インタビュー
市川染五郎「シネマ歌舞伎面白い」歌舞伎NEXT『阿弖流為(アテルイ)』初日舞台挨拶
市川染五郎「シネマ歌舞伎面白い」歌舞伎NEXT『阿弖流為(アテルイ)』初日舞台挨拶
6月25日(土)よりシネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 阿弖流為(アテルイ)』が公開され、同日、初日舞台挨拶が東銀座の東劇で開催され、主演の歌舞伎俳優・市川染五郎、脚本家の中島かずき氏、劇団☆新感線主宰で演出のいのうえひでのり氏が登場しました。
この日、歌舞伎座から出番を終えて登壇した市川染五郎は「昨年、歌舞伎NEXT『阿弖流為(アテルイ)』が誕生し、本日、シネマ歌舞伎『阿弖流為(アテルイ)』が新たに誕生しました。この作品は舞台で上映されいろんな思い出があります。これが新たに映画に生まれ変わって、見てみるとシネマ歌舞伎の方が面白いと思いました。本当に映画でもなく舞台でもない、シネマ歌舞伎と言う新しいジャンルでございます。」と冒頭の挨拶。
シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 阿弖流為(アテルイ)』は染五郎が長年温めてきた題材で2002年に劇団☆新感線と染五郎がタッグを組んで上演され、昨年、歌舞伎化され東京、大阪で大ヒットした同作品。『阿弖流為(アテルイ)』の歌舞伎化のキッカケを聞かれた染五郎は「今は『六本木歌舞伎』はあるわ『超歌舞伎』っていうのはあるわ『滝沢歌舞伎』はあるわ、いろんな歌舞伎があります。『阿弖流為(アテルイ)』はいつか歌舞伎にしたいなと思っていた作品。それを劇団☆新感線さんのテイストで出来たらカッコいいだろうなと思ってお話ししたところ、2002年に『いのうえ歌舞伎』として上演することになりました。それからいろんな作品をやらせていただいて、次はどういう展開になるのだろうかというのは考えていまして、そこにはやはり歌舞伎があるんじゃないかと思い、そこから『阿弖流為(アテルイ)』の歌舞伎化に向かったということでしょうかね。」とコメント。
演出のいのうえ氏は「以前、劇団☆新感線と染ちゃんのコラボレーションがあって、しばらく空いたんですよね。その時、次やる時は歌舞伎だろうと。新感線の作品というよりは歌舞伎をやっていくべきなんだろうとはなんとなく思ってて、そこで浮かんだのが『阿弖流為(アテルイ)』だった。猿翁さん(当時の市川猿之助)が阿弖流為(アテルイ)をご覧いただいた時に、これはギャグを抜けばすぐに歌舞伎になるよ。と言われて」と当時の秘話を披露。
脚本の中島は「歌舞伎にする時に全部ギャグを抜いたら脚本が半分くらいになった。メインキャストの3人が決まったところで中村屋の味としてもうちょっと人情話は入れようと思った。」とコメントしました。
2002年版と2015年版の『阿弖流為(アテルイ)』の脚本を比べてどのような印象がありますか?との問いに染五郎は「新作のつもりで作るんだという感覚でいました。印象に残っているのは堤さん(前回、坂上田村麻呂を演じた堤真一)と両花道で相対して名乗りあって花道を歩くっていうのは自分としては毎日興奮してました。それを今回、勘九郎くんと出来るっていうことが何より嬉しかったです。」とコメント。
シネマ歌舞伎については「すごく面白い。舞台っていうのは記録としては残りますが、芝居を観る感覚とは違うので、舞台が残る方法があったんだって感じました。去年やった作品ですけど、10年後くらいにまた観たら不思議な錯覚になりそう。10年前の自分を今、生で見ているような感覚になるんじゃないかと思ってます。」とその魅力を語ってました。
脚本の中島氏は「僕は後ろの方でしか見てないんでアップとか分からないんですよね。それが本番の時に彼らがこんな芝居しているのかって言うのが手に取るように分かるし、あとは所作の綺麗さがクローズアップした時に活きたりとか、萬次郎さんの爪とかね(笑)毎日変えてましたからね。」とコメント。
舞台演出の時と映像化される時の演出についていのうえ氏は「この芝居の(とある)見せ場の一つなんですけど、あのシーンは自分で作ってて見事だなと思いました(笑)映像で七之助くんの顔を見た時に「こんな顔してるんだ!」ていうね。改めてシネマ歌舞伎で観て、その迫力を感じています。」とコメント。
最後に染五郎は「『歌舞伎NEXT 阿弖流為(アテルイ)』は僕にとって思い出の強い作品。カメラの台数も19台とシネマ歌舞伎では一番多い台数を使ってます。舞台を映像で映すという今までなかったものが誕生したので、たくさんの方に見ていただきたいと思います。」と初日舞台挨拶を締めくくりました。
シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 阿弖流為(アテルイ)』は6月25日(土)より東劇はじめ全国で公開中です。
シネマ歌舞伎公式サイト:http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/
https://www.youtube.com/embed/ZeyZE0Puurc
(取材・文:東京散歩ぽ 中川マナブ)
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