インタビュー

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2020年08月06日

弘兼憲史「獺祭の挑戦」冒頭無料配信!〜中興の祖・桜井会長対談とともに〜

弘兼憲史「獺祭の挑戦」冒頭無料配信!〜中興の祖・桜井会長対談とともに〜



流通を変える


AmazonのようなEコマースが発展して日本の書籍販売における問屋の地位が脅かされている。一方、旭酒造では1980年代から問屋に頼らずに直接卸す方式に流通を改めた。現代の流通を先取りしている。




──獺祭を飲食店や酒店に直接卸すことで日本酒の流通を変えました。それは今の時代を先取りしていました。

弘兼:昔は自分の酒がどの酒屋で扱っているかを管理するのは大変な作業だったんですよ。手で書いて帳簿をつけて。

今はパソコンにデータを蓄積していけば問屋を通さなくても直販みたいなものができますよね。コストも下げられます。

問屋に入れて、売れなければ返品されますから。それじゃあ造っている方もガックリきます。

──造り手と売り手の間にブラックボックスがあった。

桜井:そこに出てきたのがクロネコヤマト(ヤマト運輸)ですよ。

──流通革命ということですか?

桜井:宅急便があればひとケース、ふたケースから送れるでしょ?

──早い段階でやろうと思われたんですか?

桜井:やってみたら便利だなあと思ったんですよ。1977年にクロネコヤマトが始まるでしょ。私が酒蔵を継いだのが1984年ですから、だいたいその頃には全国展開ができているんです。

おそらく、宅配便がなければ今のうちはないでしょうね。

弘兼:問屋を通さないところは増えているみたいですから、桜井さんの方式って「なるほど、こういうやり方があるんだな。」と思うのでしょうね。

桜井:酒問屋さんは酒問屋さんで生き残るために大型化していかざるを得ないんですよ。商社機能を拡充するしかないので。そうすると何兆円というところを狙っていかないといけないじゃないですか。小さな酒蔵を相手にしたらやっていけませんよ。

弘兼:それなら酒蔵は自分たちでやったほうがいい、と。

桜井:商社は商社で、自分たちで生き残りをかけてやっていかないといけないですね。

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