野村周平の魅力を『ビブリア古書堂の事件手帖』と絡めて語ってみる
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野村周平の魅力を『ビブリア古書堂の事件手帖』と絡めて語ってみる
(C)2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
現在劇場上映中の映画『ビブリア古書堂の事件手帖』に主演している野村周平さん(黒木華さんとのW主演)。放送中のドラマ「結婚相手は抽選で」(東海テレビ)にも主演しており、大人気俳優のひとりです。
今回は、『ビブリア古書堂の事件手帖』を中心に、これまでの野村周平さん出演作品を振り返りながら、魅力をたっぷり語ります。
『ビブリア古書堂の事件手帖』
(C)2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
概要、あらすじ
これまでにテレビドラマ化、アニメ化されてきた同作ですが、三上延さんの同名小説を原作に、今回は実写映画化となりました。『少女』(2016)、『幼な子われらに生まれ』(2017)などを監督してきた三島有紀子さんが本作のメガホンをとりました。野村周平さんとのW主演である黒木華さんのほか、成田凌さん、過去のパートに夏帆さん、東出昌大さんが出演しています。
鎌倉の片隅にひそやかに佇む古書店「ビブリア古書堂」。店主の栞子(黒木華)は極度の人見知りですが、本を手にすると知識や想像力が溢れだします。そこに、大輔(野村周平)が持ち込んだ夏目漱石の「それから」に記されたサインの真偽を解き明かすことに。その過程で、栞子と同業者の稲垣(成田凌)が心を通わせる様子を見て複雑な思いを抱く大輔でしたが、太宰治の「晩年」を何者かが奪おうとする事件が起きて・・・。
素朴で素直な少年を野村周平が熱演!
野村周平さん演じる五浦大輔は、いつも優しくて穏やかな祖母に、夏目漱石の「それから」を手にした時に怒られた経験があり、それがきっかけで活字恐怖症になってしまいます。祖母が亡くなり、遺された「それから」に記された夏目漱石のサインを見て、漱石本人のサインだと思い込んでビブリア古書堂に持ち込むのでした。
活字恐怖症の大輔と、本には人一倍の情熱を持っている栞子が距離を縮めていく過程では、不器用ながらも栞子を思う気持ちが行動に表れていて、素直に好感が持てます。
バラエティ番組などで見せるあっけらかんとした言動とは裏腹に、作品では物静かで控え目なキャラクターを演じることもある野村さん。その分、新しいジャンルのキャラクターを演じたという印象はありませんが、好意を寄せる女性を強く思う気持ちは、他の作品に比べて色濃く表現されていたはずです。
後半、太宰治の「晩年」を何者かが奪おうとする事件を経て、決着がつく場面でも、大輔のまっすぐな思いがありました。作品の中だからこそ見られる野村さんの素直な一面に共感してしまいます。
野村周平を語る上で欠かせない出演作
『江ノ島プリズム』(2013)
今をときめく福士蒼汰さん、本田翼さんとともにメインキャストとして出演していた野村さん。野村さん演じる木島朔は心臓病で亡くなっており、ファンタジー的な要素もありましたが、江ノ島の美しい風景と穏やかな空気感に観る人の心も癒される作品です。
5年ほど前の作品ですので、3人とも今より幼く感じられるのが印象的。野村さんは今年11月14日で25歳を迎えますが、当時はまだ20歳前後。等身大のお芝居が楽しめますよ。
『ライチ☆光クラブ』(2016)
野村さん主演、間宮祥太朗さん、古川雄輝さん、戸塚純貴さん、岡山天音さんらが出演した作品です。R15+指定で、独特な世界観のなかで描かれるハードな描写もあり、好みの別れる映画でもありましたが、野村さんにとってもチャレンジングな出演と言えるのではないでしょうか。
男性キャストが多数出演しているため序盤はその中のひとり、という風な描かれ方ですが、終盤、クライマックスに向けてどんどんと存在感を増していくところで主演としての力を発揮しています。
ハードな描写が苦手な人は注意が必要ですが、早いうちから、R指定が付く作品に出ていることは、役者人生においても強みになると言えそうです。野村さんを知るうえで、ぜひ観ておきたい1作品です。
『サクラダリセット』(前篇、後篇2017)
2部作として劇場公開された本作。主人公の浅井ケイを野村さんさんが演じ、ヒロインに黒島結菜さんが出演したほか、平祐奈さん、伊藤健太郎さん(当時健太郎)、玉城ティナさん、恒松祐里さんらが出演していました。
原作は河野裕さんによる同名のライトノベルですが、漫画家、テレビアニメ化もされている人気作品です。
能力者が存在する咲良田で起こる事件を追う物語で、野村さん演じる浅井は見聞きしたことを完全に記憶している記憶保持の能力を持っていました。そのため、頭脳明晰で淡々と語るシーンもあり、他では見られない野村さんのお芝居が見られたのではないでしょうか。
『ちはやふる』(2016上の句/下の句、2018結び)シリーズ
映画『ちはやふる』シリーズは、野村さん出演の映画のなかでも、もっとも話題を呼んだといって良いのではないでしょうか。競技かるた部を中心に描かれ、主人公の千早を広瀬すずさん、太一を野村さん、綿谷新を新田真剣佑さんが演じました。
2016年に公開された「上の句/下の句」では、広瀬すずさんの人気を不動のものにし、新田真剣佑さんの出世作になったとも言える本作。野村さんにとっても、2016年は映画『ライチ☆光クラブ』に始まり、『森山中教習所』、『ミュージアム』に出演していたほか、ドラマ「フラジャイル」(1月、フジテレビ)、「好きな人がいること」(7月、フジテレビ)と大忙しの1年でした。
何より本格的なかるたシーンから、高校生らしいアツい場面まで、様々な要素を組み込んで、全3部作で観客を飽きさせることなく駆け抜けた映画です。今年の「結び」も素晴らしい作品でしたね。野村さんの出演作のなかでも、特に何度でも観返したい映画になっているのではないでしょうか。
映画『ビブリア古書堂の事件手帖』公開中!
(C)2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
野村周平さんは今後さらに活躍しそうな予感がありつつも、過去の出演をみると、すでに代表作と言える作品が多い稀有な役者さんです。
上映中『ビブリア古書堂の事件手帖』は、野村さんが出演する現代パートのほか、東出昌大さん、夏帆さんが出演する過去パートもあります。過去パートについては、原作でも深く描かれておらず、映画オリジナルな部分もあり、見逃せません。
野村さんの素朴で素直な青年とはまた違って、現代パートに出演している成田凌さん、過去パートの東出さんは独特の存在感がありました。
映画『ビブリア古書堂の事件手帖』は劇場にて上映中です。ぜひご覧ください!
(文:kamito努)
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