『ローグ・ワン』にも!『スター・ウォーズ』に日本人が出演していた!
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『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の劇場公開が終了したばかりですが、「エピソード8」となる次回作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の公開まで1年を切っており、早くも新作への期待が募る『スター・ウォーズ』シリーズ。
そんな『スター・ウォーズ』のトリビアの中のひとつに、あの三船敏郎に出演オファーがあったという有名な逸話があります。
娘である三船美佳が2015年12月に「東京コミコン」発表記者会見の場で話したことによると、三船敏郎には最初にオビ=ワン・ケノービ役での出演オファーが来たものの、SF映画でサムライを演じることに迷いがあり、これを固辞。
ジョージ・ルーカスは、敬愛する黒澤明作品に欠かせない存在の三船敏郎の出演を熱望しており、それでは顔が見えないダース・ベイダー役はどうかと再度打診があったということですが、ご存知の通り三船敏郎の『スター・ウォーズ』出演が実現することはありませんでした。
「もし、三船敏郎が『スター・ウォーズ』に出演していたら…」や「『スター・ウォーズ』に日本人キャストが出演して欲しい」といった声はよくありますが、実はこれまでの『スター・ウォーズ』シリーズに日本人キャストが出演しているのです!
これまでの『スター・ウォーズ』シリーズに出演した2人の俳優
まず、『スター・ウォーズ』シリーズに最初に出演した日本人俳優は楠原映二。
『エピソード6/ジェダイの帰還』(1980年)にて、映画のクライマックスである反乱軍艦隊による第2デス・スターへの攻撃シーンで、Yウィングパイロットのテルシジ中尉を演じています。帝国軍の熾烈な攻撃の中、「数が多過ぎる!」というセリフを発しているパイロットです。
楠原映二は、このほかに『エレファント・マン』(1980年)、『アイズ・ワイド・シャット』(1999年)といった映画に出演。デヴィッド・リンチ、スタンリー・キューブリックといった名監督の作品に出演した日本人でもあるのです!この他、『スーパーマンⅣ/最強の敵』(1987年)にも出演。
映画以外にはBBCのドラマや、イギリスのバラエティ番組など幅広く活躍。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどでも活動しており、残念ながら2010年に63歳で亡くなるまでシェイクスピアの本場・イギリスにおける日本人俳優の草分け的存在でした。
そして、『エピソード3/シスの復讐』(2005年)ではマサ・ヤマグチが議員役で出演。
マサ・ヤマグチは、コリン・ファース、ニコール・キッドマン、真田広之などが出演した『レイルウェイ 運命の旅路』(2013年)など、オーストラリア、アメリカ、イギリスを中心に活躍する俳優。
日本が舞台となった『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)では、新幹線上でヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンとのバトルを演じています!
最新作『ローグ・ワン』に出演!長井シーナ志保子
そして、現時点での最新作である『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』にも実は、日本人キャストである長井シーナ志保子が出演していました。
出演しているのは、ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)とキャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)が、ジェダの市街地で帝国軍とソウ・ゲレラ(フォレスト・ウィテカー)のパルチザンの戦闘に巻き込まれるシーン。
ジン・アーソはこのすさまじい戦場の中で泣き叫ぶ女の子を見て助けますが、直後にこの女の子を迎えに来る母親であるフイカ・シリュウを、長井シーナ志保子が演じているのです。
長井シーナ志保子は『ローグ・ワン』のほかにも、『47RONIN』(2013年)、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015年)や、『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』(2016年)、『ドクター・ストレンジ』(2016年)、そして2017年に公開されるトム・クルーズ主演の「The Mummy」といった、近年の数々の世界的な大作映画に出演。
2014年には、モナコ国際映画祭で最優秀助演女優賞を受賞されています。
ファーストネームとして使っている「シーナ」という名前は、英語でも覚えやすいニックネームとして「Shihoko Nagai」を短くした(Shina)のが由来とのこと。
ご本人による『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』撮影の際の裏話として、現場のセキュリティはやはり厳重だったそうです。登場キャラクターの衣装ですらも明らかにさせないため、上空からの撮影を警戒して屋外の移動のときは必ずマントを着て隠す必要があったということです!
長井シーナ志保子がハリウッドの大作映画に出演するまでに至る道のりは、どのようなものだったのでしょうか。
子どもの頃から海外のエンタテイメントに興味があり、高校時代の交換留学を経て、日本の大学からアメリカの大学に編入。その後、イギリスの演劇学校であるドラマセンターロンドンに入学。卒業公演にて主役を務めたことでエージェントから注目され、様々なチャンスをつかんでいくことになりました。
『スター・ウォーズ』初の日本人女性キャストとなった長井シーナ志保子。今年は「The Mummy」のほか、ジャッキー・チェン主演作「The Foreigner」にも出演しており、今後の活躍に引き続き注目です!
アジア人キャストの存在感が高まる『スター・ウォーズ』シリーズ
ウォルト・ディズニーでの制作体制になった『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)以降のシリーズは、アジア人キャストが起用されることが多くなったことも特徴のひとつです。
『フォースの覚醒』では、インドネシアのアクション映画『ザ・レイド』(2011年)に出演したヤヤン・ルヒアン、イコ・ウワイス、また続編の『ザ・レイド GOKUDO』(2014年)に出演したセセプ・アリフ・ラーマンが、ハン・ソロを追うギャングであるカンジクラブのメンバーとして出演。
また、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』には香港のアクションスターであるドニー・イェン、中国を代表する俳優のチアン・ウェンがメインキャストに。
これは巨大市場である中国での興行をにらんだキャスティングでもあるようですが、元々『スター・ウォーズ』オリジナル・トリロジーが中国では公開されておらず、シリーズがまだ浸透していないこともあって、あまり興行成績は振るわなかったようです。
次回作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でも、新キャストとしてアジア系アメリカ人女優のケリー・マリー・トランの出演が発表されており、今後も『スター・ウォーズ』ではアジア系のキャストを見かけることになりそうです。
『スター・ウォーズ』シリーズは、スクリーンに登場するあらゆるキャラクターに名前やプロフィールが設定されており、ファンにとってはその『スター・ウォーズ』の世界を形作った存在であるキャストは憧れの存在です。
少なくとも2020年まで毎年新作を公開することが決定している『スター・ウォーズ』シリーズ。今後の作品で、また日本人キャストが『スター・ウォーズ』世界の住人になることを期待します。
(文:藤井隆史)
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