「カラスの親指」は、石原さとみ、のん、ピコ太郎が共演する奇跡の映画!
今回は普段と少し趣向を変えて、過去の映画から紹介させて頂くことにしようと思う。
その作品とは、今や世界的アーティストとなった「PPAP」のピコ太郎こと、小坂大魔王と、「この世界の片隅に」で万人の涙を誘った「のん」、そして昨年の「シンゴジラ」で強烈な印象を残した石原さとみ!なんと、この3人が奇跡の共演を果たした映画、「カラスの親指」だ。
偶然にも、2016年に揃って大きな活躍を果たしたこの3人!彼らが一同に介したこの幻の作品とは、果たしてどんな作品だったのだろうか?
予告編
ストーリー
悲しい過去を背負い、サギ師になったタケ(阿部寛)と、成り行きでコンビを組むことになった新米サギ師のテツ(村上ショージ)。
そんな二人の元に、ある日ひょんなことから、美人姉妹(のん、石原さとみ)と、一人のノッポ(小柳友)が転がり込んでくる。実はこの三人もまた、不幸な生い立ちを持ち、ギリギリのところで生きてきたのだった。そこから他人同士の、ちょっと奇妙な共同生活がはじまった。
しかし、タケが過去に起こしたある事件が、彼らを一世一代の大勝負へ導こうとは、まだ誰も知らなかった・・・。
今となっては豪華過ぎる、奇跡の顔合わせに注目!
冒頭で書いたように、当時は話題にならなかったのだが、今となっては豪華過ぎるこの出演者たち!
まず、ピコ太郎として世界的なアーティストとなった小坂大魔王が登場するのは後半部。敵の詐欺グループの一員として、ピコ太郎の扮装なしの素顔を見ることが出来るのは、今となっては実に貴重!
次に、能年玲奈時代の「のん」。まだ「あまちゃん」でブレイクする前の本作では、暗い過去を持つ詐欺師の少女を演じており、後年の明るい役柄とはまったく違った、「ホットロード」に近い演技を見ることが出来るので、これもまた貴重だと言える。
そしてもう一人、昨年のシンゴジラで新たな魅力を見せた石原さとみが、なんと今とは全然違うオーラの薄さで登場するのに驚いた!実際、「のん」の影に隠れて、主要キャストの中では一番目立たない役柄なので、本作を初見の方は、石原さとみが出ていると気が付かないのでは?
更に公開当時話題になったのが、今までお笑い芸人のイメージしかなかった村上ショージの、意外な演技の上手さだ。
どこか頼りない新米詐欺師を、実に自然な演技で見事に演じているのだが、実は彼こそが本作の真の主役だったと判るラストの展開!
是非あなたも一度、ダマされてみては?
ラスト20分で明かされる、驚愕の真実とは?
過去に因縁のあった詐欺師グループからの執拗な嫌がらせに、ついに自らの詐欺のテクニックで立ち向かう決意をした主人公たち!
ラストで遂に実行される、敵の詐欺師グループを罠にかける作戦、そこで起こるアクシデントからの・・・。
これだけでも十分意外な展開に驚かされるのだが、実は本作の最大の見所は、更にこの後のラスト20分にあるのだ!
絶対にネタバレ出来ないのだが、一つだけ言っておくと、これこそ正に日本版「ユージュアル・サスペクツ」!だと言える。
見た人の心に深い余韻を残し、全ての伏線や謎が見事に回収されて終わる見事なラスト!一度見たら、二度三度と見返したくなるのは確実の本作。是非レンタルや配信でのご鑑賞を、オススメします。
最後に
詐欺師同士の奇妙な共同生活と、その詐欺の手口の面白さ。更に、主人公たちが共通して持つ「未清算の過去」への決着をどう付けるか?
前半〜中盤でのコミカルな展開からの、後半のシリアスな展開!そこからのハッピーエンドを経て、迎える驚きの真実まで!2時間40分が決して長く無い本作。「カラスの親指」というタイトルにも、実は重大なヒントが隠されているなど、正に見所たくさんの大娯楽作品となっている。
詐欺師の世界を描きながら、ラストに爽やかな感動を与えて終わる、この「カラスの親指」。
公開から数年が経った今だからこそ、新たな視点から楽しめるようになった本作なので、公開当時見逃した方も、是非この機会に鑑賞してみては?
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(文:滝口アキラ)
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