映画コラム

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2020年05月29日

横浜流星の“隆盛”を堪能できる映画&ドラマ5作品!

横浜流星の“隆盛”を堪能できる映画&ドラマ5作品!



最近の実力派若手男優はTV特撮ヒーロー番組出身者が多数を占めて久しいものがありますが、横浜流星も『烈車戦隊トッキュウジャー』出身で、そこを基点に今をときめく人気スターとなって久しい感があります。

1996年9月16日、神奈川県の生まれで、小学校6年生のときにスカウトされて芸能界入り。

メンズモデルを経て2013年に俳優デビューし、その後の活躍はご承知の通り。

一方では極真空手を習い、数々の大会で優勝記録を持つタフガイでもあります。

今回はそんな横浜流星の魅力を堪能できる作品群をご紹介!

GReeeeN映画プロジェクト
『愛唄―約束のナクヒト―』




 (C)2018「愛唄」製作委員会



人気ボーカル・グループGReeeeNの名曲《キセキ》誕生までの実話を基に映画化した“GReeeeN映画プロジェクト”第1弾で、松坂桃李&菅田将暉主演(侍戦隊シンケンンジャー&仮面ライダーWの夢の競演!)の青春音楽群像劇『キセキ―あの日のソビト―』(17)。

この中で、横浜流星はGReeeeNの前身ともいえるグリーンボーイズのメンバーのひとりnaviを好演していました。
(残りのメンバーが菅田将暉、成田凌、杉野遥亮ですから、今振り返ると何とも豪華な布陣!)

そして第2弾『愛唄―約束のナクヒト―』(19)は、脚本と音楽全般をGReeeeNが担当し、名曲《愛唄》をモチーフに、彼らが実際に体験した出来事を基に映画化したもので、ここでの主演を横浜流星が務めています。

彼が演じているのは、恋する勇気を持てないまま大人になり、余命宣告を受けてしまった青年トオル。

しかし、元バンドマンの旧友・龍也(飯島寛騎/仮面ライダーエグゼイド!)との再会や、偶然に触れた一編の詩が相乗効果をもたらしながら、やがてトオルは運命の少女・凪(清原果耶)とめぐり会い、恋する勇気と愛に生きる力をもらいますが……。

ここでの横浜流星のおとなしめでナイーヴな個性は、死生観をそこはかとなく漂わせる作品そのものの作りと呼応しあいながら、静の魅力が大いに引き出されています。

また西銘駿(仮面ライダーゴースト)や渡部秀(仮面ライダーオーズ)も出演しており、前作同様に東映特撮ヒーロー・ファンにもたまらないものがあることでしょう。

また清原果耶や成海璃子など、女優陣の好演も特筆事項です。

そしてラスト、《愛唄》の弾き語りシーンは感涙必至ですが、さらにはその後も……!

男子チア・リーディング!
『チア男子!!』




 (C)朝井リョウ/集英社・LET'S GO BREAKERS PROJECT



直木賞作家の朝井リョウが、母校の早稲田大学に実在する男子チア・リーディング・チームをモデルにした同名小説を映画化したのが『チア男子!!』(19)。

既にアニメ化や舞台化もされていて、監督はこれが初長編映画となる若手気鋭の風間大樹が抜擢されています。

横浜流星が演じる晴希は、もともと道場の長男として幼い頃から柔道を習い続けてきた大学1年生。

生来の優しい性格が災いして自分の才能に限界を感じていたところに肩を壊してその道を絶たれ、正直安堵していた晴希でしたが、ひょんなことから幼馴染の親友・一馬(中尾暢樹)に誘われて、何と男子チア・リーディング・サークル“BREAKERS”を結成し、学園祭での初舞台を踏むべく奮闘努力することに!?

『シコふんじゃった。』(91)を代表格に、ちょっと変わったジャンルに若者たちがいつしか熱く懸けていく爽快な青春映画路線は今や日本映画の王道ではありますが、本作は男のシンクロを描いた『ウォーターボーイズ』(01)さながら、それまで女子がやるイメージが強かったチア・リーディングに男子が挑むという意外性の醍醐味に加えて、心優しい現代の若者たちの気質が躍動的なダンスとともに画面いっぱいに弾ける心地よい秀作足り得ています。

クライマックスのパフォーマンス・シーンも見応え十分で、身体能力に長けた横浜流星ならではの長所もフルに堪能できますが、誰かを応援するのが巧まずして得意であるという晴希の真摯なキャラクターは、彼の新たな一面を引き出しているようにも思えます。


また中尾暢樹は『動物戦隊ジュウオウジャー』の風切大和ことジュウオウイーグル、後にBREAKERSに属することになる徳川翔役の瀬戸利樹は『仮面ライダーエグゼイド』の鏡飛彩こと仮面ライダーブレイブ役でも知られています。


イケメン4人のアオハルな
カルテット『虹色デイズ』




(C)2018「虹色デイズ」製作委員会 (C)水野美波/集英社



水野美波の同名コミックを飯塚健監督のメガホンで映画化したのが『虹色デイズ』(18)です。

恋に奥手な愛されキャラなっちゃん(佐野玲央)、チャラ男のまっつん(中川大志)、秀才肌のオタクつよぽん(高杉真宙)、そして明るいドSな恵ちゃん(横浜流星)と、性格も趣味も全く違うのになぜか相性抜群の高校生4人組。

しかしなっちゃんが同級生の杏奈(吉川愛)に片想いしてしまったことから、彼らの日常に変化が……!?

ここでは横浜流星を含む若手イケメン俳優4人がカルテットとして主演を張り、時にのどかで時におバカ、時に喧嘩もして、時にせつなく、時に感動の涙といった、青春群像劇ならではの醍醐味をさわやかに、そして繊細に発散させてくれています。

冒頭のプールに浮かぶ4人の画からして、“ザッツ青春映画!”の情緒が好もしく醸し出されているのでした。

クライマックスの“雨の日の学園祭”なんて、もうその設定だけでこれ以上何をか言わんや!ですね。

一方、大好きな親友にカレシができるのはイヤ! といった女の子側の微妙な心理もさりげなく描出されているのでした(恒松祐里、堀田真由、吉川愛といった若手女優陣もそれぞれ好演)。

ほんと、カップラーメンのCMではありませんが(あ、カップラーメンを食べる印象深いシーンもあります)「アオハルかよ!」と突っ込みたくなる逸品です。
(余談ですが、高杉真宙は『仮面ライダー鎧武/ガイム』の龍玄役。また『海賊戦隊ゴーカイジャー』ゴーカイ・ブルーこと山田裕貴も出演しています)

1970年代怪獣オタクを怪演!
「怪獣倶楽部 空想特撮青春期」





横浜流星が出演したTVドラマでファン垂涎なのは、きっと「はじめて恋をした日に読む話」(19)「あなたの番です―反撃編―」(19)あたりではないかと思われますが、ここではあえてヘンテコながらも面白感動の、ちょっとお宝な青春群像ドラマ「怪獣倶楽部 空想特撮青春期」(17)を!

時は1970年代初頭、まだオタクという言葉が存在しなかった時代、「ウルトラマン」(66~67)や「ウルトラセブン」(67~68)などの特撮ドラマに魅せられ、怪獣に青春のほとんどを捧げた(でも本音のところでは恋もしたい!)7人のマニア集団がいました。

当時は(今も?)こういった特撮番組に若者が夢中になるというのはかなりの覚悟を必要としていたと思われますが、でもビデオもSNSもなかった時代、喫茶店に集ってはアナログ的に情報交換し合う彼らの行動は、今のオタクとは異なる情熱を感じさせられます。
(ビデオがないからカセットでTVから直接音を録音していたなんて、想像できますか? 私はよくやってました)

演出も初期ウルトラ・シリーズの中でも印象深いエピソードを披露していた実相寺昭雄監督や飯島敏宏監督などのタッチなどを倣っているのが、ファンには好感の持てるところです。
(円谷プロ協力のもと、メトロン星人やガッツ星人なども登場します)

主演は本郷奏多(彼とは2013年にTVドラマ「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」でも共演してますね)で、横浜流星が演じているのはメンバーのひとりで、17歳の高校生で最年少ながらも“怪獣エリート”と呼ばれているカツオくん。
(モデルは日本を代表する特殊メイク・アーティストで監督&特技監督としても著名な原口智生とのこと)

詰襟の制服やジャージ姿など、いかにもオタクっぽい風貌なのに、どこか可愛く好もしく映えるのは素が良いからでしょうね、きっと。

やはり横浜流星の原点!
『烈車戦隊トッキュウジャー』





とまあ、他にもいろいろ魅力的な作品はありますが、やはり横浜流星の原点といえばこれ、『烈車戦隊トッキュウジャー』(14~16)でしょう!

幼馴染であること以外は記憶がなく、子供の心のまま身体だけ大きくなったトッキュウ戦士たち。

その中で横浜流星演じる特急4号/ヒカリは現実主義者で堅物なクールガイで、主人公のライト(志尊淳)と正反対のキャラクターで、その対比も功を奏して人気を博しました。

もともと空手をやっていた横浜流星は、アクション・シーンも危険なもの以外は努めて自分で演じるようにしていて、スタント・チームからも一目置かれていたとのことです。

また特撮ヒーローを長く演じると、どうしても演技の型がパターン化してしまいがちで、番組終了後はいかにそこから自然体の演技ができるようになるかも演者たちの大きな試練になるのですが、横浜流星の場合は『オオカミ少女と黒王子』(16)に出演した際に廣木隆一監督から厳しく演技指導されたことでその関門をクリアできたと聞いています。

そして現在の流星、いや隆盛期に突入した彼、今後も浜辺美波と共演の「私たちはどうかしている」が7月から日本テレビで放送予定、また新作映画『君の瞳が問いかけている』が2020年公開予定です。

今後の活躍とさらなる隆盛ぶりを見守っていきたいものです。
(「トッキュウジャー」第33話では得意の空手を活かしたアクションを披露していましたが、映画でも一度そういった本格的なものを見てみたいものですね)

(文:増當竜也)

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