熱いぞ!ウザいぞ!『帝一の國』



(C)2017 フジテレビジョン ポニーキャニオン AOI Pro. (C)古屋兎丸/集英社



こんにちは、八雲ふみねです。

今回ご紹介するのは、4月29日から公開となる『帝一の國』。
イケメンだけじゃない、若手俳優たちの魅力が満載です。

八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.102




命がけの生徒会選挙、ライバルは800人の秀才たち


時は、昭和。

全国屈指の頭脳を持つ800人のエリート学生たちが通う、日本一の超名門・海帝高校。政財界に強力なコネを持ち、海帝でトップ(=生徒会長)を務めた者には、将来の内閣入りが約束されているという。

その海帝高校に、大きな野心を持つ男が主席入学を果たす。

彼の名は、赤場帝一。

「総理大臣になって自分の国を作る」という夢を実現するためには、海帝高校の生徒会長になることは絶対条件。

そのためには、ライバルを全員蹴落とし、どんなに汚い手を使ってでも必ずトップに立つ!!!そう心に決め、野望への第一歩を踏み出した帝一を待ち受けていたのは、想像を絶する罠と試練、そして友情と裏切りだった…。






(C)2017 フジテレビジョン ポニーキャニオン AOI Pro. (C)古屋兎丸/集英社



イメージとは、ぶっ壊すためにある?! 捨て身のノンストップ・ギャグバトルに悶絶


2010年から6年間連載された、古屋兎丸による学園コメディー「帝一の國」。美麗な作画と異色のストーリーに、「読むほどにクセになる」と漫画ファンが熱狂。

2014年には舞台化もされ、絶大な人気を博しました。

そしてついに、待望の実写映画化が決定。

しかも女性に人気の若手イケメン俳優たちがゾロゾロと登場するワケですから、否応にも期待が高まります。

生徒会長選挙に命をかける男・赤場帝一を演じるのは、若手俳優の中でももっとも勢いのある菅田将暉。共演には野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大と、主役級のメンバーがズラリ。

皆さんとにかく、アツいっ、濃いっ、そしてウザいっっ!!!(褒め言葉です。)

東郷菊馬役の野村周平にいたっては、これまでのどの出演作より生き生きとウザく(もちろん、褒め言葉です)、「彼は今後、イケメンキャラに戻ることができるのだろうか…」と、余計な心配をしてしまうほどのハマりっぷり。

それはともかく、日本映画界を代表する若手イケメン俳優たちが日頃の爽やか or クールなイケメンぶりを封印し、ノンストップ・ギャグバトルに身を投じる姿からは、潔ささえ漂ってきます。

よっ、ニッポン男子!



(C)2017 フジテレビジョン ポニーキャニオン AOI Pro. (C)古屋兎丸/集英社



見どころは、イケメン俳優だけじゃない!実は骨太な政治ドラマの一面も……


本作を語るにあたって、演じる俳優たちの意外性とギャグ描写に終始してしまいがちですが、それだけではありません。

実はこの映画のいちばんの面白さは、学園コメディーの形式を借りた政治ドラマだということ。

生徒会長への第一歩であるルーム長に選ばれるために、通産官僚の父は学校に多額の寄付。

打算と戦略で派閥を選んだり、忠犬のごとくなりふり構わず中枢権力に近づいたり、父子2代にわたる因縁の対決に親も首を突っ込んできたり…。

“たかが生徒会長選挙”と大笑いしながらも、そこに描かれているのは日々メディアで伝えられている政局を彷彿させるものが…。
デフォルメされた描写の隙間から垣間見える“真のリーダー論”に、思わずドキリ。



(C)2017 フジテレビジョン ポニーキャニオン AOI Pro. (C)古屋兎丸/集英社



どこまで変化する?! カメレオン俳優・菅田将暉の魅力


演じる役ごとにガラリと色が変わり、カメレオンのごとく変幻自在。

映画・ドラマ・CMと引っ張りだこの菅田将暉さん。以前、菅田さんが出演する『セトウツミ』を監督した大森立嗣監督にインタビューした際、菅田将暉さんの魅力について尋ねました。

すると「頭の回転が早くて論理的に話ができる人……という印象。でも芝居になると、それを全部壊せる不思議な人なんですよね」と、大森監督。

私も舞台挨拶でご一緒させていただく中で、作品によって舞台挨拶での佇まいやトークに微妙に変化をつけるなど、大胆さと繊細さを併せ持った俳優さんだなぁ~という印象を持っています。

本作では常に瞳孔が開いているのではないかと釘付けになってしまうほどの目ヂカラと、もはや顔芸を超えた“眉芸”にも注目ですよ。



(C)2017 フジテレビジョン ポニーキャニオン AOI Pro. (C)古屋兎丸/集英社



作品情報


帝一の國
2017年4月29日から全国東宝系にてロードショー
監督:永井聡
原作:古屋兎丸(「帝一の國」集英社ジャンプコミックス)
出演:菅田将暉、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大、永野芽郁、吉田鋼太郎 ほか
©2017フジテレビジョン 集英社 東宝 ©古屋兎丸/集英社
公式サイト http://teiichi.jp/

(文:八雲ふみね)


八雲ふみね fumine yakumo


八雲ふみね

大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。
八雲ふみね公式サイト yakumox.com

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