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2020-02-22

コラム

『Red』レビュー:不倫バッシングに熱を上げてしまう人にこそ、この秀作を見ていただきたい!

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(C)2020「Red」製作委員会 



ここ最近、週替わりのように報道される不倫ニュースの数々に、正直うんざりしています。

もちろん不倫を肯定する気などさらさらありませんが、こういうのは当事者たちの問題であり、外野からあれこれいうものでもないでしょう。
(報道も他に大きく採り上げるべきものがたくさんあるのに、何やってんだか……って、今更ながらの愚痴としか今や受け止められなくなって久しいご時世でもありますが)

また今はSNSの発達のせいもあって、不倫の当事者たちに対して激しいバッシングがなされては炎上、といった事象も懲りることなく繰り広げられてはいます。

ただし、深いところでの事の真相(深相とでもいうべきか)もわからないまま、上っ面の報道だけを鵜呑みにしながら、第三者が頭ごなしに彼ら彼女らをまるでストレスのはけ口のように叩き続けるのも大きな暴力にしか思えない部分もあります。

一方で、映画や小説などはこれまで数知れないほどに不倫をモチーフにした作品を発表してきました。

人生の光と闇を描くに長けたこれらのメディアは、日頃「禁断」とされるものにこそ着目し、またそこからは当事者たちの「なぜこのような行為に至ったのか?」といった内面心理を描出していくことで、人間の本質を見極めようとしているかのようでもあります。

2月21日より公開される映画『Red』もまた、ひとりの人妻の道ならぬ恋を描いた作品……などと記してしまうと身も蓋もないほどに、ヒロインの心の推移や周辺の状況、それに伴う葛藤などが繊細かつ見事なまでの説得力をもって描出された恋愛映画の、いや人間ドラマとして一大収穫ともいえるでしょう……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街442》

原作は「ナラタージュ」や「ファースト・ラブ」などで現代女性の圧倒的支持を得続ける島本理央の同名小説。監督は『少女』(16)『幼な子われらに生まれ』(17)など人間の心理を細やかに描き続ける三島有紀子。

即ち、この作品は21世紀も20年経ち、令和などと元号が変わっても、何ら解決されない(むしろ複雑化してきている?)現代女性の生きづらさや息苦しさ、また現代においてもそれを無自覚なまま強い続けている男性のエゴなどを秀逸な映像センスで描き得た秀作なのです。

一見幸せな生活を送る主婦に
もたらされる人生の試練


映画『Red』は大雪の夜、電話ボックスの中で受話器を握りしめている女・村主塔子(夏帆)と、停まった車の外から彼女を見つめ続ける男・鞍田秋彦(妻夫木聡)の、寒々しくもどこか異様で虚無的にも映える風景から始まります。

果たして、ふたりの関係性は……?

映画は回想に入ります。

塔子は一流商社に勤務する優しい夫・真(間宮祥太朗)と幼い愛娘の翠、そして真の親と同居しています。

はたから見れば何一つ不自由のない、明るく恵まれた家庭。今のところ深刻な嫁姑問題もなさそうです。

しかし、よくよく見ていくと「おなかが空いてないから」と塔子の作った料理を拒みつつ、姑の作った煮つけは「後で食べる」とさらっと言ってしまう真を黙認するなど、どこかしら塔子は自分を抑え込みながら生活しているかのような趣きもあります。

そんなある日、真に連れられて訪れたパーティの場で、塔子は鞍田(妻夫木聡)と10年ぶりに再会します。

塔子は学生時代に鞍田の設計事務所でアルバイトをしており、一時は男と女の関係になったものの、当時の倉田は既婚者であったことから、それ以上危険で深いところまで行くことはありませんでした。

しかし今の鞍田はフリーで、友人の会社で設計の仕事を携わっているとのこと。

久々の再会に戸惑う塔子でしたが、まもなくして鞍田が務める会社に誘われます。

共稼ぎする必要のない裕福な暮らしを自負している真は不満気ですが、無下に反対もしきれぬまま塔子の就職を認めます。

働き始めることで、家庭にはなかったやりがいを徐々に見出していく塔子。

しかし、同時に鞍田との関係も再び呼び覚まされていくことになり……。

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