心霊現象って信じる?ナタリー・ポートマン&リリー=ローズ・デップ共演『プラネタリウム』

プラネタリウム メイン


©Les Films Velvet - Les Films du Fleuve - France 3 Cinema - Kinology - Proximus – RTBF


こんにちは、八雲ふみねです。
今回ご紹介するのは、9月23日から公開の『プラネタリウム』。
あなたは心霊現象って信じますか?

八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.123



1930年代後半。スピリチュアリストとして活躍するローラとケイトは、死者を呼び寄せる降霊術ショーを開く美人姉妹として各地で評判だった。
ある時、ツアーで訪れたパリで、二人は大手映画会社プロデューサーのコルベンと出会う。
姉妹の才能を目の当たりにして衝撃を受けた彼は、ローラとケイトを主人公にしたリアルなゴースト映画を製作しようと思いつく。
コルベンは二人と映画の出演契約を結び、自宅に住まわせて撮影を開始するが…。

プラネタリウム サブ1


“見えない世界”を見せてあげる…。
美人姉妹に翻弄される、ミステリアスかつ芸術性あふれるストーリー。


どの国でも、ホラーやオカルトをテーマとした映画は人気のジャンルのひとつ。

しかしその制作においては、様々な技術的なトリックがあることは周知の事実で、そのテクニックを駆使した恐怖演出を楽しむのも、これらジャンルムービーの魅力ではないでしょうか。

しかし本作は、“目に見えない”心霊現象をフィルムに焼き付けることで、世界初の心霊映画を制作しようというお話。

この奇想天外な物語を作り出したのは、“フランスのソフィア・コッポラ”との呼び声も高い、才色兼備のレベッカ・ズロトヴスキ監督。スタイリッシュで独自性の高い作品性から“次世代の監督”として注目を集め、本作もヴェネツィア国際映画祭ワールドプレミア、およびトロント国際映画祭ガラ・コレクションで上映され、大きな話題となりました。

彼女にとって長編3作目となる『プラネタリウム』でタッグを組むのは、10年来の盟友ナタリー・ポートマン。野心家の姉ローラの危ういまでの美しさは、彼女の代表作『ブラック・スワン』を彷彿させるものがあり、実に魅惑的です。

さらに自由奔放で純真な妹ケイトには、父にジョニー・デップ、母にヴァネッサ・パラディを持つ新星リリー=ローズ・デップが扮し、美しすぎる姉妹がスクリーンを彩ります。
聞けばこのキャスティング、ナタリーがズロトヴスキ監督に提案して実現したとのこと。

フランス語と英語を巧みに使って芝居が出来る女優…ということで、ナタリーの脳裏にいちばんに浮かんだのがリリー=ローズだったとか。二人が放つ妖しげな魅力の虜になること、間違いなし!ですよ。

プラネタリウム サブ3


©Les Films Velvet - Les Films du Fleuve - France 3 Cinema - Kinology - Proximus – RTBF



現実か、まやかしか。本作にはある“真実”が隠されていた!


冒頭から、美しく独創的なストーリーが展開する本作。スピリチュアリストとして人々を虜にするローラとケイトの“降霊術”は、果たして本物なのか。そして彼女たちの才能に魅了された映画プロデューサー、コルベンの真の目的とは何か…。

スピリチュアルが作品のテーマとなっているだけに謎が謎を呼び、雲を掴むような感覚に囚われながらも、同時に得体の知れないリアリティが忍び寄ってきて、背中がゾクゾク。

それもそのはず、実は本作は監督のオリジナルでありながら、究極の“事実”が隠されているのです。それは、本作の登場人物は実在の人物をモデルにしているということ。ナタリーとリリー=ローズが演じるバーロウ姉妹は、19世紀のアメリカで実在したスピリチュアリストの先駆者的存在、フォックス三姉妹が。そして映画プロデューサーであるコルベンは、フランスの伝説的映画プロデューサー ベルナール・ナタンが、それぞれモデルとなっています。

活躍した場所も時代も違うフォックス三姉妹とベルナール・ナタンが、もしも1930年代の華やかりしパリで出会っていたならば…。

そう考えながら本作を観ると、監督が創造した“目に見えない世界”から“リアル”を見出す瞬間に出会える、かも。

プラネタリウム サブ8


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ナタリー・ポートマンの美しさは正真正銘、ホンモノ!
ジャパンプレミアで話したナタリーの日本語には、さらなる裏話が…。


お互いにリスペクトしてやまないナタリー・ポートマンとレベッカ・ズロトヴスキ監督が、本作を引っ提げ来日。
ジャパンプレミアでは作品にまつわるエピソードを披露して下さいました。




本作ではフランス語でお芝居をしているナタリー・ポートマン。彼女が6カ国語を話す才媛だということ、ご存知でしたか?

そこで舞台挨拶では日本語をちょっぴり披露していただくことに。

すると…。

「私はナタリー・ポートマンです。……、トリドシです!」とコメント。

ナタリー・ポートマンと酉年。いや、間違いではないのですが、可憐なナタリーの口から「酉年」という言葉が発せられたことに不思議なギャップを感じると言いましょうか、あまりの衝撃に会場は大爆笑&拍手喝采!

どうやら彼女は、十二支にとても興味を持っているらしく…。舞台袖ではズロトヴスキ監督に「東洋の文化には“干支”と呼ばれるものがあって、それによると私は“チキン”(=酉年)なのよ」と、茶目っ気たっぷりに語りかけていたナタリー。

あまりにもチャーミングな様子に、司会を務める私も出番前にほっこりしてしまいました。

しかし考えてみると、干支も古代から占いに利用されたりするスピリチュアルなもの。そういった意味では、映画『プラネタリウム』と共に日本にやって来たナタリー・ポートマンならではの気が利いた“ご挨拶”だったかもしれませんね。

作品情報


プラネタリウム
2017年9月23日から新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
監督:レベッカ・ズロトヴスキ
出演:ナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップ、エマニュエル・サランジェ、アミラ・カサール、ピエール・サルヴァドーリ、ルイ・ガレル、ダーヴィット・ベネント、ダミアン・シャペル ほか
公式サイト http://planetarium-movie.com/

(文:八雲ふみね)

八雲ふみね fumine yakumo


八雲ふみね

大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。

八雲ふみね公式サイト yakumox.com

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