映画コラム

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2020年02月27日

『初恋』レビュー:三池監督ならではの血と暴力と笑いが、純愛を軸に駆け巡る快作!(怪作?)

『初恋』レビュー:三池監督ならではの血と暴力と笑いが、純愛を軸に駆け巡る快作!(怪作?)



染谷将太が、そしてベッキーが
キャスト全員が狂ってる!


本作はひょんなことから知り合った男と女が、ヤクザや悪徳刑事らさまざまなワルの追跡を交わしていきながら愛を育んでいく物語(……なのか?)。

とにもかくにも三池作品の面白さといえば、多彩な演技陣の魅力を120パーセント以上高めてくれるところにあり、その意味でも今回は特にやってくれたな! と快哉を叫びたくなるほどです。

特に狂ってるのは、今回の諸悪の根源ともいえるヤクザを演じる染谷将太で、最近は若き日の空海まで演じておきながら、こんなことやってていいのか?(いいんですけど)と爆笑必至の大熱演!



(C)2020「初恋」製作委員会 




また同じくらいすごいのが、恋人の仇を取るべく暗躍し続ける女ジュリ役のベッキーで、怪演という言葉はきっと彼女のような存在に向けて捧げられるべきものなのだろうと唸らされるほどで、もう何もかもかなぐり捨てたかのようなオーラには圧倒されるのみ!



(C)2020「初恋」製作委員会 




ストーリー展開もオイオイオイ! と突っ込みたくなるほどに目まぐるしくも大胆不敵で、「そうそう、三池映画って本来こうだよね」といったエッセンスが徹頭徹尾濃厚に貫かれているのでした。

そんな中で、タイトルロールの“初恋”を請け負う(?)窪田正孝と小西桜子のみずみずしさがより映えわたります。

特に窪田正孝は2008年のTVドラマ『ケータイ捜査官7』で三池監督に見出されて主演しており、その際三池監督は「10年後になれば、彼を起用した理由がわかる」、即ち10年後には俳優としてブレイクしていることを予言。

事実そうなった窪田正孝を、ほぼ10年ぶりに主演に起用するという、何ともイキな計らい!

論より証拠で、まずはご覧になってください、三池崇監督ならではの血と暴力と笑い、そして純愛(!?)の映画『初恋』を!

(文:増當竜也)

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