映画コラム

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2019年03月02日

映画のエンドロール後に「オマケ」がある確率は?

映画のエンドロール後に「オマケ」がある確率は?



Photo credit: blondinrikard on Visualhunt / CC BY 



映画館でいい映画を観終わった後、あなたならまず最初に何を考えるだろうか?

映画のラストについて深く考えてみる方もいれば、監督の過去作品もチェックするぞと意気込む方、それからTwitterでどういう感想を書こうかと考え始める方もいるだろう。

しかし、少し待って欲しい。

そういったことを考え始めるその前に、きっと映画館で”必ず”全員が考えることがあるはずだ。

そう、それは「この映画、エンドロールの後にオマケ映像あるのかな?」という疑問である。

というわけで今回は、映画の本編終了後に湧いてくる人類最大の疑問とも言える「エンドロール後のオマケ映像」について調べていきたい。


1:映画のエンドロール後に、オマケ映像・音声がある確率は何%か



早速本題に入るのだが、今回は90年代、00年代、10年代それぞれの年代で、日本でヒットした洋画の上位50作品(計150作品)を対象に、「エンドロールの後に、オマケの映像・音声があるかないか」を調べてみた。

調べ方としては、まず Media Stringer というサイトを参考にしている。これは「映画のクレジットに関するデータだけを集めている」という世にも奇特な海外サイトで、今回の調査には非常に便利なので使用させていただいた。
※また、類似のサイトで Anything After というサイトもあり、こちらも補完的に今回使用させていただいている。

あわせて、上記サイトを参考にしつつ、Amazon Prime等の複数動画サイトでも実際にエンドロールを確認した。もちろん、映画館とデジタル配信ではバージョンが異なっていたり、そもそも国内外で内容に変更があることもあり得るため、完全なデータではないとは思うが、予めご了承いただければと思う。

というわけで前置きが長くなったが「映画のエンドロール後にオマケ映像(や音声)がある確率が何%か」を調べてみた結果が、以下のグラフだ。




結果は27.7%。約4本に1本ほどの割合である。

この数字をどう捉えるかは個人の感覚によると思うが、エンドロールの途中で「どうしてもトイレに行きたい」「でもオマケがあるかもしれない」という葛藤に直面した時に、この「トイレを我慢したとして、オマケ映像がある確率は27.7%」という数字が、少しでも判断の参考になれば幸いである。(※個人的にはトイレに行かれた方がいいかとは思う)


では、具体的にエンドロール後にオマケがある映画にはどういうものがあるのだろうか。
代表的な例を挙げると、以下のような作品がある。

・『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ

・『リメンバー・ミー』『モンスターズ・ユニバーシティ』などのディズニーピクサー作品

・『アナと雪の女王』『モアナと伝説の海』などのディズニー作品

勘のいい方はピンと来るかと思うが、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズもディズニーが製作した作品なので、簡単に言えば「ディズニー映画を観るときは、出来るだけエンドロールの最後まで観た方が良い」ということになりそうである。

また、全体的にアニメーション作品の方がエンドロールでも遊び心を出しやすいのか、オマケ映像がある傾向が強いようだ。こちらの豆知識も、映画館でいつ席を立つべきかに悩んだ時の参考にしてもらえれば幸いである。


2:映画のエンドロール中に、オマケ映像が楽しめる確率は何%か



では次に、「エンドロール後にオマケはないが、エンドロール中に凝った映像が入っている」確率を見てみよう。




こちらの結果は20.6%。エンドロール後にオマケがある映画もあわせると、実にヒットした洋画のうち約48%が、エンドロールの時に何かしらのオマケ映像を入れていることになる。

ちなみに、こちらも具体的な作品を見てみると、エンドロールとともに美しいコンセプトアートを楽しませてくれた『グレイテスト・ショーマン』、迫力のあるサウンドトラックが印象的だった『インクレディブル・ファミリー』などが挙げられる。

こちらも、比較的華やかな作品や、ファミリーで楽しめる作品が多いような印象があるが、実際エンドロール中にオマケ映像が付けられている映画には、”ある特徴”が存在する。


3:【年代別】エンドロール後のオマケ映像の変遷



では、エンドロール中にオマケ映像がある作品の特徴とはなんだろうか。答えは以下のグラフにある。




グラフを見ればお分かりの通り、ずばり「2010年以降に作られた映画」は、大半がエンドロール後・エンドロール中のどちらかにオマケ映像が付けられているのだ。

つまり、映画は「時代を経て、だんだんとエンドロール後やエンドロール中にも映像が付けられるようになってきた」というのが実態であり、特に最近の洋画ヒット作であれば、かなりの高確率でエンドロール後・エンドロール中におまけがあると考えて良さそうである。

ちなみに、さらに詳しく観ると、90年代には、ほんの一部の作品だけに「エンドロール後のおまけ音声」が付けられていた(代表的な例でいえば『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』で、エンドロールが終わった後に、ダース・ベイダーの呼吸音が入れられていた)

それが2000年代にかけて、徐々に「エンドロール後のおまけ映像」が増えていき、2010年代に入ってからは、エンドロール後だけでなく、エンドロール中も観客が楽しめる映像を入れる傾向が強くなってきたようである。

このままの流れでいけば、2020年代以降はエンドロール中に映像がある方が主流になってもおかしくないのかもしれない。
個人的にはエンドロール最後まで待ったときの「オマケがあった!」というあのワクワク感も好きなのだが、細部までこだわって作られたエンドロールも楽しいので、この「エンドロールも含めて、まるごと映画を楽しめる」という傾向はぜひ歓迎していきたい。

どんな映画にも存在するエンドロール。わくわくしながら最後まで観る人も、席を立って早く感想を言い合いたいと思う人も、人それぞれの楽しみ方があると思うが、少しでも今後の映画館の楽しみ方の参考になれば幸いだ。

(文:まいしろ)

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