特撮向上委員会

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2019年02月24日

キカイダーが仮面ライダーキカイやるんかい!『仮面ライダージオウ』から思い出すメタルヒーローたちの魅力

キカイダーが仮面ライダーキカイやるんかい!『仮面ライダージオウ』から思い出すメタルヒーローたちの魅力

■オジンオズボーンオジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

平成仮面ライダー20作目の『仮面ライダージオウ』。

10作目の『仮面ライダーディケイド』のようにレジェンドライダーがゲスト出演し、毎週どんちゃん騒ぎのお祭り状態になるかと思いました。しかし、どこでオーマジオウに、そして本当に常磐ソウゴがオーマジオウになるのかという最大の伏線を引っ張りながら、ゲストありきではなくストーリーありきの軸がぶれない展開の物語を、じっくり噛んで味わいながら、回を重ねるごとにのめり込んでいかせていただいております。

過去のライダーに認めてもらってライドウォッチをもらうという構図に毎回興奮しつつも、偉そうに言わせていただくなら想定の範囲内だったのですが、2019年に入ってからの「ジオウ」は想像の斜め上いく展開で胸が躍りっぱなしです。

2018年末に白倉プロデューサーにインタビューさせていただいた際、「ネットバレが当たり前の昨今ですが、ネットバレ上等。そんなの関係なしに驚かせます」とおっしゃられていたのを聞いて期待していたんですが、期待より余裕で遥か上の展開。

■平成仮面ライダーとは“謎の概念”!?『仮面ライダージオウ』白倉P&武部Pに篠宮暁が直撃!

大泉学園の撮影所に向かって、一礼させていただきました。

まさか未来の仮面ライダーまで出してくるとは。

そしてそのキャストがまたシビれる人選。

最初に出てきた仮面ライダーシノビには『手裏剣戦隊ニンニンジャー』でスターニンジャー/キンジを演じていた多和田任益さんが。

スーパー戦隊OB、しかも忍者つながりの役ということで、「ディケイド」とも「ジオウ」前半とも違ううれしさがこみ上げてきました。

続いての仮面ライダークイズには『特命戦隊ゴーバスターズ』のレッドバスター/桜田ヒロム役の鈴木勝大さんが。

ここまでも最高なんですが、次がとにかく驚きました。

3人目の未来ライダー・仮面ライダーキカイに、ほんの直前まで「ルパパト」にザミーゴとして出演されていた入江甚儀さんが。

ファンが驚き喜んだポイントは、敵組織からのスーパー戦隊OBとしての出演ということに加え、「キカイダーが仮面ライダーキカイやるんかい」というとこに尽きるでしょう。

キカイダー REBOOT



原作の放送終了から41年経った2014年に公開され、大きな話題を呼んだ映画『キカイダー REBOOT』で、キカイダーことジローを演じていた入江甚儀さん。

ちなみに「ジオウ」の脚本を書かれている下山健人さんが「REBOOT」も執筆しています。

今回はそのキカイダーではなく、本家の方のオマージュになっています。

呪い オレンジアントの死の挑戦



まず、何と言ってもあの服装。

DNAに刷り込まれているのか、無条件でヒーローとして認識できてしまうデニムの上下。

そして充電時のポーズは、キカイダーにチェンジするときのポーズそのもの。

それ以外に、キックにはザミーゴの要素を入り、凍らせている部分も胸アツポイント。

しかしやはり一番のポイントは、動いたときにウイーンと鳴るマシン音。

あのロボット感、30代後半から40代前半の特撮ファンはもれなく好きだと思います。

なぜなら、ロボット感満載のヒーローを見て育ったからです。

第15話「ロボライダー誕生」



同じライダーでいうと1988年の『仮面ライダーBLACK RX』の

RXがパワーアップして登場するロボライダー。

今では当たり前となった多段変身ですが、そのはしりがRXで、ライダーなのにメタルヒーローのような質感と動きに虜になってた5歳の自分。

その前年の1987年は僕の中でロボットヒーロー元年としている年でして、『超人機メタルダー』というロボットヒーローに魅せられた1年でした。

僕らの世代で赤と青の左右非対称のヒーローといえば、キカイダーではなくメタルダーなんです。

第二次世界大戦中に作られ、人間態の姿を神風特攻隊で死んだ古賀博士の息子に寄せたという設定、腹の奥に響くささきいさおさんが歌う重厚感たっぷりの主題歌、ロボットの悲哀を描く数々の珠玉のエピソード、

体内の装置が壊れ、このままでは地球を破壊するほどの爆発がおこってしまうため、一緒に戦ってきた仲間に、刀で己の体を貫いて壊してくれと懇願する最終回など、これらの要素を4歳の頃にリアルタイムで見ることができていた環境に感謝しています。

数々の非常に重いシーンが強烈だったせいか、メタルダーを見てたときにテレビを囲んでいた家族の様子まで覚えています。

壮絶!ジバン死す



マシン音が徹底されていた1989年の『機動刑事ジバン』と1993年の『特捜ロボ ジャンパーソン』も最高。

二人とも最初は完全無欠のヒーローとして描かれるんですが、無敵だと思わせたとこでとんでもなくやられる回が入ってくることで、そこに逆に人間味を感じて、当時、いつの間にか一生懸命応援してる自分がいました。

ジバンなんかパワーアップしてパーフェクトジバンになる直前、腕をもがれて夕日バックで倒れるんですが、『超新星フラッシュマン』のフラッシュキングが倒れるシーンと並んで、脳に消えないほどの深い跡をつけたシーンのひとつです。

仮面ライダーキカイの登場をきっかけに、色々とフラッシュバックさせていただきました。

久々にがっつりロボットヒーローが見たいと願いつつ、引き続き「ジオウ」を応援していきたいと思います。

(文:篠宮暁)

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】
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第91回:スーパー戦隊に欠かせない巨大ロボ。三体合体ロボの魅力や法則とは?
第90回:万丈を堪能できる『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』の魅力を力説

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