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『SCOOP!』は福山雅治がゲス野郎を演じる超娯楽作!その5つの魅力とは?

SCOOP! 福山雅治

(C)2016「SCOOP!」製作委員会


上映中の『SCOOP!』は『モテキ』や『バクマン。』の大根仁監督作品、そして福山雅治が中年パパラッチを演じているということで、大きな話題を集めている映画です。ここでは、『SCOOP!』(以下、本作)の魅力がどこにあるのかをたっぷり書いてみます。大きなネタバレはありません。

1.福山雅治があんなことも!こんなことも言っちゃう!


まずなんと言っても注目すべきは、あの福山雅治が、下ネタ全開で喋りまくる、ゲス野郎を演じていること!

そのセリフを抜き出すだけでもヒドすぎます(褒めています)。

例えば「俺は新車と処女以外は乗らないんだよ」とか「ヤ◯マン最高〜」とか「モモパイ最高!アッハイ!」などなど……それがおもしろくて仕方がないのです。

しかも、そのゲス野郎とタッグを組む新人記者を演じるのは、いまや日本映画界に欠かせない存在となった二階堂ふみです。セクハラオヤジと化している福山雅治とのコンビになるなんて……それだけで二階堂ふみファンは必見でしょう。

2人の掛け合いの中で特に大笑いしたのは、ある仕事が成功して、車の中で“いきなりキス”をした時の“言い訳”ですね。もうこの時は福山雅治がいかにイケメンであろうとも「ダメだこいつ!」と思ってしまいました。

なお、福山雅治はラジオ番組“オールナイトニッポン”でも「俺は火星人(仮性包茎)ですから、火星人であることを恥ずかしいと思わない」とか「俺はオ◯ニーの神様の子ども、マーラ・ダンコーン!」とか、下ネタを連発していたりしていました。本作で喋る下ネタも“素”なんじゃないかと疑ってしまいますね(失礼な発言)。

なお、本作のオープニングは福山雅治がアレをヤっているシーンとなっています。大根仁監督によると、脚本段階ではただの張り込みだったのに、福山雅治本人がこのシーンに変えるように申し出たのだとか……こんな過激なシーンを初めに持ってくるなんて、“汚れ役”を演じることに超ノリノリだったようですね。



(C)2016「SCOOP!」製作委員会



2.これは現代版『レオン』?派手なアクションもあるぞ!


本作のあらすじを端的に書くならば、「パパラッチの仕事に新人の女性記者がついていくが、その仕事は道義的に“最低”だった」というものです。

人の道から外れた仕事をしていくうちに、歳の離れた男女がお互いのことを頼り合い、自らも成長し、やがて強い絆で結ばれていくという物語は、リュック・ベッソン監督による1994年の映画『レオン』を思い出しました。

ちなみに、本作は日本が舞台であるにも関わらず、カーチェイスや銃撃戦、(カメラ)スコープでターゲットを狙うといった、ハリウッド映画的なアクションも存分に展開したりもします。そうしたシーンでも、福山雅治と二階堂ふみが抜群のコンビネーションを見せたり、はたまた間抜けな掛け合いが始まるのですから、“バディもの”としてのおもしろさも格別なものがありました。

『レオン』を連想したシーンがもう1つ。それは仕事に向いていないと思われていた新人が、その“才能の片鱗”を見せていくことです。例えば、二階堂ふみがホテルに現れた芸能人に放った言葉、それに対する福山雅治の“反応”に注目してみることをお勧めします。

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(C)2016「SCOOP!」製作委員会



3.リリー・フランキーの怪演を見逃すな!


福山雅治と二階堂ふみが魅力的なことはもちろんですが、さらに注目すべきはリリー・フランキーの存在感です。大根仁監督の『モテキ』と『バクマン。』では編集長を演じていましたが、なんと今回は浮浪者のような見た目の“町の情報屋”に扮しています。

ネタバレになるので詳細は記しませんが、中盤の“ある行動”には大笑い、いや、“ちょっとの恐怖込み”での爆笑をしてしまいました。しかも、クライマックスで“ああなる”とは……キャラクターが予想もしない行動を取る、というのも本作のおもしろさです。

なお、リリー・フランキーと福山雅治が2人で会話をしている時、並んだ麻雀牌を見て「不吉だねえ」と言うシーンがあります。その時の役は“九蓮宝燈”で、これは“九蓮宝燈でアガると早死にする”という都市伝説を示しているのでしょう。この不吉のしるしがどうなるかは……最後まで観て確認してください。

そのほかのキャストも、敏腕女性編集者となった吉田羊、確かな信念を持つ編集者の滝藤賢一などと豪華かつ魅力的。さらに、階段の踊り場で嫌味を言った文芸誌の編集長は『鉄男』や『野火』の監督としても知られる塚本晋也だったり、パパラッチのターゲットにされる若手政治家は斎藤工だったりします。劇中では、斎藤工のセクシーショットも観られますよ!



(C)2016「SCOOP!」製作委員会



4.大根仁監督は現代のパパラッチをリサーチしまくっていた!


本作の原作は、原田眞人監督による1985年のテレビ映画『盗写 1/250秒』ですが、DVD化はされておらず、レンタル店で観るのはほぼ不可能となっています(記者も観ていません、ごめんなさい)。大根仁監督のインタビューなどを読むと、どうやらオリジナル版での宇崎竜童と原田芳雄が演じた役を主役のキャラに統合した以外は、ほぼオリジナルの展開そのままをなぞっているようです。

ただし、大根仁監督は『盗写 1/250秒』を現代に置き換えて映画を作らなければならないということで、7、8年前から写真週刊誌の事件を保存して集めたり、実際の張り込み現場にも同行するなどして、“現代の写真週刊誌ならでは”のリアリティの追求をしていたそうです。

劇中のパパラッチの作戦も、多少のデフォルメはされてはいるものの、現実にあったものがほとんどなのだとか。例えば劇中で、スーパーで芸能人のカップルのツーショットを撮るシーンでは、顔を撮らないと意味がないため“わざと物を落としてその音で振り返らせる”という、実際に聞いたことを演出に取り入れたそうです。

さらに、劇中の「いまどきタバコを吸える編集部なんてないよ!」「なんでその世代の人たちは野球で例えるんですか!」というセリフは、『盗写 1/250秒』にあった描写に対しての“現代だからでこそのツッコミ”になっているそうです。

そのような映画作りが行われた結果、本作は“現代の仕事の裏側を知ることができる”おもしろさに満ちています。『モテキ』および『バクマン。』でも思ったことですが、編集部という場所は、室内の独特の空気、その雑誌や媒体らしい“人間性”がしっかり見える場所だとわかる……これも大根仁監督の徹底したリサーチの賜物でしょう。

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(C)2016「SCOOP!」製作委員会



5.報道の道義を問う物語だった


パパラッチを題材としていますので、どうしても本作はダン・ギルロイ監督による2014年の映画『ナイトクローラー』を彷彿とさせます。どちらの作品も、パパラッチの仕事が見下されていること、それでも主人公がその仕事に熱をあげていく、ということは共通しているのですが、物語の終着点はまったく異なっています。

本作で訴えられているのは“(パパラッチを含めた)仕事の道義や倫理性”です。パパラッチや写真週刊誌の仕事はただでさえ「ただただ有名人を不幸にさせている」などと批判を浴びることが多いのですが、一方で人々は“好奇心”によりその報道に耳を傾け、世間話をしたり、SNSに投稿したりもします。有名人の不幸や“知られたくないこと”を記事にして、それを人々がおもしろいと思い、話題にする……確かにある意味で、その仕事は人間の嫌〜な部分をもっとも見せつける仕事なのかもしれません。

しかし、報道に興味を示すこと、好奇心はただの“知りたい”という気持ちであるのですから、決して“悪”ではありません。その報道をする写真週刊誌やパパラッチの仕事も単純に“悪”とは言えないでしょう。

本作では“報道そのものをするべきか否か”いう問題を、終盤のとある展開でつきつけてきます。そこでの答えが明確ではなく、観客それぞれが考えるべきものになっているのは、本作の美点でしょう。ぜひ、観た人それぞれが考えてみてください。

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(文:ヒナタカ)
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