映画コラム

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2016年12月25日

「変態だ」は予想を覆す衝撃と感動!白石茉莉奈はAV以上!

「変態だ」は予想を覆す衝撃と感動!白石茉莉奈はAV以上!

変態だ 01


(C)松竹ブロードキャスティング



みうらじゅん原作・脚本、ソラミミストの安西肇初監督による話題の映画、それがこの「変態だ」。

インパクトあり過ぎるタイトルの通り、主人公のミュージシャンと愛人との、SM変態プレイが描かれるのと同時に、主人公のミュージシャン「不合格通知」の中途半端な日常が描かれる中、意外過ぎる衝撃のラストを迎える本作!
ネタバレ無しにその雰囲気だけ伝えるなら、「ハイランダー&燃えよドラゴン&レヴェナント」という感じだろうか。

自分の周りでも、「劇場の窓口で口にするのが恥ずかしいタイトルだ!」と、噂になっている本作を、今回は初日の舞台挨拶付きの回で鑑賞して来た。
ネットの評価的には低目だが、中には絶賛評も見られるなど、非常に見た人の間で評価が分かれる作品になっている本作。果たしてその出来はどうだったのか?

ストーリー


大学時代、無理やり勧誘された「ロック研究会」で始めたバンド活動により、ミュージシャン「不合格通知」として今も活動を続ける主人公。やさしく理想的な妻と産まれたばかりの子供がいながら、同時に学生時代から続く愛人の薫子とのSMプレイに溺れる日々を送っていた。
そんなある日、地方のフェス出演のために、薫子と現地にやって来た主人公の目に飛び込んできた、観客として会場にいる妻の姿。
慌てて薫子と会場を飛び出したものの、雪山へと迷い込んでしまった主人公たち!果たして二人が迎える驚愕の結末とは?


変態だ 04


(C)松竹ブロードキャスティング



全編モノクロ映像の中、効果的に挿入されるカラー映像に注目!


本作で非常に効果的なのが、今や「死語」となった「パートカラー」というもの。
全編モノクロで撮影することで撮影コストを抑えつつ、アクションやSEXシーン、ラストシーンなどの見せ場だけは、そこだけ突然カラーになる!という昔からの映画技法だ。
本作では序盤の白石茉莉奈と前野健太のSEXシーンがカラーで登場するのだが、この部分の綺麗さと過激な描写との対比が、実に見事で強く印象に残る。

今回奥さん役を演じるセクシー女優の白石茉莉奈は、まさに男にとっての理想であり、この奥さんがあっての「主人公の満たされない性的願望」という部分が、実に観客にも良く理解出来るようになっている。
果たして本作では、他のどの部分にカラーが登場するのか?「シンドラーのリスト」を思わせる、最も効果的なその登場は、是非劇場でご確認を!

変態だ 02


(C)松竹ブロードキャスティング



最後に


恐らく、多くの観客が本作のタイトルや、普段TVで見るみうらじゅん&安西肇氏の姿から、きっと変な脱力系のエロ映画を予想されると思うが、その予想が完全に裏切られるのは確実! (但し、いい意味で!)

特に凄いのが、単なるキワモノかと思わせて急転換する、ラストの10分間だ。
愛人の薫子が、主人公への歪んだ愛と女の弱さを見せる名シーンと、主人公の覚醒振り!
自分のセクシュアリティに目覚めた主人公が、名前を聞かれて堂々と「○○だ!」と高らかに宣言した姿には、その言葉の間抜けさに反して一種の清々しささえ感じられる。
きっとあなたも「何か判らないけど、カッコイイ!」、そう思わずにはいられない筈だ。

確かに、映画に完全な説明と結末を求める方には、正直好みが分かれる作品だと思うが、鑑賞後に色々と自分の解釈について語り合える映画なので、これは是非劇場で!

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(文:滝口アキラ)

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