インタビュー
シネマズ編集部が語る「映画のハナシ」at森の映画祭2019
シネマズ編集部が語る「映画のハナシ」at森の映画祭2019
2019年9月21日(土)に静岡県沼津市にある泊まれる公園「INN THE PARK」で開催されたオールナイトの野外上映フェス「夜空を交差する森の映画祭2019」。
メインステージでは、毎年恒例の「2019年話題作&今こそ見たい名作たちのハナシ」と題して、シネマズPLUS編集部のヤギシタシュウヘイ編集長、大谷和美副編集長が登壇しました。
ヤギシタ編集長、大谷副編集長が登壇
今年で6回目を迎えた同イベント。
シネマズPLUS編集部は4年連続の登壇となりました。深夜2時半過ぎから始まったトークショーは今年の話題作を振り返るクロストーク。一体どんな話が交わされたのでしょう。
劇場版『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』
ヤギシタ:早速、今年の映画を振りかえっていきたいと思いますが、まずは毎年紹介している「コナン」の映画から。劇場版『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』は、初めて海外が舞台で迫力がありました。よく例えでワインのボジョレー・ヌーボーのような感じで、「今年のコナンの出来は?」なんて映画好きの間では話しているんですけど、今年も面白かったけど、今までで一番ではなかったですね。ちなみに大谷さんはコナンの映画で一番のおすすめはなんですか?
大谷:私は平次推しなので、「から紅の恋歌(ラブレター)」一択で推したいと思います。
シネマズPLUSヤギシタシュウヘイ編集長
ヤギシタ:まったく同感です。好きな方多いですよね。この作品は映画だけでストーリーが完結するので、謎解きもありつつ、ラブコメ要素もあって、ライトに誰でも楽しめる映画になっています。劇場版のコナンを観たこと無い方は、この作品から入っても十分面白いと思います。
今年話題作の『天気の子』
ヤギシタ:続いては『天気の子』。これは観た方も多いでしょうね。
『天気の子』は賛否が割れているんですが、あとは好みだと思っています。新海監督はいろんなメディアのインタビューで「『君の名は。』で怒った方をもっと怒らせたい」って言っていて、その理由として、自分の中でチャレンジして、自分はこういう作品をやるんだという意気込みを持ってやっていると。『天気の子』は後半、予想外の展開をするんですけど、その理由が分かります。ラストに向かって主人公の心に素直に突き進んでいく姿がすごく良いですよね。
大谷:『君の名は。』を観てみない私こそ、観たほうが良いですかね?
ヤギシタ:観た方がいいと思います。誰が見ても語りたくなる映画なので、好きな人と語ると「そんな視点があるんだ」という感じで必ず、新しい発見があると思いますよ。
「ノーサイドゲーム」も池井戸作品
ヤギシタ:続いては池井戸作品について。
『七つの会議』は「半沢直樹シリーズ」や「下町ロケット」などと同じく池井戸潤さん原作ですが、映画化は初めてなんですよね。キャストもかなりのベテランが揃っています。かなり濃いですが、2時間コンパクトに収まっているミステリーというか動画配信も始まってDVDも販売されているので池井戸潤のドラマが好きな方はぜひ観てみてください。先日終わった「ノーサイドゲーム」も池井戸潤の原作ですよね。今はParavi(パラビ)でしか見られませんが、ラグビーのルール分からないけど、ラグビーワールドカップが気になるなと言う方は観てみるといいですね。
シネマズPLUS 大谷和美副編集長
ヤギシタ:ここからは今年良かった作品をランダムでピックアップしていきます。
まずは『うちの執事が言うことには』これは大谷さん。
大谷:わたしはこの原作者の高里椎奈さんの作品が好きであげました。衣装とか世界観は少し不満が残るんですが、ミステリー要素があって、謎解きという感じで楽しめます。
ヤギシタ:次は『アルキメデスの大戦』。菅田将暉さん主演で、山崎貴監督の作品です。
山崎監督の作品はCGやVFXがウリの作品が多いですが、この映画の魅力はなんと言っても会話劇です。ドラマ『3年A組』の演技もすごかったですが、それに匹敵するくらい熱演を見せているので、菅田将暉くんの演技が好きな方は絶対に観たほうがいいです。
第二次世界大戦の映画なので、結末は分かるんですけど、結末分かっていてもドキドキする映画は魅力的だと思います。
『凪待ち』
ヤギシタ:続いて『凪待ち』これは大谷さん。
大谷:もともと白石和彌監督が好きなんです。
誰が殺したのか、なんで殺したのか?というミステリーぽいストーリーですが、とにかく香取慎吾さんがものすごいクズを演じているんですよ。なんどか更生しようとするんですが、なかなか更生しなくて…。最後の最後まで観ると、なぜ白石監督が香取さんをキャスティングしたのかがよく分かって、香取さんが今まで芸能界で積んできたキャリアがあっての、この役というのを感じがしたので、白石監督はやっぱりすごいなと感じました。暗い話で観ていて辛いんですけど、そういう話が好きな方は見ていただければいいなと。
ヤギシタ:俳優のイメージがあるからこそ、そこを逆手にとってキャスティングするというのは魅力的ですよね。
ヤギシタ:次の『月極オトコトモダチ(Rent a Friend)』も大谷さん。
大谷:私はシネマズPLUSでこの作品に出演している橋本淳くんが書いているコラムを担当しているんですけど、この作品はインディーズ映画でレンタル友だちが恋愛に発展しないという契約のもとに呼ぶのですが、それが一体どうなるのかという作品です。
ヤギシタ:これはラブコメ?ラブストーリー?
大谷:淡々と進みつつ、心情を描きつつ、ただ暗くはなくて、もし主人公の子の友だちだったら「もうちょっとしっかりしなよ!」みたいな気持ちで見ちゃいます。
社会人になった時の感じを思い出させてくれる作品ですね。若さっていいなって感じ(笑)
▶橋本淳さんライターページ
シネマズPLUSヤギシタシュウヘイ編集長
ヤギシタ:続いてはマーベル映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』。
映画は年に何千本と公開されていて、私もシネマズPLUSの編集長として多くの映画を観ていて
、マーベル映画も観ているんですが、アベンジャーズは去年の『インフィニティ・ウォー』と今年の『エンドゲーム』を観て、本当に感動しましたね。最後の「終わった!」という満足感が得られました。配信でも観られるようになっていますけど、マーベルの一連の作品で毎回、話題にあがるのが「全部観れてません問題」ですよね。
大谷:私は邦画派なので、洋画をあまり観なくって、シリーズものって聞くと「じゃあ1から観なきゃ」と思っちゃうんですけど。
ヤギシタ:よくネットとかで「どの作品を観ればいいですか?」と聞かれるんですけど、
全部だと大変なので、おすすめは去年の『インフィニティ・ウォー』を観て、そのあとこの『エンドゲーム』に突入していいと思います。もちろん分からない部分もあると思いますけど、まずは観て、気になったら前作に遡るという形でもいいと思う。
これはシリーズもの全部に言えることですけど、全部理解できることは楽しいですが、それはハードル高いので、話題作だから見てみるかという気持ちで観ていいと思います。
シネマズPLUS 大谷和美副編集長
ヤギシタ:続いては『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』。
大谷:この作品は平成最後の仮面ライダーでオダギリジョーさんの「仮面ライダークウガ」から20作目に当たるんですけど、それまでの平成ライダーの力を使えるというライダーで、観ていた平成ライダーがあるよって方がいれば、楽しめる映画かなと思います。
ヤギシタ:大谷さんが仮面ライダーを好きになったきっかけはなんだったんですか?一番好きなシリーズは?
大谷:きっかけは2000年に放送された「仮面ライダークウガ」と「未来戦隊タイムレンジャー」ですね。当時はどっちかというと戦隊モノを夢中で観ていたんですけど、2014年の「仮面ライダードライブ」から仮面ライダーに目覚めました。
一番好きなシリーズは、クウガやドライブもビルドも面白かったので、なかなかこれが一番というのは決められないですね。
多くの動画配信サービスがある
ヤギシタ:ちょっとここで動画配信サービスの話をしてみたいと思います。
今はいろんなサービスがありますが、さっき参加者の方と話をした時にNetflix (ネットフリックス)で観ているという方が結構いたんですよね。その他にもAmazonプライム・ビデオ、Hulu(フールー)、dTV、Disney DELUXE(ディズニーデラックス)など、様々な動画配信サービスがあります。ちなみに大谷さんはなにかに入っていますか?
大谷:私はAmazonプライム・ビデオとFOD(フジテレビが運営する動画配信サービス)に入っています。デスクにiPadを置いて、隣で観ながら仕事しています。
ヤギシタ:自分は仕事柄ほとんど入っているんですけど、友だちに「どれに入ったほうがいいの?」とよく聞かれるんですよね。手軽なのはAmazonプライム・ビデオ。Amazonで買い物する方にはAmazonプライム会員なら観られます。Netflix (ネットフリックス)は、オリジナルシリーズがあるのが魅力的ですね。最近では山田孝之さんが主演の『全裸監督』というオリジナル作品が狂気じみた作品として話題です。
ヤギシタ:あとはテレビで観るのかPCで観るのかスマホで観るのかなど環境によって相性があるので、まずは無料期間で試しに比べてみるのもいいかと思います。個人的には手軽さでAmazonプライム・ビデオとコンテンツの濃さでNetflix (ネットフリックス)を推したいと思います。
『翔んで埼玉』
ヤギシタ:最後にどうしても『翔んで埼玉』について語りたいと思います。
もし埼玉県出身の方でこれを観てない方が居ましたら、このイベント終わって帰ったら寝ないで観てくださいというくらいおすすめです。私は埼玉出身なんですが、浦和VS大宮という不毛な戦争シーンがあったり、他にも埼玉VS千葉っていうシーンがあるんですけど、千葉県民はXJAPANのYOSHIKIさんをあげて、埼玉県民はTHE ALFEEの高見沢さんをあげるという不毛な争いがあって、いい意味で全く生産性のない映画で面白いです(笑)
大谷:大物芸能人のいい意味での「無駄使い感」が見終わったあとに贅沢な気分になります。心に残るものは無いんですけど、大作見た感はありました。
ヤギシタ:GACKTさんが主演級で出ているのにエンディングテーマは、はなわさんの「埼玉県のうた」ですからね。浦和の映画館で観た時は拍手が起こりましたよ(笑)
当日は直前まで雨予報でしたが、イベント中は降らず、月が出る場面もありました。
会場内の3ヶ所で映画上映やワークショップ、トークショーの他に、今年は新たな試みとして会場の一角に「スナックよぞら」が作られ、シネマズPLUS編集部と映画について、話が出来るコーナーでは映画好きが集まって映画談義に花が咲きました。
”いつのまにか”を世界観に開催された「夜空を交差する森の映画祭2019」。
会場の静岡県沼津市の泊まれる公園「INN THE PARK」は、まるで絵本の世界に入り込んだかのような幻想的な光景の中で、メインステージでは『インターステラー』や『ムーンライズ・キングダム』などが上映。イベント参加者はその世界観と映画を、夜通し楽しんでいました。
▶夜空と交差する森の映画祭2019 / FOREST MOVIE FESTIVAL
(取材・写真・文:中川マナブ)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。