映画コラム

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2018年08月22日

ミステリアスなタリーの正体はネタバレ厳禁!この夏観たい女性を元気にする2つの映画を紹介

ミステリアスなタリーの正体はネタバレ厳禁!この夏観たい女性を元気にする2つの映画を紹介

■橋本淳の「おこがまシネマ」

どうも、橋本淳です。16回目の更新。

暑い日々が続く中、映画のラインナップも熱くなってきますね、下半期。ひと足お先に色々と観させてもらってますが、注目作多めです。前回男らしいトム映画をご紹介させていただいたので、今回は女性がメインの2本を。

『タリーと私の秘密の時間』




(C)2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.


『JUNO ジュノ』『ヤング≒アダルト』でコンビを組んできた監督のジェイソン・ライトマンと脚本のディアブロ・コディ。前2作と合わせて今回の作品で、女性を応援する3部作となりました。コディによってミステリーの要素が加えられ、それにライトマンが丁寧に伏線を張り巡らしながらドラマティックに仕上げている、ミステリアスなヒューマンドラマ。

主演には、シャーリーズ・セロン。「ヤング≒アダルト」に続くタッグで女性から共感される母親役を丁寧に作り上げていました。



(C)2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.


もうすぐ3人目の出産を控えるマーロは、2人の幼い子供の母親でもあるから毎日が戦争のような大忙しの日々を送っていた。娘のサラは手がかからないが、息子のジョナは情緒が不安定。今日も学校の校長に呼び出され、ジョナに専属の教師をつけてほしいと言われる。夫のドリューは仕事から帰ってくるとベッドでゲームを始める。。



(C)2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.


優しい旦那ではあるが、育児や家事はマーロに任せっぱなしで、お互いにそれがあたりまえだと思っていた。マーロの兄クレイグが、出産祝いに夜間専門のベビーシッターをプレゼントしてくれると言ってきた。マーロは他人に赤ちゃんを預けることに抵抗感と罪悪感があり断るが、赤ちゃんのミアが生まれてから、マーロの生活がより一層大変になり、ついに感情が爆発してしまったことで限界と判断し、結局ベビーシッターを雇うことになる。

ある夜、ベビーシッターとして家を訪ねてきた若い女の子・タリーを見て唖然とする。ヘソ出し、ジーンズの姿で今どき女子のタリー。戸惑うマーロだったが、ひとまず彼女に任せて就寝することに。

翌朝、目覚めるとおどろく! タリーの姿はもうなかったが、何年も掃除をしていなかったキッチンや部屋がピカピカに掃除されていたのだ。それからもタリーの完璧な仕事にマーロは救われていく。なかなかリラックスすることのなかったマーロはようやくニュートラルに戻っていく。



(C)2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.


マーロとタリーは、自ずと信頼関係を築き、悩み事までも聞いてくれる関係に。しかし、タリーは一切自分のことは語ろうとしない。ある夜、珍しくタリーが取り乱していた。聞くと友人と喧嘩したと言う。そんな2人は家を飛び出し、ブルックリンの街へ繰り出す。そして、タリーは思いがけない告白を始める。



(C)2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.


観終わった後、男って、、、という気持ちになりました。同じ空間で観ていた沢山の女性客から顔を背けたくなる、そんな感じに小さくその場を後にした。それくらい女性には頭があがりません。いつの時代もどんな国でも男女のこの感じは変わらないんですね。

男がちょーーーっと育児を手伝っただけで、“イクメン”と囃し立てられますが、そんなのヤルのは当たり前ですね。すいません。自分の母にもそうですが、育児や家事に関わるすべての人に感謝と尊敬を伝えたい。

タリーのなんだかミステリアスな雰囲気。マーロの家を訪れた時から、所作などに違和感を覚えますが、後半の展開に、なるほどと腑に落ちます。丁寧に散りばめられた伏線をきっちり解消し、ヒューマンドラマとしても素晴らしい今作。

きっと女性が共感できる、応援ムービーになること間違いなしだと思います。そして世の男子! あなたたちも目を見開いて鑑賞しなさい!

『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』




(C)Universal Pictures


大ヒット舞台を2008年に映画化し、映画としてもミューカル映画NO.1ヒットした「マンマミーア!」。そのオリジナルキャストが帰ってきました。

前作では、リゾートホテルを経営するシングルマザーのドナと娘ソフィが主人公、そのソフィの結婚式前日から当日までの話。父親が誰か知らなかったソフィは、バージンロードを父と歩くという夢を叶えるべく、母の日記から父親だろうと思う3人の男性に招待状を送る。会えばわかると思っていたソフィだったが、全く見分けられず、ドナも元カレたちの登場に驚き、会場は大混乱に。そんな中、3人の父親候補?たちはある提案を持ちかける。

これが前回のお話で、今回はソフィが母との念願だったエレガントなホテルを完成させた。そのオープニングパーティの最中にソフィの妊娠が発覚する。肝心の旦那とは、今後の将来を巡ってすれ違いの日々であり、仕事で当然その場にはいない。ソフィを身篭ったとき母は、どんな気持ちだったのか、、、。



(C)Universal Pictures


時は遡り、若き日のドナの大学卒業の日。ドナは世界に羽ばたこうとしていた。まず降り立ったのは、パリ。そこで若き日のハリーと出会う。2人は燃え上がり一夜を共にすることに。

しかしドナの旅はまだまだ続く、彼女には目指す場所があった。ギリシャのカロカイリ島。その島に行くためのフェリーに乗り遅れたことである青年に出会う。それが若き日のビルであった。彼に島までヨットに乗せてもらうことになる。無事に島に着いたドナは、ある家に興味を惹かれた。丘の上にポツンと建ったボロボロの家。人気はなく一頭の馬が残されていた。嵐で馬小屋が崩れ始め、助け出そうとするドナ。そんな彼女を助け、無事に馬を救出したのが若き日のサムであった。2人はたちまち恋に落ちる。しかしサムには隠していたことがあった。。。

現代にもどり、嵐が島を襲う。たくさんの招待客を呼んでいたパーティも台無しになってしまう。3人のパパの内2人は、残念ながら来られないと言う。1人来てくれているサムも助けてくれるが、嵐には敵わない。はたして無事にパーティを成功できるのか、そしてソフィと旦那との関係はどうなってしまうのか、、。



(C)Universal Pictures



前作からのオリジナルキャストも集結し、豪華なキャスト陣。ドナが3人の男性とどのように結ばれたのかが分かり、それがソフィへとつながって行く展開はよく出来ています。何よりABBAの名曲がずらりと並び、観るものを楽しませてくれる。

日本人には決してない感覚。音楽と共存している感が半端なく、「あゝバカだなぁ、、(笑)」と、最後まで楽しめます。映画の世界から抜けた後の足取りは確実に軽くなり、小気味よいステップを踏んでしまいます。(踏んでしまいました)

後半に登場する、シェールの“私出て来ましたよ”感がすさまじいです(笑)。

夏にぴったりの映画かと思います。今年の夏の思い出にぜひ。

http://www.mammamiamovie.jp/sp/

今回は女性が活躍する珠玉の2本を、おこがましくも、紹介させてもらいました。

(文:橋本淳)

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