佐藤江梨子×瑛太、これぞ映画界の異種格闘技戦!?『リングサイド・ストーリー』




こんにちは、八雲ふみねです。
今回ご紹介するのは、現在公開中の『リングサイド・ストーリー』。
もしも夢ばかりデカいダメ男が恋人や夫だったら、あなたならどうします?

八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.128



江ノ島カナコが10年付き合っている恋人は、同居中の村上ヒデオ。ヒモのように暮らす売れない役者だ。ある日、勤め先の弁当工場をクビになったカナコは、ひょんなことからプロレス団体で働くことになる。

しかし プロレスの世界に魅了され仕事を打ち込むカナコが、浮気しているのではないかと疑うヒデオは、嫉妬心から事件を起こす。そのケリをつけるために、K-1チャンピオンの和希との一騎打ちを命じられて…。



武正晴監督の最新作は、盟友・足立紳の実話?!


『百円の恋』で数々の映画賞を総なめにした武正晴監督の3年半ぶりの新作は、“夢”だけデカい無名の俳優と彼を支える健気なヒロインのファイト・ラブコメディー。武監督の盟友である脚本家・足立紳の実話を大胆に脚色し、笑いあり涙ありのハートフルな作品に仕上げました。

突然職を失ったことからプロレス好きのヒデオのすすめでプロレス団体「WRESTLE-1」で働くことになったカナコ役を演じるのは、佐藤江梨子。本作は4年ぶりの映画主演、相変わらずのナイスバディを惜しげもなくさらして…。

…と、言いたいトコロですが、カナコはちょっぴり幸薄いキャラクター。
そんな薄幸な美女ぶりと逞しさを持ち合わせたポジションが見事にハマり、思わず応援したくなるような愛らしい女性像を体現しています。

一方、カナコのヒモ男、もとい、俳優として日の目を見ることを夢見て日々奮闘(?)するヒデオ役は瑛太。いやぁ、女性から見たらヒデオはかなりのダメ男ですよ。それでもなんだか“うざかわいい”男性に見えてしまうのは、瑛太マジック!?なのでしょうか。

さらに高橋和也、峯村リエ、前野朋哉、角替和枝、近藤芳正、余貴美子ら実力派俳優が名を連ね脇をしっかりと固め、強烈な個性を発揮しています。

俳優たちの演技バトルに、思わずニヤニヤしてしまうことでしょう。



俳優×K-1チャンピオン×プロレス×ボクサー、これぞ日本映画の異種格闘技戦!


そんな中でも注目なのが、武藤敬司、武尊、黒潮“イケメン”二郎、亀田大穀など、格闘技界のトップアスリートたちが出演していること。迫力あるファイティングシーンはもちろんですが、格闘技界の裏側まで映し出した本作はファンならずとも興味深いところ。しかもプロレス、K-1、ボクシングと、ジャンルからを越えて本作では共演しているのですから。スクリーン上での異種格闘技戦を実現出来たのも、武監督だからこそ成せる技!?

そして俳優陣も負けてはいません!瑛太演じるヒデオのファイティングシーンはド迫力!リングにあがるために2か月以上ジムに通い、食事コントロールをして体を絞ったというだけあって、その動きはキレッキレ。あのK-1チャンピオン武尊に「瑛太さんの蹴りは重かった」と言わしめるほど。

『リングサイド・ストーリー』というタイトルが語るように、本作はリングに上がる人たちを支える人たちの物語。その“リング”とは、格闘技のリングだったり、演じるカメラの前だったり、人によって様々ですが、とにかく「いま、頑張っている人」にエールを送る作品なのです。

本作が秘めるパワーを受け取って明日への活力となることはもちろん、観終わった後に「映画って面白いな」と映画館に足を運んでみたり、「本物の格闘技の試合を見てみたい!」とK-1やプロレスの試合会場に足を運んだり…という人が増えるのも嬉しいですね。



完成披露試写会のリングは、実は…。本音トーク炸裂のトークイベントに会場騒然!


『リングサイド・ストーリー』の劇場公開前後、さまざまなイベントが開催されました。



写真は、完成披露試写会。関根勉さんとともに司会を務めさせていただきました。

リング上には、佐藤江梨子、瑛太、有薗芳記、K-1チャンピオンの武尊、黒潮“イケメン”二郎、武正晴監督が「選手入場!」ならぬ登壇。

さらにサプライズゲストとして元プロボクサーの亀田興毅&大毅兄弟、そしてプロレス界のレジェンド・武藤敬司も来場し、会場は大きな盛り上がりを見せました。ちなみに当日の会場となった新宿FACEは、『百円の恋』でボクシングの試合シーンを撮影した場所。

思わぬ縁に感慨深い様子の武監督でした。




そして初日舞台挨拶には、佐藤江梨子、瑛太、武尊、黒潮“イケメン”二郎、武正晴監督が登壇。

この日の舞台挨拶では、瑛太さんが「安藤サクラ、役者割で『リングサイド・ストーリー』観に来いっ!」との挑戦状(?!)を叩き付けたことで話題をさらいましたが…。ここで「(自称)役者割引」について、解説を…。

例えば名前が記載された舞台のチラシを持って来るなど、劇場窓口で自分が俳優だということを証明出来れば、なんと本作を1000円でご覧いただけるという前代未聞の試み。

有名無名問わず、証拠さえあれば“自称”でもオッケー。武監督の元にはこの「役者割」について、知り合いの俳優さんからの問い合わせが絶えないのだとか。現在実施しているのは、新宿武蔵野館と渋谷シネパレス。

さらに初日の翌日に武監督×佐藤江梨子さんによるトークショーが開催された千葉県柏市のキネマ旬報シアターでは、トークショー本番中に急遽実施が決定しました。いやぁ、映画配給会社って少しでもお客様に足を運んでいただくために、「○○割引」とかあの手この手を使ってキャンペーンをするのですが、コレは久しぶりに私のツボにハマりましたよ。

だって、単なる“茶化し”じゃなくて、ヒデオのように日々夢に突き進む“誰か”を応援する企画なんですから。キャンペーンそのものが、この映画の真髄を突いてます!

実際「役者割引」の話をする時、キャスト・スタッフ問わず楽しそうなんですよ。
役者の皆さ〜ん、是非、この機会にご利用下さい!

作品情報


リングサイド・ストーリー
2017年10月14日から新宿武蔵野館、渋谷シネパレスほか全国公開
監督:武正晴
出演:佐藤江梨子、瑛太、有薗芳記、田中要次、伊藤俊輔、奈緒、村上和成、高橋和也、峯村リエ、武藤敬司、武尊、黒潮“イケメン”二郎、菅原大吉、小宮孝泰、前野朋哉、角替和枝、近藤芳正、余貴美子 ほか
©2017 Ringside Partners
公式サイト http://ringside.jp/

(文:八雲ふみね)

八雲ふみね fumine yakumo


八雲ふみね

大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。

八雲ふみね公式サイト yakumox.com

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