映画コラム

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2016年11月01日

『コウノトリ大作戦』の5つの魅力! 『ズートピア』の感動再び!これは3DCGアニメ版『魁!!男塾』だ!

『コウノトリ大作戦』の5つの魅力! 『ズートピア』の感動再び!これは3DCGアニメ版『魁!!男塾』だ!




(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.



11月3日(木・祝日)、“いいお産の日”に3DCGアニメ映画『コウノトリ大作戦』が公開されます。本作の魅力がどこにあるのか?ネタバレのない範囲で、以下にたっぷりと挙げてみます!

1.これは『エイリアン2』だ!『タイタニック』だ!『魁!!男塾』だ!
アクションがすごすぎるぞ!


本作の魅力は数多いのですが、まずは空や雪山、洞窟や川などをどんどん進んで行くアドベンチャーとしての楽しさ、そして奇想天外すぎる数々のアクションのおもしろさを挙げないわけにはいきません。

そのアドベンチャー要素に『インディ・ジョーンズ』らしさを感じるのはもちろん、中には名作『エイリアン2』や『タイタニック』っぽいアクションシーンもあったりもします。そのサービス精神はほぼ満点、初めから終わりまで楽しくってしかたがないのです。

極め付けは、あのカルト的人気を誇る漫画『魁!!男塾』をほうふつとさせる(しかもその衝撃を超えてくる)場面までもがあるのです!あのオオカミ軍団の“あの技”を思いついて、形にしてしまったスタッフはすごすぎるぞ!

コウノトリ大作戦08


(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.



2.『ズートピア』のような“バディ関係に萌える”魅力がある!


もう1つ大きな魅力になっているのは、正反対のキャラクターがコンビを組み、困難に立ち向かっていくこと。コウノトリのジュニアは仕事ができるけど自己中心的で、人間の女の子のチューリップは何事にも一生懸命だけど失敗ばかり、ちょうど正反対の性格の2人が主役になっているのです。

そんな2人が“手違いにより誕生してしまった”赤ちゃんを両親の元へ届ける冒険へと出発するのですが……やはり性格の不一致により、旅路はなかなか上手くいきません。

しかし、旅の途中でお互いのことをよく知るようになり、やがて抜群のコンビネーションで危機を乗り越えていく……これは、2016年の傑作3DCGアニメ映画『ズートピア』と同じ“バディ(コンビ)”要素。こちらが好きな方は、きっと本作も気に入るでしょう。

そうそう、吹替版でこのコウノトリのジュニアを演じているのは、お笑い芸人アンジャッシュの渡部建だったりするのですが……これが上手い!普段の芸風からは想像もつかない(失礼)真面目な青年役に似合っていたので驚きました。

その他、ウザい同僚役でアンジャッシュの児嶋一哉、利益を重視しすぎる社長役に玄田哲章、会社から逃げだした同僚役に立木文彦などと、豪華な配役が素晴らしいハマり具合を見せてくれました。

コウノトリ大作戦04


(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.



3.赤ちゃんが超かわいい!
子育て映画でもある!


本作ではその凸凹コンビが、冒険をしながら赤ちゃんの世話をすることになります。その様子は若き新米夫婦のようで微笑ましく、共感必死の“子育てあるある”も満載。『チャッピー』や『バケモノの子』などの、子育て要素のある映画が好きな人もきっと気に入るでしょう。

楽しいのは、そんなふうに赤ちゃんに困っていながらも、みんながその愛らしさにメロメロになっていくことですね。主役の2人はもちろん、敵となるキャラでさえ赤ちゃんに夢中になりまくるのは大笑いしました。

そうそう、終盤では“赤ちゃんがいないと絶対に成り立たないアクション”が登場します。詳しくはネタバレになるので書きませんが、試写会ではここで作中一番の大爆笑が起きていたことだけは伝えておきます(自分もお腹を抱えて笑いました)。これは大人から子どもまで、世界中の人に通じるおかしさでしょうね。

コウノトリ大作戦05


(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.



4.ぶっ飛んだ世界観!
これは仕事をしている大人の世知辛さを描いている!


本作のモチーフになっているのは、“コウノトリが赤ちゃんを連れて来てくれる”という逸話です。

それだけだったらそれほど驚きはないのですが……なんと本作では“赤ちゃんは工場で作られる”という一歩間違えばホラーになりかねない設定(笑)が登場します。山のてっぺんにコウノトリが支配する巨大な倉庫があるというビジュアルも超奇抜でした。

しかし、今ではその工場は閉鎖。それどころか、伝統的であったはずのコウノトリの赤ちゃんの宅配業務はコスト削減のために(!)終了。その代わりに、通常の配送業をコウノトリたち社員が行っているのです。

実は本作は、このぶっ飛んだ設定を使って、“仕事をしている大人の事情”を描いていたりもします。

例えば、主人公のコウノトリのジュニアはキャリア志向の青年で、社長のイスを欲しがっています。会社の中では、“告げ口”をすることで出世をもくろむ不届きものも出てきます。

赤ちゃんの到着を待つ男の子のネイトは、両親が個人経営の不動産屋を、子どもそっちのけで切り盛りしていることに不満を募らせたりしているのです。

その設定を踏まえ、作中では「出世して何がしたいの?」「子供をほっぽいて仕事ばっかりで楽しいの?」ということを突きつけてきます。オトナが観るとちょっぴり心が痛いかもしれませんね(笑)。

しかし、この描写があってこそ、終盤で提示されるテーマおよびメッセージが感動的になっています。そのテーマとは……。

コウノトリ大作戦08


(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.



5.“家族”をテーマにした感動作だ!


本作のテーマの1つになっているのは“家族”です。

女の子のチューリップは、ある事件のために天涯孤独になってしまったために、家族のあたたかさを知りません。コウノトリを待つ男の子のネイトは、両親にかまってもらえないことを不満に思うものの、直接的に両親の仕事を邪魔したりはせず、“弟が来てくれればいい”という信念を持って行動します。

彼らの問題は、“家族がいれば”解決できるものであり、それが叶えば幸せになれるという“希望”にもなっています。そのために奮闘する彼らの姿を観て、感動しないはずがないでしょう!

また、しがないサラリーマンであり、“部外者”であったはずのコウノトリのジュニアが辿り着く“答え”も、また感動的になっています。これは、家族を持たない(持てなかった)人へのメッセージ。最近仕事ばかりで大切なことを忘れがちなオトナにも、きっと響くはずです。

コウノトリ大作戦06


(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.



まとめ.赤ちゃんが好きな人、
新しい家族ができた人にぜひ観て欲しい!


本作『コウノトリ大作戦!』はかわいい!楽しい!おもしろい!という単純なことを期待すれば、男女関係なく、大人から子どもまで、まさに老若男女が楽しめる痛快娯楽作に仕上がっています。とにかく楽しければいい!という感じは、今年公開された3DCGアニメ『ペット』にも似ていますね。

しかし、本作はただ楽しい!というだけでなく、前述したような“家族”に関する尊いメッセージ性もあるのです。むしろこのメッセージは、子どもではなく、大人にこそ響くのではないでしょうか。

そして何より、作中に出てくる赤ちゃんがとにかくかわいい!かわいい!かわいい!こんなにかわいい生き物を見たら、そりゃあなんとしてでも両親の元に届けなければならないと思うもの。初めからガッチリと感情移入をさせてくれるのです。

なお、本作の監督の1人であるニコラス・ストーラーは、2人目の娘の誕生の際に、科学(医療)の力を借りることになったことから、本作の物語を思いついたそうです。その経験を踏まえ、ニコラス監督は子どもを授かったことをいっそう感謝し、親として子どもに関わる努力をするようになったのだとか……。

赤ちゃんが誕生するというのは、それだけ奇跡のような、幸せな出来事です。本作の物語は、今一度そのことを思い出させてくれるのかもしれませんね。

そんなわけで、親戚や家族に赤ちゃんが生まれたばかりの人はもちろん、赤ちゃんに憧れを抱いている人に『コウノトリ大作戦』は超オススメ!幅広い方に、ぜひ劇場へ足を運んでほしいです!

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(文:ヒナタカ)

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