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2019-12-28

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『ジョジョ・ラビット』10歳のジョジョが入隊したヒトラーユーゲントとは? ワイティティが描く人間への愛情深さと希望




先日発表された第77回ゴールデングローブ賞ノミネートにおいて、作品賞(ミュージカル&コメディ部門)と、主演男優賞(ローマン・グリフィン・デイビス/ミュージカル&コメディ部門)の主要2部門でノミネートされたタイカ・ワイティティ監督最新作『ジョジョ・ラビット』。2020年1月17日(金)より公開される本作は、第二次世界大戦中のドイツを舞台に戦時下に生きる人々の生きる歓びと人生の真実を弾けるユーモアとともに描き出しています。

今回は、作中で主人公ジョジョが入隊する、実在した青少年集団”ヒトラーユーゲント”とはどんな組織なのか?そして、その悲劇に向き合い、ワイティティが本作で描きたかった“希望”に迫ります。




本作の物語は、二次大戦下のドイツ、典型的な10歳の少年である主人公ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)が、念願だった青少年団体ヒトラーユーゲントに入隊することで動き出します。ヒトラーユーゲントとは、1926年に正式に設立されたナチス党内の青少年組織であり、ヒトラーを”心から崇拝すべきヒーロー”として仕える少年兵を生み出すために、当時のドイツでは法律で10~18歳の青少年はこのヒトラーユーゲントに加入することを義務付けられていました。

スポーツや野外キャンプを中心に男子心をがっしりと掴みながら、ナチスの精神こそ正義だと信じて育てられており、劇中でも心の優しい純粋無垢な少年ジョジョがアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)を空想上の友だちにして「一番強いのはミサイルだ」「戦争は我々の勝利で終わる!」と力を込めるシーンが何度も登場します。




ワイティティは、本作の脚本作りにあたって、多数の文献を参考にして徹底的に考証し、当時の子供たちが総動員で入隊したヒトラーユーゲントについて「あれは単にクラブに属しているようなもので、子供たちの多くは、そのグループから外れていたら命取りになる。その一員でいなければ、人生はおしまいと思うわけです。いじめられ、仲間外れにされてしまうので、生きる価値がない人生となってしまうから、そのグループの一員になろうと躍起になるんです。子供たちの制服、格好のいいベルトのバックル、稲妻やどくろ印への憧れを利用し、「今、僕はこのグループの一員なんだ」と思わせる。

そして基本的に両親を拒絶するように言われたんです。ナチスは、子供たちに両親を無視するように告げ、「彼らの言うことなど聞くな。我々の言うことだけを聞くように。両親が我々と違うことを言ったり、我々のことを批判するようなことがあれば、密告せよ。そうすれば処置する」と言いました。だから両親は口を閉ざしました。まるでゾンビのようになってしまったために、子供たちはグループに属し、両親から聡明なアイデアを聞くよりも、制服を着てかっこ良いクラブに所属する方がよほど良いと思うようになってしまったんです。そういう流れを僕は理解しています。」と見解を明かしています。




さらにワイティティは、そんなヒトラーユーゲントで、言わば間違った形で育てられた子供たちには罪はないことを断言し、本作を通してそのスタンスを一貫。

「単に子供でいることができる、という子供の才能が奪われたのです。親に歯向かうことをそそのかされ、実際にナチスに否定的なことを言う親は子供に拒絶されました。そんな親を密告するように教育され「ヒトラーがあなたの本当のお父さんです。言うことはなんでも聞きなさい」と言われていました。800万人もの子供がそんな青少年教育プログラムを受けていたのです。本当にものすごく多くの人生が悪影響を受けました。このようにして大量の洗脳が行われたということは、恐ろしいことです。悲劇であり、胸が張り裂けそうなことです。800万人もの子供が親を愛するという概念を捨てさせられ、代わりにあの道化の男に従わざるを得ませんでした。もし僕の娘がこの教育を受け僕の言うことを聞かなくなり、僕を愛さなくなり、他の誰かを愛するようになったらと考えただけでも……胸が張り裂けそうです。そして本当に恐ろしいことです。

ですから、「だってナチスの主義を信じていたナチス党員でしょ」と切って捨てるわけにはいかないと思います。なぜなら彼らは、ほんの子供だったわけですから。これは今も世界中で起きています。大人の主義を教え込まれている子供がたくさんいます。子供は簡単に影響を受けてしまうのです。ジョジョの成長物語の素敵なところは、いろんな人の影響を受けながらも自分の意思と経験によって自分の考えを深め、羽ばたいていくところなのです。」

戦況が悪化した大戦後半は、ジョジョと同じく僅か10歳の子供たちも志願兵として多くの団員が戦闘に送り込まれ、実に計800万人もの少年が疑うことなく所属していたという衝撃の事実から逃げることなく、ワイティティにしか出来ないスタイルで、ファンタジーとユーモアたっぷりに愛情深く描いています。

ナチスの悲劇的な歴史を真摯に扱いながら、笑いと感動が包む不朽の名作『チャップリンの独裁者』(40)や『ライフ・イズ・ビューティフル』(97)などののように、映画史に刻まれ語り継がれていくこと間違いなしです!

公開情報


『ジョジョ・ラビット』
■監督・脚本:タイカ・ワイティティ(『マイティ・ソー バトルロイヤル』)
■出演:ローマン・グリフィン・デイビス、タイカ・ワイティティ、スカーレット・ヨハンソン、トーマシン・マッケンジー、
サム・ロックウェル、レベル・ウィルソン他
■全米公開:10月18日
■原題:JOJO RABBIT
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
■コピーライト:©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation &TSG Entertainment Finance LLC
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