パンチパーマで童貞を演じたイケメン・小澤廉が男の生き様を語る『新宿パンチ』インタビュー
2018年12月1日(土)公開の映画『新宿パンチ』は、天然のパンチパーマで童貞の22歳という主人公が一念発起して田舎から上京し、スカウトマンとして歌舞伎町で働きながら自分の生き方を見つけていく物語。
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リアルな裏社会の姿にコメディ要素もプラスして描いた今作で、インパクト大な主人公・道場方正を演じた小澤廉さんにお話を伺いました。
──童貞でパンチパーマという役どころですが、それを最初に聞いたときはどう思いました?
小澤廉(以下、小澤):めちゃめちゃ面白いな、と思いました(笑)! いろんな作品で主演をやらせてもらっていますが、見た目からパンチのある役はやってこなかったので。設定も見た目も、すごく面白そうな役で早くやってみたいなって思いました。
──パンチパーマのイメージから劇中ではマイナスイメージをもたれてしまうこともある方正ですが、逆に小澤くんはイケメンですよね。
小澤:(笑)。
──そこで、イケメンで苦労したことはありますか?
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小澤:僕の場合は中身もちゃんとみて欲しいなと思うことが多くて。顔がいいと言ってもらえるのはもちろんうれしいんですけど、最近は中身を褒められたほうがうれしいんです。悩みというほどではないですが、内面より外側を見られているなぁ…と。
──では、内面のアピールポイントをお願いします!
小澤:男気があります! 自分が言ったこと、思ったことはあまり曲げない性分で、気になることがあれば相手が先輩でも、ちゃんと伝えるようにしてます。自分にマイナスになるから言わないということはしてこなかったですし、相手に媚を売ることも苦手で。周りからも「廉が媚び売ってるとこみたことないわ」って言われて、確かにそうかもって思ったんです。
僕が面白いな、興味があるなって思った人には自分から近づきますし、損得勘定では人に近づかないですね。多分周りが思っている以上に性格が男なので、相手の機嫌を取りにいくような女々しい男の人が苦手なんです。あ、でも女性らしい女の人は好きですよ(笑)。
──『新宿パンチ』も男の生き様が描かれている作品ですが、そんな男らしい小澤くんが憧れる男の姿とは?
小澤:譲れないものがはっきりしていて、それを守るために行動できる人は男としてかっこいいなって思います。例えば会社を守るとか、友達を守る、後輩を守る、そういうことを自分を犠牲にしても貫いている人は魅力的で素敵だと思います。
矢柴俊博さんが演じている方正の上司・露崎が、とても魅力的な人なんです。なんでそう見えるんだろうって思ったら、スタッフのことをしっかり考えている姿とか、御法度の薬をやっている人を許さないとか、信念をしっかり持っているというところがかっこいいんですよね。
──方正の生き方という点では、方正の父親が彼にかなりの影響を与えた存在だと思いますが、父親役の鼠先輩は普段俳優として活動している方ではないですが、共演してみていかがでしたか?
小澤:積極的に周りとコミュニケーションをとられていて、すごく気遣いができる方です。鼠先輩がいるときは、現場が和やかで明るい空気になっていました。僕は自分からコミュニケーションを取りに行くのが苦手なタイプなので、見ていて羨ましいと思いましたし、あんな風になりたいなと思う存在でしたね。
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──コミュニケーションを取るのが苦手ということですが、自由に振る舞ってのびのびとしている方正の姿からはまったく想像できないです。性格が違う役ということで、演じるうえではいかがでした?
小澤:まっすぐな性格でピュアで世間で知らずだから、言われたことを信じてしまうという方正のキャラクターがすごく愛くるしいなと思っているんです。自分が愛せる役は、それだけで愛をもって演じられるので役に入りやすいんですよね。だからこそ、彼がのびのびと自由に生きているように見えているんじゃないかと思います。
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方正に出会ったいろんな人たちが、悪い方向に行ってしまってもまた戻ってくるという姿が劇中で描かれていて、方正は歌舞伎町の薬みたいな存在なのかも、と思いました。自分でも気づかないような内面の邪悪さやモヤモヤを、方正によって全部さらけ出されてしまう。玄さん(宮崎秋人)が方正と殴り合った後にいうひと言に、方正の人間性が凝縮されていると思うんです。関わった人の膿を出すことができるというか、そういう不思議なパワーを持っている存在だと思って演じました。
──では、最後に今作の見どころをお願いします。
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小澤:主人公の見た目からして奇抜ですし笑いもありますが、その中にちょっと心がざわざわするような場面もあったり、逆にざわざわするバイオレンスなシーンに笑いが織り交ぜられていたり、物語が目まぐるしく展開するので、本当に飽きずに見られる映画だと思います。僕を応援してくださる方は女性が多いんですけど、男女どちらも楽しんでもらえる作品なので、男性の方にもぜひ見ていただきたいです!
小澤廉さんの喜怒哀楽のエピソード
撮影現場での喜怒哀楽にまつわるエピソードを教えてもらいました。
小澤廉さんの「喜」
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毎熊(克哉)さんの笑顔を見れたこと。劇中の高岡タカシはすごく怖い人なので、毎熊さんもずっと怖い顔をしているんですけど、笑顔がめっちゃかわいいんですよ。だから、どうやって毎熊さんを笑わそうか、って考えてました。
小澤廉さんの「怒」
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最後に方正がタカシに対して感情を爆発させるシーンがあるんですけど、あれは方正自身も、何を言っているか自分ではわかってないんですよね。人を傷つけることをやめろっていうことを言いたかったんだと思うんですけど。怒るってすごく体力がいるし、俺だったら一切関わりたくないなって思う相手にも、最後まで向き合って怒る方正は心の底からいいやつだなって思いました!
小澤廉さんの「哀」
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タカシが、ある人を間違った道に導いてしまったところは見ていて悲しくなりました。間違った道に行ってしまったら、心が更生しても戻ってこれないんだなっていうのが結構シビアに描かれているところにリアリティがあると思います。
小澤廉さんの「楽」
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糸田ルミ役の吉倉あおいさんとの二人乗りのシーンがすごく楽しかったというか、なんだか方正とルミの青春を感じました。あれが最後のシーンだったんですよ。タイトなスケジュールで体力的にも精神的にもきつい状態だったんですけど、チャリを漕いでるときに「最後のセリフを言ったら終わっちゃうから、言いたくないな」って思うくらい。大変だったけれど、その分やりがいもあって、楽しい現場でした!
(撮影:八木英里奈、取材・文:大谷和美)
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