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ミステリーからハードボイルドアクションまで!電車内から展開する物語4選
ミステリーからハードボイルドアクションまで!電車内から展開する物語4選
『ガール・オン・ザ・トレイン』より (C)Universal Pictures
ポーラ・ホーキンズのベストセラー小説を映画化する『ガール・オン・ザ・トレイン』が2016年11月18日より公開となる。
本作は、NYタイムズベストセラーにて21週No.1&88週ランクイン、サンデー・タイムズ・ベストセラー(UK)にて30週No.1&66週連続ランクインの驚異の記録を打ち立て、50ヵ国で累計1500万部のベストセラーとなったポーラ・ホーキンズのミステリー小説『The Girl On The Train』を基に映画化する作品。
主人公・レイチェルを熱演するのは、『プラダを着た悪魔』のエミリー・ブラント。さらにレベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット、ルーク・エヴァンスらが脇を固める。メガホンをとるのは『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』のテイト・テイラー監督。
電車内からの出来事がきっかけで展開する物語
本作は、通勤電車の窓から“理想の夫婦”を目撃したことからストーリーが展開していくミステリー作品となっている。
電車内での出来事をきっかけに物語が展開していく映画は、ミステリーからハードボイルドアクションまで様々なジャンルで古くから製作されている。日本でも『交渉人 真下正義』といったサスペンスから、『電車男』のようなラブコメディーなど数多くの作品が存在し、話題を集めてきた。
そこで、今回は“電車内から展開する物語”に注目して、その中から4作品をピックアップして紹介する。
愛を清算するために乗り込んだ夜行列車に、まさかの殺人犯が同室!?
ポーランド不屈の名作!『夜行列車』
『夜行列車』(1959)
『夜行列車』は、イェジー・カワレロウィッチ監督による夜行列車に乗合せた人々のさまざまな人生模様を描いたドラマ。年下の男との恋を逃れるため、旅に出た主人公マルタ(ルチーナ・ウィンニッカ)が、ワルシャワからバルチック沿岸に向かう夏の週末の夜行列車に乗り込むことで物語が動き出す。
乗客には牧師、弁護士、医師、新婚カップル、不眠症に悩む男などいろいろ。彼女を追う恋人も乗客にいる中で、1人の殺人犯が紛れ込むことで起きる波紋をサスペンス豊かに描きながら、それぞれの人生を鋭くあぶりだす。
アメリカのジャズの大御所であるA・ショーの“ムーン・レイ”を、ポーランド・モダンジャズの第一人者A・トシャコフスキーが編曲したスキャットのテーマが気怠いムードを煽り立てる。ラスト、終着駅の列車の窓に拡がる北国の夏の海辺の光景が寂寥として美しい作品だ。
元祖“ミステリートレイン”!『オリエント急行殺人事件』
『オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション』(1974)
『オリエント急行殺人事件』はアガサ・クリスティの同名小説を映画化した作品で、シドニー・ルメット監督を務めた。
物語は、私立探偵エルキュール・ポアロが、新しい事件のためオリエント急行で急遽ロンドンに向かうことではじまる。出発して2日目の夜、雪のために列車はバルカン半島内のある場所で停車してしまうのだが、その翌朝、一等車に宿泊していた裕福なアメリカ人の乗客ラチェット・ロバーツが死体で発見される。
名探偵ポワロの謎解き、オールスターキャスト、豪華列車の旅情など、傑作ミステリー小説が優雅な娯楽映画へと生まれ変わった本作。
1974年11月24日に北米で公開された本作は、アメリカ国内でおよそ3500万ドルの興行収入という大ヒットを遂げる。同年度の第47回アカデミー賞では、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞、撮影賞、作曲賞、衣装デザイン賞の6部門でノミネートされた。本作でイングリッド・バーグマンは助演女優賞を受賞した。
クエンティン・タランティーノ監督に影響を与えた、
ハードボイルドアクション『サブウェイ・パニック』
『サブウェイ・パニック』(1974)
『サブウェイ・パニック』は、1974年にウォルター・マッソーとロバート・ショウの主演で映画化。映画は実際にニューヨーク市地下鉄でロケ撮影されたが、模倣犯の出現をおそれた交通局が当初撮影を許可しなかったため、ハイジャック対策の保険がかけられたという逸話を持つ。
物語は、ニューヨークの重要な交通機関である地下鉄が、4人組の男にハイジャックされ、17人の乗客と車掌一人が人質になってしまう事件が描かれる。地下鉄は全線マヒし、出入口は閉鎖。都市交通局のガーバー(ウォルター・マッソー)が、人質保護のため警官隊に「発砲はおろか姿を見せてはならぬ、犯人を刺激してはならぬ」と厳命するが、地下鉄内で柱の陰に隠れていた武装警官の1人が犯人に発砲されたことで、大きな展開を迎えていく。
犯人達がお互いを、色のニックネームで呼び合う設定は、クエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』に影響を与えたことでも知られている。
通勤電車の窓から見た、不倫現場。
人はひとを殺したことを忘れられるのか?
『ガール・オン・ザ・トレイン』(2016) (C)Universal Pictures
そして間もなく公開となる映画『ガール・オン・ザ・トレイン』。
愛する夫と離婚し、傷心の日々を送る女性が、唯一の慰めとしていた、通勤電車の窓から覗き見る“理想の夫婦”。ある朝、“理想の妻”の不倫現場を目撃してしまい、その出来事をきっかけに事態が大きく動き始める。誰もが抱える心の闇を巧みに描き、息つく暇を与えぬ衝撃のラストへの展開からは目が離せない。
我々の生活でも馴染みが深い「電車」をテーマにすることで、観るものに強烈なリアリティを感じさせる。世界的ベストセラー映画化する『ガール・オン・ザ・トレイン』は2016年11月18日(金)より、TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー。
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