映画コラム

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2016年05月07日

『ズートピア』、字幕版と吹替版の違い完全まとめ!

『ズートピア』、字幕版と吹替版の違い完全まとめ!


5.字幕版と吹き替え版ではニックのなぐさめかたが違う!


ニックが泣きじゃくったジュディを抱き寄せて、頭をなでながら慰めていたときのセリフも、字幕版と吹き替え版で異なっています。

字幕版:『ウサギ族は泣き虫だからなあ(Okay, oh you bunnies, you're so emotional.)』

吹き替え版:『本当がんばるんだから』

字幕版でのニックのセリフは、ウサギという“人種”を指しているようでいて、じつはジュディの“人柄”をみている言葉になっています。
皮肉屋のニックの“らしさ”が出ていて、もう惚れそうでした。

一方で、吹き替え版でのニックのセリフは、“ジュディのがんばりをわかってあげているセリフ”に。
これも大好きです。森川智之さんのイケメンボイスがたまらん!

6.“Try Everything”の合いの手ではスペイン語が使われていた!


本作のラストでは、ズートピアの有名人である“ガゼル”が主題歌である“Try Everything”のライブを行い、いままでの登場人物みんなが踊っていました。

ここでガゼルを演じていた歌手のシャキーラが「前脚を上げて!」などと“合いの手”を入れています。
吹き替え版ではこの合いの手は日本語でしたが……じつは原語では、英語と、スペイン語を交互に叫んでいたのです!

なぜスペイン語でも合いの手を入れていたのかと言えば……シャキーラがスペイン語を公用語とするコロンビアの出身であったことと、アメリカに住んでいるヒスパニック(スペイン語を母国語とする移民たち)にも合いの手を求めていたからなのではないでしょうか。

ヒスパニックの人々と、そうではない人々の間には、言語のほかさまざまな問題があり、いまでも仲違いをしているほか、社会的分裂が問題視されています。
最後にシャキーラが英語とスペイン語それぞれで合いの手を求めていたということは、それぞれの多様性を認め合い、仲良くしてほしいということ……まさに『ズートピア』で語られたテーマそのものが訴えかけられていたのです。

まとめ


なお、『ズートピア』にはこれ以外にも、吹き替え版、字幕版、それぞれの声優の魅力もたっぷりあります。

吹き替え版では森川智之さんのほか、ライオンハート市長役に玄田哲章さん、ボゴ署長役に三宅健太さん、ベルウェザー副市長役に竹内順子さんと、実力と人気を兼ね備えた声優が名を連ねています。
ジュディ役の上戸彩さん、クロウハウザー役のサバンナの高橋茂雄さん、キャスター役で登場する芋洗坂係長も、役にあっていてじつにうまい!

字幕版の声優で注目なのは、ライオンハート市長役のJ・K・シモンズでしょう。よくよく聞いてみると「『セッション』の鬼教師役だ!」と気づけるところが多々ありますよ。

ぜひ2回目以降の鑑賞では、それぞれの違いを楽しんでみてください!

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(文:ヒナタカ

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