金曜日は「金曜ロードSHOW!谷生プロデューサー独占インタビュー2、魔女宅をより楽しめる新たなる仕掛けと金曜ロードSHOW!への思い」(仮題)をお届けします。どうぞお楽しみに。

(取材・文:柳下修平)

    ライタープロフィール

    柳下修平

    柳下修平

    シネマズby松竹編集長、1986年生まれ、今年で30歳。個人ブログ「Cinema A La Carte」も運営。映画イベント「映画の食事会」主催や幻冬舎「Ginger」及び「Spark Ginger」で映画コラム連載も。ブロガーメルマガEdge Rank執筆メンバー。映画以外ではカメラと旅行が趣味。

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